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教員確保策「40歳で年収40万円増」現場に賛否、効果は?

中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別部会が教員確保に向けた総合的な対策案を了承した。実現すれば50年ぶりとなる給与増などを盛り込んだ。対策案は長時間労働の是正や優秀な人材の獲得につながるのか。現場の教員からは賛否の声が上がる。

「今までより勤務実態に近い給与になるのではないか」。関東地方の中学校に勤める50代男性教諭はこう評価する。

教職調整額については、勤務実態を反映していないという批判が続いてきた。

教員は教材研究や生徒対応など仕事内容が特殊だという理由で、時間外勤務手当(残業代)が支給されず、代わりに教職員給与特別措置法(給特法)が基本給の4%を「教職調整額」として支給すると定めている。

4%は1971年の給特法制定当時に国が調べた月8時間程度の残業時間から算定された。一方、2022年度の文科省の調査では月平均の残業時間の推計は小学校が約41時間、中学校が約58時間だった。

この男性教諭は週末にテストの採点などを自宅に持ち帰ることもあるが「全ては子どものため」。4月は新学期の準備などもあって残業時間が60時間に上った。「単純計算すると教職調整額を30%程度もらってよい気もするが、国には一歩一歩改革を進めてほしい」と要望する。

  • >>6768

    教職調整額が引き上げられれば各種手当も増える。

    東京都教育委員会の試算によると、教職調整額が10%になると、40歳の小中学校教員の場合は月額で調整額が2万円、地域手当が4000円、「期末勤勉手当」(ボーナス)が11万2000円増える。年収ベースでは40万5000円の増額だ。

    ただ、教員や専門家の間では、給特法を廃止か抜本的に改正し、働いた分だけ残業代を支払うべきだとの意見が根強い。現状を「定額働かせ放題」とやゆする声もある。

    愛知県の中学校で教員をしている40代女性は、体育祭といった行事や授業の準備のため、午前7時台に出勤して午後8時ごろに退勤するのが日課だ。「無制限に残業できることが改めて認められてしまった。これでは何も変わらない。働き過ぎて心身を害してもよいということだろうか」と疑問を抱く。

    栃木県立高校の20代の男性教員は「現場が最も望んでいるのは人を増やすこと。給与増に財源が充てられるとかえって正規採用を渋る自治体が出てきたり、他の教育政策の予算が削られたりするのではないか」と懸念を深める。

    大学生も議論を注視している。

    茨城県の男子大学生(20)は教員志望で大学に入学したが、現在は民間への就職も検討中だ。「賃上げが進んでいる民間に比べ、月数万円の給与増では水準が低い」と話す。

    中教審が対策案を議論してきた背景には、「ブラック職場」などといわれるほど長時間労働が常態化し、教員の人気が低迷していることがある。

  • >>6768

    22年度実施の公立小学校の教員採用試験の競争倍率は2.3倍で、4年連続で過去最低。00年度の12.5倍と比べると低下が著しい。教員の人手を確保し、質低下を避けるためには職場環境の改善が欠かせない。

    対策案は▽小学校の5、6年で実施している教科担任制を3、4年にも拡大▽勤務間インターバルの推進▽若手を支える中堅向けポストの新設――といった取り組みも盛り込んだ。

    男子大学生は「いきなり授業や保護者対応、行事を同時並行でこなせる気がしない。新卒へのケアを重視する考えはありがたい」と受け止める。

    「時間を管理することが、働き方改革を進める上で全ての出発点」。対策案はこう強調し、教育委員会ごとに教員の在校時間を公表することも求める。

    残業時間が「過労死ライン」とされる月80時間超の教員をゼロにすることを最優先とし、将来的に平均月20時間程度を目指すとした。神奈川県のある中学校の女性校長は「部活動や会計など、外部委託による削減の余地がある業務は多い」と指摘する。

    中教審は今後、対策案のパブリックコメント(意見募集)を実施する。工程表なども検討した上で答申をまとめる方針だ。