ZMPとZMP関連銘柄を語るの掲示板
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>>11668
⬆(続き)
多くの人が心配する責任問題については、システムが運転しているときの事故はアウディの責任となると明言しているが、そのために事故時のデータはデータレコーダーに記録されることになる。ドイツの法律では所有者に責任があるので、所有者は保険に入り、その保険会社が調査をして、クルマに起因する事故だと認定されれば当然、それはメーカーの責任ということになる。
ところで、EUでは国によって法律が異なるので、各国で討議を重ねている。アウディが考える初期的なレベル3は、ドライバーのサブタスクは限定的でシステムがドライバーをモニターできる範囲に限定している。システムからのトランジッション・タイム(権限移譲)は10秒で、ドライバーがシステムからの要請を受け入れないときは自動で緊急停止する。
自動レーンチェンジ・システムはあえて搭載していない。スピードが高い後続車の認識に自信がもてない。システムのロバスト性を高めるために冗長性(Redundancy)が重要で、たとえば電源に関しては、48Vと12Vの二重の電源システムを持つ。法律問題が100%クリアされたわけではないが、2018年度にはEUの一部の国でレベル3の走行が可能になるかもしれない。
しかし、こうしたレベル3は時期尚早と考えているのはメルセデス・ベンツだ。つい最近、試乗会に参加してきた新型「Sクラス」には、「アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック」が導入され、カーナビで登録した目的地まで、自動で加速と減速を行ってくれる。例えば高速道路の出口、ランナバウトでは自動的に速度が減速される。HEREの地図から道のカーブを想定し、自動で速度が調整されるが、その加減速が見事な完成度であった。街の中心部に設置されるゾーン30(時速30キロ以内の速度で走るエリア)に近づくと、カメラは規制表示版を読み取る。
アウディとほぼ同じシステムを搭載するメルセデスは「レベル3はまだ難しい」と考えており、新型Sクラスに搭載したドライバー・アシスト・システムは「洗練したレベル2」だと述べている。レベル3に積極的なアウディ、慎重なメルセデス。両社の考えの違いが興味深いが、いずれにしても、法律が整備され、責任問題がクリアされるなら、レベル3も意味がありそうだと思う。渋滞で正々堂々とスマホを操作することができるのだから。
⬇慎重なメルセデス -
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>>11668
⬆>ドイツでは法改正され、システムによる運転が可能となった。
ドイツ経済ニュース
【完全自動運転の法整備へ、実行計画を閣議決定 国際標準確立も】
2017/08/30発行 No.1152号
http://fbc.de/sc/sc40232/
自動運転の分野でドイツは一歩、先んじているもようだ。加速・操舵・制動を基本的にシステムに委ねることができるレベル3の自動運転車に関する世界初の法律を6月に施行したのに続き、政府は完全自動運転車の走行に必要な法律の整備に着手。メーカーは同分野の特許で他国企業を圧倒している。
ドイツ政府は23日の閣議で、自動運転の実現に向けた実行計画を了承した。交通相の諮問機関である倫理委員会の答申を踏まえたもので、「人間保護の優先」などの原則に基づいて今後、法整備や国際標準の確立に取り組んでいく。
自動運転車ではこれまで運転手が担ってきた責任をシステムが引き受けることになるため、倫理や法律上の新たな問題が浮上する。倫理委はこうした問題に対応するための法規制の大枠を6月の答申で提言した。
具体的には◇自動運転のアルゴリズムは事故が避けられない場合、物や動物でなく人間の保護を優先するとともに、被害者となる可能性のある人を老人か子供か、男性か女性かなどといった基準で区別することなく全員を平等に認識する◇走行データの記録を義務づけ、事故の責任が運転者とシステムのどちらにあるのかを明確化できるようにする◇運転者は運転をシステムに任せるかどうかを自ら決定しなければならない――との原則を打ち出した。
政府はこれらの原則を踏まえて道路交通法を改正し、自動運転車が公道を走行できるようにする。また、走行データの収集と個人情報の保護のバランスを配慮し、情報の自己決定権が侵害されないようにする。さらに、自動運転システムが国外でも利用できるようにするためにシステムの国際標準化を目指す。
自動運転の特許、独のシェア50%以上に
