BBDイニシアティブ(株)の決算説明会書き起こし
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稲葉雄一氏:BBDイニシアティブ株式会社代表取締役社長の稲葉です。2025年9月期第2四半期(中間期)の決算説明を始めます。
本日のお話しする内容は次の4つです。1つ目が2025年9月期第2四半期の業績について、2つ目が株主優待制度について、3つ目が2025年9月期通期の業績予想について、4つ目がBBDイニシアティブグループの成長戦略についてです。よろしくお願いします。
業績ハイライト 2025年9月期 第2四半期(中間期) 業績ハイライト
業績のハイライトです。第2四半期の連結売上収益は21億9,500万円で、第1四半期の10億9,700万円から着実に成長しています。
営業利益は1億8,000万円です。以前からみなさまに、営業利益率10パーセントを早期に達成させたいとお話ししていますが、営業利益率は前四半期比で1ポイントも増えました。この大きな成長は、私にとっても非常にうれしく、いち早く営業利益率10パーセントを達成できるよう、がんばっていきたいと思っています。
グループサブスクARRは、YoYプラス3.2パーセントの16億4,000万円となりました。第1弾のリリースを鋭意準備中の新「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」への営業のシフトのタイミングという影響もあり、やや伸び悩んでいるようにも見えますが、後ろではしっかりと動いていますので、ご安心ください。
グループサブスクARPA(顧客単価)も第1四半期から成長し続けており、YoYプラス9.1パーセントの48万8,000円で着地しました。後ほど詳しくご説明します。
連結決算概要|2025年9月期 第2四半期(中間期)
連結決算概要です。営業利益率10パーセントに向けて非常に順調に推移しています。売上収益はYoYプラス11.1パーセントの21億9,500万円、売上総利益はYoYマイナス1パーセントの8億5,000万円です。
営業利益は、YoYプラス19.6パーセントの1億8,000万円となりました。私どもがこだわっている営業利益率は8.2パーセントと、少しずつですが着実に伸びていきています。
税引前利益はYoYプラス19.5パーセントの1億7,000万円、当期利益はYoYプラス27.6パーセントの1億200万円で着地しました。
連結業績推移|2025年9月期 第2四半期(中間期)
DXセグメントの売上収益は、以前からお伝えしているとおり、サブスクリプションの特性上、後半に積み上がります。例えば、私どもの期の初めは10月ですが、10月に大きく積み上がると、サブスクリプションで12ヶ月分加算されていきます。
つまり、今期は第2四半期ですので、10月に契約したサブスクリプションの料金はまだ半分しかいただいておらず、残りの半分も自動的に入ってくることになります。このように、10月、11月、12月、1月、2月、3月、4月と伸ばしていくことにより、階段のようにどんどん積み上がっていきます。これが後半に積み上がるサブスクリプションの特性です。
売上と営業利益率改善のための継続的な業務改革を推進しています。繰り返しになりますが、営業利益率10パーセントに向けて動いているところです。
連結営業利益増減分析|2025年9月期 第2四半期(中間期)
連結営業利益の増減分析です。IT人材需要への柔軟な対応により、BPO売上が大きく増加しました。また、生成AI機能を実装した新サービスの開発等により、原価が増加しています。
構造改革に伴うコスト削減の効果で、営業利益は大幅に増加しています。まだまだ改善の余地はあると思っており、このまま営業利益をしっかり伸ばしていきたいと思っています。
連結貸借対照表|2025年9月期 第2四半期(中間期)
連結貸借対照表です。資本増強の実施および有利子負債の返済により、負債が大幅に削減しました。自己資本比率は31パーセントから53.6パーセントまで大きく改善しています。
スライド右側に記載のとおり、負債の部の有利子負債がマイナスになっています。第三者割当増資によって8億7,500万円を調達し、ほぼすべて借入の返済に活用しました。これにより、自己資本比率が22.6ポイント改善しています。
