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グリコ障害で出荷停止、基幹システム更新に「2025年の崖」

江崎グリコの物流センターで発生したシステム障害の影響が広がっている。キリンビバレッジがグリコに販売を委託する一部飲料も出荷が止まった。きっかけは300億円以上を投じた基幹システムの切り替えだ。老朽化システムの更新に人材や資金が取られる「2025年の崖」問題も指摘されている。

グリコが3日、調達や出荷、会計などの業務を一元管理する統合基幹業務システム(ERP)を全社的に切り替えたところ、障害が発生し、物流センターの業務を一時停止した。18日に一部業務を再開したが、出荷データの不整合が見つかるなどしたため、再度出荷を停止した。5月中旬の出荷再開を目指す。

洋生菓子「プッチンプリン」や乳飲料「カフェオーレ」のほか、果汁や清涼飲料といったグリコの17種類の冷蔵商品の出荷が止まっている。グリコに販売を委託していたキリンビバレッジの「トロピカーナ」や「無添加野菜」といった飲料も出荷が止まった。グリコによると、キリン以外に冷蔵品の販売委託を受けている例はない。

  • >>6495

    システム障害はグリコが基幹システムを独SAP社の「SAP S/4HANA」に切り替えたことに端を発する。

    3日に障害が発生した当初はシステムを利用せずに出荷業務を継続した。在庫管理の機能は動かしていたものの、倉庫内の実際の在庫数とシステム上の在庫数が一致しなかったため、14日に出荷を一時停止した。データの差異を解消した上で18日に出荷業務を一部再開したが、データが合わない状況が続いたため、当面は冷蔵品の出荷を停止する判断に至ったという。

    全拠点で同じ新システムを導入したにもかかわらず、冷蔵品だけが大きな影響を受けた理由についてグリコは「原因究明中」と述べるにとどめた。復旧に向けてシステムの改修や出荷業務の流れの見直しを検討する。グリコは新システムへの切り替えに総額340億円を投じた。24年4月の稼働開始は予定通りだったものの、過去に1度、稼働時期を延期していたという。

    構築してから長い年月動き続けている企業の基幹システムは一定数ある。経済産業省が18年に公表した「DXレポート」では、25年時点で21年以上稼働している基幹システムが6割を占めると試算。システムの保守運用に企業のIT(情報技術)予算の大半が奪われデジタルトランスフォーメーション(DX)が阻害された結果、25年以降に最大で年12兆円の経済損失が生じる可能性を「2025年の崖」と表現して指摘した。

    こうした事態を回避すべく基幹システム刷新に取り組む企業も増えているが、古いシステムを扱える人材の退職などで人手が不足し開発遅延が生じやすくなっている。基幹システムのトラブルが今後、多くの企業で起こりうる可能性を指摘する声もある。