独財界系シンクタンクIWドイツ経済研究所は28日、自動運転分野の特許に占めるドイツ企業の割合が50%を超えることを明らかにした。IWは「ドイツ企業は自動運転車をめぐる競争で有利な立場に立っている」と指摘するとともに、同分野の特許件数が近年、世界的に急増していることも強調。現状にあぐらをかくことなく技術開発に取り組むよう独企業に促した。
(以下略) -
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>>11668
【アウディ A8 新型、自動運転機能「レベル3」の詳細発表…万全のバックアップ】
2017.9.8 Fri 13:19
https://response.jp/article/2017/09/08/299534.html
アウディは9月7日、新型『A8』に搭載する自動運転機能、「アウディAIトラフィックジャムパイロット」の詳細を発表した。
新型A8の自動運転機能、アウディAIトラフィックジャムパイロットは市販車として初めて、「レベル3」の自動運転を可能にするもの。中央分離帯のある高速道路を、比較的混雑している60km/h以下で走行している場合に限って、ドライバーではなく車が主体のレベル3の自動運転を実現する。
ドライバーが新型A8のセンターコンソールのAIボタンを押し、トラフィックジャムパイロットを作動させれば、ドライバーはアクセルから足を離し、ハンドルから手を離すことができる。「レベル2」とは異なり、ドライバーは車を継続的に監視する必要はない。それぞれの国の法的状況に応じて、ダッシュボードのインフォテインメントシステムのコンテンツを視聴するなど、運転以外の行為が行える。
ただしドライバーは、引き続き注意を払わなければならない。システムが運転動作を促すときには、いつでも運転の任務を引き継ぐことができるようにしておく必要がある。
トラフィックジャムパイロットが作動している間、車内のカメラは、ドライバーが必要に応じて運転動作を再開する準備が整っているかどうかをチェックする。頭と目の位置と動きを分析。たとえば、ドライバーの目が長時間閉じていると、システムはドライバーに運転動作を再開するよう促す。速度が60km/hを超えるか、または交通渋滞が解消し始めると、トラフィックジャムパイロットは、ドライバーに運転動作を再開する必要があることを知らせる。ドライバーがこの警告を無視すると、新型A8は車線内で完全に停止するまで、自動でブレーキをかける。
アウディによると、トラフィックジャムパイロットの導入には、各国の法的基準に関する明確化と、システムの具体的な適応およびテストの両方が必要。これらの理由から、アウディは各国の法的状況に応じて、新型A8のトラフィックジャムパイロットの生産を、段階的に開始していくという。
《text:森脇稔》
i_m***** 2017年8月30日 09:45
>>10947
清水和夫の自動運転ソシオロジー (9)
【議論白熱の自動運転レベル3、積極的なアウディと慎重なメルセデス】
2017/08/30 07:00
清水和夫
https://s.news.mynavi.jp/series/autonomous_car/009/
(前略)
1949年に制定された国連決議のジュネーブ条約では、「クルマの運転とはドライバーが責任を持つこと」と規定されており、この条約の改訂や解釈の変更がない限り、サブタスクは許されない。これをユーザーニーズから考えると、ドライバーはずっと前方を監視していなければならない自動運転には興味を示さないだろう。
しかし、システム(AI)が100%運転し、責任もシステムが持つ完全な自動運転(レベル4~5)なら、ジュネーブ条約を乗り越えることが可能だと専門家は考えている。つまり、条約で規定したドライバー(運転手)をAIと解釈すればレベル4~5が可能で、責任はシステムなので混乱も避けられる。
だが、悩ましいのはレベル3だ。このシステムはまだ半自動の段階なので、システムが都合が悪くなると人(AIやロボットに対して、自然人と書かなければならなくなった)にハンドオーバーすることになる。何秒あれば自然人にハンドオーバーできるのか、専門家は必死に研究しているが、交通状況はケースバイケース。システムから自然人にハンドオーバーするとき、自然人が対応できないとどうするのか。例えば、寝てしまったとか、急病で意識を喪失してしまったとか。考えれば考えるほど、悩ましい。
この辺りの悩ましさから、「レベル3はとても難しいからレベル2を進化させ、一気にレベル4に行く」と考えるメーカーもいるくらいだ。果たしてアウディは、どんな戦略でレベル3を実現するのだろうか。(中略)
新型A8に搭載する「アウディAI トラフィックジャム・パイロット」は、アウディがレベル3を目指して開発してきたもの。(中略)
ドイツでは法改正され、システムによる運転が可能となった。これでドライバーはハンドルから手を離し、サブタスクを行うことが可能となり、渋滞時の車内の過ごし方が大きく変わると期待されている。(続く)