連結キャッシュフロー|2025年9月期 第2四半期(中間期)
連結キャッシュフローです。減価償却費用及び償却費1億7,200万円により、営業キャッシュインは2億6,100万円となりました。
無形資産の取得による支出1億1,100万円等により、投資活動でのキャッシュアウトは1億3,700万円となりました。
第三者割当増資における株式の発行による収入8億8,200万円、借入金の返済、前期の配当金の支払い等による支出8億6,800万円により、財務活動のキャッシュインは1,300万円になりました。
DXセグメント|SaaS・サブスクサービス ラインナップ
DXセグメントのラインナップについてお話しします。私どもはデジタルシフト・中小企業DXをセキュアに実現し、企業の売上アップ、生産性向上を推進するSaaS/サブスクリプションサービスを提供しています。
営業・マーケティング活動の1つの流れとして、まず潜在顧客を発掘し、リード(見込顧客)を獲得します。そして、見込顧客を育成して案件化し、商談し、受注します。
私どもにはこのプロセスごとのサービスが豊富に揃っています。お客さまの業務課題に応じてサービスを提案し、複合的な提案によって複数のサービスをご利用いただくことが、私どものサービスの特徴です。
DXセグメント|四半期売上収益 推移|2025年9月期 第2四半期(中間期)
DXセグメントの四半期売上収益の推移です。スライドのグラフのとおり、DXセグメントの売上収益は、SaaS関連事業の受注停滞により若干減少しましたが、事業整理等によりSaaS事業の一時的な停滞をこなし、回復基調にあります。
SaaS事業は、グラフに濃い青で示したとおり、横ばいになっている部分がありますが、徐々に回復基調が出てきています。
SaaS関連事業は、グラフに薄い青で示したとおり、凸凹が大きくなっています。こちらは、SaaSに関連するような開発案件や特別なフローの部分、一時的なキャッシュが含まれています。こちらの事業はしっかりと対応を進めています。
また、冒頭でもお話ししたとおり、生成AIを実装した、「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」に置き換わる新しいサービスの第1弾をまもなくリリース予定です。そちらに営業をシフトさせていく流れの中で、このあたりの対応も含めて取り組み始めているところです。
ちょうど今はこの入れ替わりの転換期となっており、この後の成長を期待しています。お客さまにもみなさまにも新サービスについてまもなく発表できますので、どうぞご期待ください。
BPOセグメント|SES事業の強み
BPOセグメントのSES事業の強みについてです。新卒及び未経験のITエンジニアの採用・研修ノウハウにより、粗利率の高いエンジニアを早期戦力化していきます。
エンジニア不足を解消するための独自の教育プログラムをノウハウ化し、スライドに記載のとおり、いろいろな教育や研修プログラムを通じてエンジニアの基礎をしっかり学びながら、チームで育てていく仕組みを確立しています。
BPOセグメント|四半期売上収益 推移|2025年9月期 第2四半期(中間期)
その効果もあり、BPOセグメントの売上収益は拡大しています。エンジニアをしっかり採用できれば売上に着実につながりますので、エンジニアの人数を少しずつ増やしていきながら、SESのニーズに対応していきます。SES売上は、YoYプラス19.8パーセントで着地しました。
主要KPI|四半期KPI
主要KPIです。私どもは、各セグメントの成長性を示す売上収益の構成要素として、「契約件数」×「顧客単価」および「エンジニア稼働数」×「エンジニア単価」の推移を管理し、各指標の向上を目指しています。
KPIに関しては、ARRは契約件数とARPA、SES売上はエンジニア稼働数とエンジニア単価で構成されています。
主要KPI|グループサブスク四半期KPI推移|ARR/ChurnRate
主要KPIであるグループサブスクのARR、チャーンレートの推移です。スライドのグラフで示しているとおり、マーテック&タレントテック事業が若干伸びている一方、セールステック事業はほぼ横ばいとなっています。
