(株)乃村工藝社【9716】の掲示板 2024/10/11〜2025/03/12

海外進出については、最近も2023-25中経の「新事業・新分野」で「海外事業」を挙げていたことがあって、「えっ何で今さら」と。シンガポールなどは1980年代から入ったり出たりしているようですし、北京も2010年代から現法を設置しているのですから。凡そ40年の稼働があるにも関わらずその成果がどれほどのものなのかを目にした記憶があまりありません。過去2014-16の中経にも「アジア地域での高品質なノムラブランドを確立します」とありましたが、その後10年経ても成否など特に触れられていませんし、それで”新事業・新分野”ってなにと。

そもそも現地顧客に取り入るには清濁営業力が必要ですし、海外でのネームバリューも過去の実績の厚みもそれほどないので、地元企業からの受注は容易ではないと見え、結局日本の顧客の海外進出に合わせて受注を目指すのが大半で、実際HPにある海外実績の多くは日本企業でありパナソニック、三越、トヨタ、資生堂等の名がずらり。それとて施工をやれば現地価格に日本が関わる経費分を上乗せすることになり、そこにどれほどのメリットを顧客が感じられるのか。支店を設け日本人社員を常駐させれば規模の大小に関わらず、その経費は小さなものではないですし、果たしてそれを上回る利益をもたらしてきたのか甚だ疑問です。

内装では建築のように独自の工法や技術的なノウハウでの差別化はできませんし、施工は現地業者に請け負わさざるを得ず、規模も建築ほど大きくはありませんから経費の比率も国内物件より大きくなるでしょう。さりとてデザイン・設計での進出では売り上げが施工の1/10程度になってしまいますし建築基準法、消防法、保健所関係など行く先々で日本の法規とは異なりますから、その対応も困難を伴います。国内市場での受注にすぐに限界が見えてくる訳でもなく（ディスプレー業界の市場規模を１兆4000億円と決算資料で明記しています）、国内地方に営業所を開設するのとは訳が違う海外進出の、どこに勝機やメリットを見出しているのか皆目わかりません。

海外進出を謳うのなら過去40年間の総括を行い、その上で海外単独の売上・利益、その他の目標とする成果、結果としての数値を今後きちんと発表するべきでしょう。それをしない、できないのであれば、単なる道楽と見られても仕方ありません。