東京製鐵(株)の決算情報

東京製鐵株式会社は、鉄鋼事業の単一セグメントで事業を展開しています。主に鉄スクラップを原料とした鋼材の製造・販売を行っており、環境に配慮した循環型の鉄鋼生産を特徴としています。

2025年3月期の経営成績は、売上高が3,267.75億円（前年比11.0%減）、営業利益が301.05億円（同20.9%減）、経常利益が316.12億円（同20.4%減）、当期純利益が212.03億円（同24.2%減）となりました。中国からの鋼材輸出増加や国内建築案件の工期遅れの影響を受け、鋼材市況が軟調に推移したことが主な要因です。出荷数量・価格の低下に加え、生産量減少による固定費コスト上昇が利益を圧迫しました。

資産合計は2,929.73億円（前年比5.7%減）、負債合計は830.55億円（同22.2%減）、純資産合計は2,099.18億円（同2.9%増）となりました。自己資本比率は71.7%（前年65.6%）に改善しています。主な変動として、現金及び預金が59.6%減少した一方、機械及び装置（純額）が39.3%増加しました。

営業活動によるキャッシュ・フローは195.88億円の収入（前年比63.3%減）となりました。主な要因は税引前当期純利益297.08億円、仕入債務の減少173.66億円です。投資活動によるキャッシュ・フローは218.76億円の支出（同20.2%増）で、主に有形固定資産の取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは137.66億円の支出（同69.1%増）となり、自己株式取得83.58億円、配当金支払54.08億円が主な内訳です。

2026年3月期の業績予想は、売上高3,050億円（前年比6.7%減）、営業利益190億円（同36.9%減）、経常利益200億円（同36.7%減）、当期純利益130億円（同38.7%減）を見込んでいます。中国からの高水準の鉄鋼輸出や関税政策の影響、国内鋼材需要の回復遅れなどが懸念されています。一方で、電炉鋼材へのニーズ拡大に対応するため、製品ラインナップの拡充や取引先の多様化、コストダウンの徹底などに取り組む方針です。

当期の年間配当金は1株当たり50円（中間25円、期末25円）となりました。次期の配当予想も1株当たり年間50円（中間25円、期末25円）を予定しています。今後の利益配分方針として、総還元性向25%～30%を目指すことを明確化しました。