こちらは先ほどお話ししたとおり、複合的な提案を行っており、ちょうど新「Knowledge Suite」への移行のタイミングでもあることから、営業シフトを行っているところです。
チャーンレートも凸凹はありますが、ほぼ横ばいとなっています。体制をしっかりと整えていますので、チャーンレートもこれから徐々に下がっていき、1パーセントほどになるのではないかと考えています。
主要KPI|グループサブスク四半期KPI推移|契約企業件数/ARPA
契約企業件数とARPAの推移です。以前もお話ししましたが、解約するお客さまは比較的単価の低いお客さまが多いため、単価が低いお客さまが解約していけば必然的に単価が上がるという構造になっています。
あまり大きな規模で使われていないお客さまが解約していきつつ、ある程度しっかり単価を取れているお客さまが残って使っていただく流れの中で、単価が上がっています。
スライドのグラフは過去3ヶ年の推移ですが、5ヶ年で見ても、単価が下がった期間は1ヶ月たりともないことが私どもの特徴だと思っています。つまり、単価が高いお客さまや複合的に使っているお客さまほど、長く使っていただける傾向があります。
主要KPI|グループSES四半期KPI推移|エンジニア稼働数
グループSESのエンジニアの稼働数は、ほぼ横ばいです。売上は伸びていますので、単価が少しずつ上がっていることの表れでもあります。2024年9月期第4四半期、2025年9月期第1四半期、第2四半期にかけて、エンジニアの稼働人数は非常に安定的に推移しています。さらにその分、顧客単価は上がっています。
今後のAIエンジニアのニーズ拡大により、単価はさらに上がっていくのではないかと考えていますので、AIエンジニアの教育にも今後力を入れていきたいと考えています。
グループトピックス|2025年3月プレスリリース
グループトピックスです。2025年3月にプレスリリースしましたが、セールステック事業では、SaaS連携を開発不要で実現するiPaaSサービス「JENKA(ジェンカ)」の代理店提供を開始しました。
さらに、ビジネスチャットサービス「DiSCUS(ディスカス)」や「JENKA」上で、簡単に連携設定ができるようになっています。
グループトピックス|2025年2月プレスリリース
2025年2月にプレスリリースしましたが、常陽銀行をはじめ、大手SIなど多くの販売提携を実現し、「Knowledge Suite」の販売代理店が急増しています。
グループトピックス|2025年2月プレスリリース
マーテック事業では、グループ会社のネットビジネスサポート社において、2月にグループ会社・関連会社へのアプローチ戦略に使える「グループ・関連会社データベース」の提供を開始しました。上場会社、未上場の大手企業のグループ企業・関連会社の約5万社をデータベース化したもので、非常に多くのニーズをいただいています。
グループトピックス|2025年2月プレスリリース
タレントテック事業では、タレントとともに企業の魅力を発信する動画制作「ビジネス潜入番組BUSINESS DiVe(ビジネスダイブ)」のサービスを開始しました。いろいろなタレントが企業に訪問しながら、その企業を紹介していく番組を作っています。人気が少しずつ出始めていますので、どうぞご期待ください。
グロース市場上場維持基準(流通株式比率)の適合に向けた進捗状況
以前からお話ししていましたが、第三者割当による新株予約権行使が完了しました。流通株式比率も含めて、上場維持基準がすべて適合となる見込みです。
初めての方もいるかと思いますので、簡単にご説明します。タワー投資顧問の事業がなくなってお辞めになり、その株式を清原達郎さまが保有することになりましたが、個人保有になった段階で、その株式が固定株として扱われるようになってしまいました。
それにより、流通株式比率が適合の25パーセントから割り込んでしまいました。そこで第三者割当増資を行った結果、現時点で32.79パーセントまで流通株式が広がりました。
まだまだ流通株式として世の中に出ている数は少ないのですが、上場維持基準の25パーセントから7.79ポイントオーバーして適合となっていますので、ご安心いただければと思います。
