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ゆく株の流れは絶えずして、しかも、徒然なるままに……息抜きしながら探し物を…。の掲示板

空売り機関分析

インテグレイテッド・コア・ストラテジーズ・アジア(Integrated Core Strategies Asia Pte.Ltd.)は、シンガポールに拠点を置く非公開の有限責任株式会社(Private Limited Company)です。2007年に設立され、証券業・その他金融サービス業を営んでいます。

「Pte. Ltd.」という表記をみれば分かるように、非公開の会社なのでホームページはおろか詳細な情報がまったく開示されていません。正体不明の機関投資家です。

インテグレイテッド・コア・ストラテジーズは、時価総額300億円~1,000億円くらいの東証1部企業を対象に空売りを行っているようです。東証1部の時価総額は平均するとおよそ3,200億円(2021年11月の単純平均)なので、東証1部企業の中でも比較的時価総額が小さい企業を選んでいるようです。

こうした銘柄は1日の出来高が少なく、売買代金も数億円程度しかないので、1銘柄当たりの空売りポジション金額を抑えながら市場に大きな影響力を行使することができます。

トヨタ自動車の時価総額はおよそ33兆円で、1日の売買代金は600億円前後あります。仮に6億円の空売りポジションを持つ場合、トヨタ自動車に投資しても市場に与える影響力は微々たるものでしかありません。一方、時価総額300億円の企業を空売りする場合、時価総額の2%に相当する額を使って巨大なポジションを作ることができます。
したがって、インテグレイテッド・コア・ストラテジーズが「東証1部企業で時価総額が比較的小さく、1日の出来高・売買代金が少ない」銘柄を好む理由は、①東証1部企業なので市場からの注目度も高く、ある程度の流動性がある、②時価総額が小さく、1日の出来高・売買代金が少ないので、自由に相場をコントロールできるためだと考えられます。

なお、空売り企業の業績についてはあまり考慮していないようです。福田組や明星工業は今期の決算が減収減益予想になっていますが、中部飼料に関しては減収ながら増益予想となっています。また、3社ともPERは7~10倍、PBRは1倍割れとかなり割安な水準になっています。ROEも市場平均を上回っているので、ファンダメンタル面からは積極的に空売りしにくい銘柄と言えます。