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海運大手、今期業績 予想難航。上方修正か据え置きか。本業好調も迂回コスト増

海運大手3社の2024年3月期連結業績見通しの策定が難航している。23年10―12月期は為替が1ドル=約144円と各社想定より円安で推移。世界の海運会社が紅海、スエズ運河の航行を中断していることで、コンテナ船の運賃も急騰している。一方、迂回(うかい)に伴う運航費用の増加に対し、「運賃が追い付いていない」(海運幹部)との指摘もある。今月末から順次発表される海運大手の23年4―12月期で期末業績が上方修正されるのか微妙な状況だ。

 株式市場は海運大手の業績の上方修正を織り込み済み。

 16日の東京証券取引所プライム市場では日本郵船、商船三井、川崎汽船の株価は年初来最高値を更新。川崎汽船のPBR(株価純資産倍率)は1・10倍に上昇した。

 「世界の海運が紅海、スエズ運河への配船中止を相次ぎ発表したことで、期末に向けコンテナ船を中心に船腹需給が引き締まるとの見方が大勢を占める」(証券アナリスト)

 24年3月期の各社の経常利益予想は日本郵船2350億円、商船三井2200億円、川崎汽船1350億円。

 外航海運のドル収入比率は8割前後と東証プライム市場で最も高い。各社の為替の経常利益に対する感応度は1円の円安で6億円―14億円の業績押し上げ効果がある(23年度下期)。

 23年9―12月期の期中平均レートは1ドル=143―144円と各社想定を1―3円上回った。足元では同147円前後の円安で推移している。

 本業の海運事業も好調だ。スエズ運河の航行中断、パナマ運河の渇水でコンテナ船やタンカーの海上運賃が上昇傾向にある。

 上海航運交易所によると、23年12月22日時点の上海発欧州向けスポット運賃は20フィートコンテナ1個当たりの価格が2週間で62%上昇、1年1カ月ぶりの高値を付けた。

 海運大手はコンテナ船事業会社オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)に日本郵船、商船三井、川崎汽船がそれぞれ38%、31%、31%出資する。

 「24年1―3月期にONEの業績が上昇すれば、期末に向け海運大手の経常利益が押し上げられる」(海運幹部)

 タンカー市況も上昇基調にある。

 パナマ運河の渇水の影響で、パナマ運河の通航隻数が減少。コンテナ船の通航を優先させており、通常のスロット(割り当て数)を下回っている。

 VLCC(大型原油タンカー)は足元で1日当たり5万ドルと損益分岐点を上回る。VLGC(大型LPG〈液化石油ガス〉船)の運賃は昨年9月に1日当たり17万ドルと過去最高を記録。足元は沈静化しているが、「引き続き底堅い」(海運大手のタンカー担当者)。

 懸念材料もある。

 スエズ運河を経由しないことで、海運各社の航海距離はアジア―欧州間で10日前後増加する。

 航海距離の増加は用船料やバンカー(燃料費)などオペレーター(運航船社)コストの増加につながる。

 LNG(液化天然ガス)船や自動車船は喜望峰(南アフリカ)経由の迂回がそのまま、運賃や市況上昇につながると額面通りに受け取れない。

 中東カタールは欧州向けLNG輸送でスエズ運河を主要航路とする。出荷国のカタールはカタール自身が船舶の配船権を持つEX―Shipで海運大手の船舶を定期用船している。カタールとしては紅海への配船を求めたいが、海運大手は運航船の安全を優先させ、同航路の運航を一時的に中断したい考え。

 「荷主に航路選定や迂回に伴うコスト増をどう説明するか難しい状況が続いている」(LNG船関係者)

 自動車船も配船繰りが厳しい。

 英クラークソンズによると、現存する自動車船は約760隻。発注残は170隻あるが、「船腹タイトが継続している」(海運首脳)。

 完成車輸送は中国発欧州向けのEV(電気自動車)の増加で、昨年から船腹の不足に拍車がかかっていた。

 船腹が不足しているところに迂回が重なり、「逆に完成車の輸送台数の減少につながりかねない」(同)と収支への悪化を懸念する。

 海運大手が第3四半期決算の発表段階で24年3月期の業績見通しを上方修正するのか、据え置くのか。東証は原則、下方修正と同様に上方修正に対しても適時開示を求めており、難しい判断となりそうだ。






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