資本政策|株主優待制度の導入について(デジタルギフト)2025年9月期
株主優待制度の導入についてご説明します。対象の株主さまに対し、基準日ごとに2万円分のデジタルギフトを進呈します。さらに、9月末日基準においては保有年数に応じて最大3万円分が上乗せされ、年間合計最大で7万円分のデジタルギフトを進呈します。
今回、3月末時点で500株を保有していた株主さまには、2万円分のデジタルギフトを進呈します。「PayPayマネーライト」「QUOカードPay」「Amazonギフトカード」「Visa eギフト vanilla」などから、みなさまが選んでいただくかたちになります。
株主優待制度|中間優待進呈 基準日2025年3月31日(初回)
初回は6月中旬をめどに送付しますので、しっかりお使いいただければうれしいです。
受け取り方を簡単にご説明すると、QRコードから専用サイトへアクセスし、簡単なアンケートに回答して、デジタルギフトを選択します。そして、ギフトコードを受け取って、各デジタルマネーを受け取るという流れになります。非常に簡単に受け取ることができますので、ご利用いただければと思います。
株主優待制度|期末優待進呈 基準日2025年9月30日(次回予定)
次回は、9月末日に5単元(500株)以上を保有されている株主さまを対象に、2万円から5万円分のデジタルギフトを、2025年12月中旬をめどに送付します。
業績予想|2025年9月期 通期
通期の業績予想です。売上収益はYoYプラス13.9パーセントの47億円、営業利益は3億5,500万円、営業利益率は7.6パーセントを見込んでいます。第2四半期の営業利益率は8.2パーセントでしたので、早期に10パーセントを達成できるようにがんばっていきます。
業績予想|2025年9月期 通期
営業利益率の向上を最優先で取り組んでいきます。売上収益は47億円、営業利益は3億5,500万円、営業利益率は7.6パーセント、当期利益は2億1,500万円を予想しています。
市場環境|潜在市場規模
BBDイニシアティブグループの成長戦略についてお話しします。メインターゲットである中小・中堅企業170万社から、国内SaaS/AIシステムの潜在市場へと私どもはアプローチしていきます。
人手不足によるAI・業務自動化ニーズの増加、リモートワークや働き方改革の推進、デジタルトランスフォーメーション(DX)の拡大を軸に考えています。
私どもの市場ターゲットは中小・中堅企業170万社で、スライドに記載のとおり、現在約8,000億円規模になっています。この数字は、従業員数999名以下の法人企業170万社に、私どもの2024年9月期第4四半期時点のARPAである47万1,350円を掛けたものです。
市場環境|企業価値 ~全ての企業における人手不足をDXを通じて効率化へ~
市場環境として、2つのメガトレンドがあります。1つは、「中小企業の営業活動上の課題の高まり」です。もう1つは、エンジニアニーズによる「IT人材(エンジニア)の不足」です。IT人材は2030年までに約79万人が不足すると言われていますので、拡大の余地がまだまだあると考えています。
市場環境|企業価値 ~BBDイニシアティブグループが取り組む課題~
私どもは、中小・中堅企業の人手不足をDXで補うための自動化・自律化(AI)に向けて、大きく分けて3つの課題に取り組みます。1つ目が営業活動の自動化、2つ目が単純作業の自動化、3つ目が業務管理の自動化です。
事業|DXセグメント/SaaS・サブスクサービス ラインナップ
メガトレンドの1つ目である「中小企業の営業活動上の課題の高まり」に関しては、私どもがたくさん持っているサービスで解決していきます。
事業|BPOセグメント/システムエンジニアリングサービス特徴
メガトレンドの2つ目である「IT人材(エンジニア)の不足」に関しては、私どものシステムエンジニアリングサービスを通じて、多くの優秀なエンジニアを育てていきます。活躍の場としてお客さまのお役に立ち、IT人材の不足というトレンドに乗っていきます。
事業|ポジショニングマップ
スライドに、クロステック事業における私どものポジショニングマップを示しています。中小・中堅企業とフロントオフィス関連の業務が中心になっています。
