証券会社の手数料無料化はアメリカから始まった

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証券会社による手数料無料化の流れは、まずアメリカで始まりました。2013年に設立された新興ネット証券のロビンフッドが、売買手数料を無料にしてサービスを開始。若年層を中心に大きな支持を集め、2019年12月には1,000万口座を突破しています。
2019年10月にはネット証券大手のチャールズ・シュワブも、株式売買手数料の無料化にふみ切りました。これらの流れが、国内証券会社の手数料無料化に影響を与えたとされています。
ロビンフッドやチャールズ・シュワブがユーザーの手数料を無料化できた理由は、PFOF(ペイメント・フォー・オーダーフロー)や、金利収入などによって大きな利益を得られる仕組みだからです。PFOFとは、顧客からの注文を専門業者に回して報酬を得ること。また、顧客に資金・株式を貸し出す信用取引などで得られる金利も収入源になっています。
一方で、日本では低金利が続いているため、金利による安定した利益を得ることは難しいのが現状です。PFOFも日本では導入が難しいとされ、日本の証券会社がアメリカのようなビジネスモデルを実現することは困難だといわれています。
日本ではSBI証券が株式売買手数料の無料化を牽引

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アメリカの動きを受けて、日本ではSBI証券が手数料無料化の流れを牽引しています。SBI証券では、2020年から段階的に手数料が引き下げられました。
- 2020年10月:1日の約定代金合計100万円までの国内株式取引手数料を無料化
- 2021年4月:25歳以下の国内株式現物手数料を実質無料化
- 2021年11月:単元未満株の買付手数料を実質無料化
- 2022年3月:「日計り信用」での買方金利・貸株料を無料化
- 2023年9月:国内株式取引手数料を約定代金によらず無料化
SBI証券の動きを受けて、ほかのネット証券も無料化の流れに追随しています。例えば、楽天証券では2020年12月に、1日の約定代金合計100万円までの国内株式取引手数料を無料化しました。松井証券も1日50万円まで、または25歳以下の株式取引は手数料無料です。
2023年9月には、SBI証券で「ゼロ革命」が実施されました。インターネットコースを選択するなどの対象条件を満たすと、約定金額によらず現物取引・信用取引の国内株式売買手数料が無料です。一部の証券会社も追随し、楽天証券は2023年10月から、三菱UFJ eスマート証券は2026年5月から同様の無料化にふみ切りました。
ただし、株式売却時・買付時の手数料無料化は証券会社の収益減に直結します。すべての証券会社が手数料ゼロを実現できているわけではないことも理解しておきましょう。
※手数料無料化の条件は証券会社ごとに異なります。詳細は公式サイトでご確認ください。
証券会社が手数料無料のビジネスモデルを導入する理由は?
収益が減るにもかかわらず、証券会社が株式取引の手数料を無料にするのはなぜなのかと疑問に思う人もいるでしょう。ネット証券などが手数料無料化にふみ切る理由は、顧客をより多く獲得するためです。ここからは、証券会社が手数料を無料化する理由を解説します。
目先の収入源より将来のシェア拡大を優先するため

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証券会社が収益減のリスクを負ってまで手数料を無料化する目的は、顧客のシェアを獲得するためと考えるのが一般的です。今後は顧客をより多く獲得している会社が、必要最低限の投資で大きな収益を得られる時代が来ると予測されています。
資産運用などの業務におけるAI活用により、今後証券会社の運営コストは減少していくでしょう。加えてネットビジネスでは、顧客の数が増えても設備投資にかかる費用はさほど変わらないため、シェアが増えた分だけ収益を拡大しやすくなるといわれています。
証券会社の手数料無料化の背景には、収益の一部を手放してでもシェア拡大を進めたいという狙いがあるといえるでしょう。
新NISAに合わせた顧客の囲い込みも目的のひとつ

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新NISAに合わせた顧客の囲い込みも、証券会社が手数料無料化にふみ切った理由です。手数料を無料化することで新たに投資を始める顧客を多く獲得し、将来的な収益拡大につなげる狙いがあると推測できます。
新NISAは従来のNISA制度の後継として、2024年1月に開始した少額投資非課税制度です。新NISAの開始にともない、NISA口座の開設者は大きく増加しました。新NISAの開始前・開始後のNISA口座数を比較すると、2023年12月末は1,428万口座、2025年12月末は2,025万口座です。
新たにNISAを始める人を呼び込めれば、証券会社にとってシェア拡大の追い風となるでしょう。実際に、新NISA口座での国内株式、米国株式、海外ETF、投資信託の売買手数料を無料にしている証券会社は多く、顧客を積極的に獲得したいという狙いがうかがえます。
※参考:日本証券業協会「NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査|NISA口座の開設・利用状況(2025年12月末)」(外部サイト)
手数料無料でどうやって儲けている? 証券会社の利益の仕組み

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証券会社が手数料無料化を進められるのは、手数料以外の方法で収益を得られる収益構造を確立しているからです。ネット証券を含む証券会社は何で儲けるのかというと、一般的には以下のような儲け方を取り入れて、手数料以外の利益が生まれるビジネスモデルを実践しています。
- 投資信託の信託報酬
- 信用取引の金利・貸株料
- 顧客への情報提供料
- 資産運用に関するアドバイス料
- 投資一任契約の管理手数料
- 自社資金を用いた投資利益
例えば、投資信託の信託報酬は証券会社の収入源のひとつです。投資信託は無料で購入できるケースも多いですが、保有し続けている間は、プロに運用を任せるための信託報酬と呼ばれる手数料が発生します。
信用取引の金利・貸株料も証券会社の収益源です。信用取引では、投資家が証券会社から資金や株式を借りて取引を行います。投資家が資金を借りる場合に金利を、株式を借りる場合に貸株料を証券会社に支払うため、これらが証券会社の収益になる仕組みです。
顧客への情報提供料や、資産運用に関するアドバイス料で儲けている場合もあるでしょう。富裕層や法人向けに資産管理のコンサルティングサービスを提供している証券会社もあり、一般的には預かり資産残高に応じた管理料がかかります。
このような儲けの構造が成り立っているため、証券会社は手数料収入がなくても利益を得ることが可能です。手数料の無料化によって顧客基盤を広げることで、上記のようなサービスにおける収益を伸ばす効果も期待できるでしょう。
手数料無料&手数料が安い証券会社をランキングでチェック
ネット証券を含む証券会社はどうやって儲けているのかなど、証券会社の収益構造の仕組みを理解できたら、実際にコストが安い証券会社をチェックしてみましょう。
手数料無料で取引できる条件は、利用する証券口座によって異なります。取引する金融商品の種類や年齢などによっても手数料は変動するので、自分に適したサービスを展開している証券会社で口座開設することが大切です。
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