(株)ワコムの決算情報

株式会社ワコムの主な事業セグメントは、ブランド製品事業とテクノロジーソリューション事業です。ブランド製品事業ではペンタブレット等を開発・製造・販売し、テクノロジーソリューション事業ではデジタルペンやタッチパネル等の部品・モジュールを開発・製造・販売しています。

2025年3月期の連結業績は、売上高が1,156.81億円(前年同期比2.6%減)となりました。一方で、営業利益は102.1億円(同44.7%増)、経常利益は103.94億円(同5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は52.25億円(同14.5%増)と増益となりました。テクノロジーソリューション事業が好調で、ブランド製品事業の減収をカバーしました。特に、EMRテクノロジーソリューションの売上高が前年同期を上回り、事業全体の成長を牽引しています。

資産合計は707.71億円(前期末比11.1%減)となりました。主な変動として、現金及び預金が72.97億円減少し、投資有価証券が15.53億円増加しました。負債合計は399.12億円(同8.6%減)となり、長期借入金が20億円減少しました。純資産合計は308.59億円(同14.2%減)となり、自己株式の取得75億円が主な要因です。自己資本比率は43.6%と1.6ポイント低下しました。

営業活動によるキャッシュ・フローは83.3億円の収入(前年同期比52.3%減)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは22.74億円の支出(同0.3%減)、財務活動によるキャッシュ・フローは131.7億円の支出(同104.8%増)となりました。自己株式の取得による支出75.14億円が主な要因です。これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は243.64億円となり、前期末から72.97億円減少しました。

2026年3月期の連結業績予想は、売上高1,100億円(前年同期比4.9%減)、営業利益115億円(同12.6%増)、経常利益115億円(同10.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益85億円(同62.7%増)を見込んでいます。テクノロジーソリューション事業は円高の影響で減収を予想していますが、ブランド製品事業は構造改革の効果により増収増益を見込んでいます。

2025年3月期の1株当たり配当金は22円00銭となりました。2026年3月期は中間配当を含め1株当たり22円00銭を予定しています。また、新たな配当方針として、連結ベースで総還元性向50%以上を目指し、原則として累進配当を実施する方針が発表されました。