事業の強みと成長性|Knowledge Suite 経済圏のプラットフォーム化シフト
「Knowledge Suite」を通じて多くのサービスを複合的に提案していく流れの中で、オーガニック成長を今後も加速させていきます。長くお待たせしましたが、まもなく第1弾をリリースしますので、ご期待いただければと思います。
成長戦略|オーガニック成長と成長ドライバーの両利きの成長戦略
オーガニック成長と成長ドライバーの両利きの成長戦略についてです。スライドの図の下の薄い青の部分は、既存事業のオーガニック成長を示しています。
濃い青の部分は、M&A等の成長ドライバーを示しています。既存事業とのシナジーを狙った営業・マーケティング領域のM&Aを推進し、複合的な周りのサービスによる非連続的成長を実現します。
成長戦略|成長ドライバーによる効果
顧客数から顧客単価向上に向けた取り組みが、私どもの成長の成功パターンです。私どもは、関連サービスのM&Aに特化しています。また、明確なM&A基準・ルールに基づき、すべてのM&Aが成功・成長し続けています。サービスの複合的提案により、サブスクリプションの顧客単価が向上し続けています。
成長戦略|M&A基本方針
M&Aの基本方針です。スライドに記載のとおり、これまで6社のM&A実績があり、それらを通じて大きく成長できています。M&Aの基準として「ネットキャッシュ+営業利益×マルチプル5倍前後」及び、ROI、事業ポートフォリオの拡大を指針に掲げています。
成長戦略|M&A/PMI後の対象企業の成長推移
M&Aによって本当に成長しているのかをご説明するために、過去の実績を具体的にお話しします。
アーキテクトコア社は、フジソフトサービス社とビクタス社を買収し、合併して発足しました。グループジョイン後の売上は現在プラス120.5パーセントまで拡大しています。
また、AI CROSS社からM&Aした、ビジネスチャットサービス「InCircle(インサークル)」を開発販売するDXクラウド社は、現在グループ再編でブルーテック社に吸収合併となりましたが、営業利益は8倍まで成長しています。
ネットビジネスサポート社の売上も、グループジョイン後は151.1パーセント成長しています。
2024年にグループジョインして合併させたRocketStarter社とBizion社については、今後あらためてご説明したいと思います。
資本政策
資本政策として、営業利益率10パーセントを目標に長期的な株価上昇を目指しています。企業価値の向上として株価上昇を優先させていくことで、早期に達成できるようにしっかりがんばっていきたいと思っています。
資本政策|第三者割当による新株予約権の発行による資本施策
第三者割当増資についてです。新株予約権の発行により、8億7,500万円を調達しました。これで借入を返済し、自己資本比率が53パーセント以上になりました。
以上で決算説明を終了します。
質疑応答:東京証券取引所の動きについて
「グロース市場が話題ですが、稲葉社長は東京証券取引所の動きについてどう思われますか?」というご質問です。
スタンダード市場に移ったとしても、利益が1億円以上ないと上場を維持できず、流通株式時価総額が10億円以上ないと移動できません。
現在、約3,000社の上場会社の中でグロース市場に上場している会社は600社前後あると思いますが、その中の半分くらいが最終的にスタンダードに移るか、上場廃止になるか、合併することになると思います。
私たちも上場会社の社長間で、このあたりのコミュニケーションを頻繁にとっています。先ほどお話しした利益1億円と、流通時価総額が10億円ないところに関しては、いろいろなことを考えています。
質疑応答:営業利益率10パーセントに向けた課題について
「粗利率が前年同期の43.5パーセントから38.7パーセントに低下しています。生成AI関連の開発や外注コストの増加が主因とのことですが、この傾向が今後も続く場合、営業利益率10パーセントに向けた課題は何でしょうか?」というご質問です。
まもなく新「Knowledge Suite」をリリースするとお話ししましたが、私どもが今の「Knowledge Suite」でお客さまから言われている課題や、マーケットとしての課題をすべて解決できます。要するにすべて満たしたサービスが立ち上がります。類似のサービスを持っている会社と比較しても、実際にこれが立ち上がれば最強だと思っています。
生成AI関連は、営業利益率や単価が上がります。営業利益率10パーセント達成にはトップラインを伸ばすことももちろん必要ですが、私たちは原価コントロールに改善の余地がまだあると考えています。
すぐにできることではありませんが、1年半ほどである程度改善できれば、かなり大きく影響してくる部分でもあります。この1年半かけて、私たちができる改善により営業利益率を上げていきます。さらには、先ほどお話しした生成AI関連の新「Knowledge Suite」のリリースによって単価も上がってくるため、早期に目標を達成できると思っています。
質疑応答:社員エンジニアの比率および今後の採用数・稼働数について
「SES売上はYoYプラス19.8パーセントと好調に成長していますが、今後の成長にはエンジニア採用・教育が不可欠だと思います。社員エンジニアの現状の比率と、今後1年、2年の採用および稼働数の見通しを教えてください」というご質問です。
現在の社員エンジニアの比率に関しては、社員1人に対してビジネスパートナーが2人となっていますが、1対1まで持っていきたいと考えています。
人材ビジネスは、営業利益率が低い傾向にあります。単価を上げられないクライアントに関しては、外していく取り組みを行っていかなければ社員の給料も上がりません。そのため、私どもは単価を毎年上げていくことも含めてしっかりと取り組んでいきます。
採用に関してはトレードオフです。育成期間は6ヶ月から10ヶ月程度で、最大12ヶ月かかる人もいます。その部分では、お金は生まれずに出ていくだけです。多く採用すれば採用するほど、その年の利益へのインパクトがマイナスになってしまいます。
したがって、私どもが持っているある一定の利益水準を維持していきながら、計画した予算内で採用しています。そこを大きく超えていくと、その年は一気に赤字になってしまいます。そうなれば、必然的に株価も落ちてしまいます。
私どもは営業利益率にこだわっているとお話ししていますので、どのようなことがあっても、どのような手を使っても、10パーセントを達成します。採用を少し抑えるなど、いろいろな施策があると思います。ただし、それだけでは成長が見込めなくなりますので、基準を設けています。
稼働数に関しては、ニーズがあるためお客さまに発注していただけますので、常に100パーセントで動けるようにしています。先ほどお伝えしたとおり、新卒は6ヶ月から10ヶ月の教育期間があるため、新卒を抜いて100パーセントが常に動いている状態です。
質疑応答:今後のIR・広報活動について
「不正や不振が発表されている企業の株価より御社の株価が低い状況ですが、今後どのようなIRや広報で企業価値向上とのギャップを改善しますか?」というご質問です。
私はIRや広報では株価は上がらず、やはり実績が必要だと思っています。したがって、これで上がらなければ、私の責任だと思っています。社長としての私の会社の進ませ方に原因がある、あるいは私が多くの株主のみなさまに好かれていないといった問題があれば株価は上昇しません。
今、不正で問題になっている会社の時価総額は、利益が大きくマイナスになっても、私どもより高いのが実情です。もちろん優待の件も同様です。
したがって、私の責任はもちろんですが、きちんとマーケットに理解されるような、時代に沿ったサービスや動きを定期的に普通に出していくということです。また、自己資本比率はしっかり上げましたので、営業利益率10パーセントを超えれば、見えてくる世界が変わります。
また、私がこだわっているのは次の世界に行くことです。売上収益が100億円以上ないと、どうすることもできません。現在はちょうど折り返しですが、「note」や「X」にも書いているとおり、10年で100億円を達成したいと思っています。
私たちは2006年に創業し、2017年に上場しました。上場した時の売上規模は7億円で、本当にミニマム上場でした。7年経過し8年目に入りますが、現在は47億円です。約50億円ですから、半分しか達成していません。
ミニマム上場から始まったという言い訳もできますが、M&Aのやり方も含めて、自分自身の情けなさや反省はたくさんあります。
質疑応答:新「Knowledge Suite」のARPAへのインパクトおよび営業の計画について
「AI機能を付加することで想定されるARPAへのインパクトや、既存顧客へのクロスセル・アップセルの計画について教えてください」というご質問です。
顧客単価は上がってくると思います。クロスセル・アップセルの計画にもしっかり取り組みます。こちらはマイクロサービス化を考えて作っており、業務の課題に応じて、ブロックのように組み立てていくサービスとなります。非常に小さなマイクロサービスをどんどん組み立てていくということです。
これはデータベースで統合されており、非常に期待できる部分ですので早く発表したいのですが、しかるべきタイミングでお知らせいたします。
質疑応答:新「Knowledge Suite」のリリース時期について
「AIが実装される新『Knowledge Suite』第1弾のリリース時期を教えてください」というご質問です。
時期をお伝えしたら完全にインサイダー取引になってしまいます。近く第1弾をリリースしますので、ご期待ください。
質疑応答:新「Knowledge Suite」の収支貢献の見込みについて
「新『Knowledge Suite』プロジェクトの収支貢献の見込みを教えてください」というご質問です。
貢献度は大きいと思いますが、第1弾より第2弾のほうがさらに大きいと思います。第1弾はすでに動いています。通常の「Knowledge Suite」を販売しながら、新「Knowledge Suite」の機能もご説明して、受注も取れるように内々のアナウンスもステルスで動いているため、こちらも貢献できると思っています。
質疑応答:今後の配当性向および自社株買いについて
「利益の半分を還元するということでしょうか?今後の配当性向および自社株買い等の検討について教えてください」というご質問です。
インサイダー取引になってしまうため詳細はお話しできませんが、営業利益の半分を還元していきたいと思っています。今回の株主優待は6月ですので、第3四半期に金額を公表します。それにより、営業利益に対するインパクトをご理解いただけると思います。
株主優待が上位、配当が下位に来て、営業利益の中から崩していくかたちになります。「営業利益は全体でいくらだった」「その中で株主優待はいくら出した」という見せ方ができればと思っています。配当性向と自社株買いについては回答できかねます。
質疑応答:株主優待について
「初回となる中間株主優待は6月中旬に発送とのことですが、具体的なギフト内容、適用対象株主数、取得手続きの方法を教えてください」というご質問です。
先ほどお伝えしたとおり、ギフトの内容は「PayPayマネーライト」「QUOカードPay」「Visa eギフト vanilla」「Amazonギフトカード」などです。みなさまがよく使われるものの中から選んでいただけます。
スマートフォンでQRコードを読み込んでいただき、そこで選択していただくと届きます。簡単に進められるようにマニュアルも用意しています。使った金額については次回公表します。
質疑応答:増資の経緯および今後の資本政策について
「増資による8億7,500万円の調達の経緯、および今後の追加の資本政策、増資、株式償却、自社株買いなどについて方針を教えてください」というご質問です。
増資の経緯は先ほどお話ししたとおりです。約30パーセントの株式を保有していたタワー投資顧問が廃業になり、そちらを清原さまが個人で購入した瞬間に固定株に変わりました。
それにより、上場維持基準である流通株式比率25パーセントを割り込み、21.53パーセントまで低下したため、浮動株率を25パーセント以上に上げていかないと上場維持ができなかったという経緯があります。そのため、第三者割当増資を行い、32.79パーセントまで浮動株率を上げています。
資本政策は何かあれば考えていきたいと思いますが、今のところは特に考えていません。
質疑応答:DX事業の改善策について
「DX事業の売上高と契約数が高止まっているように見えます。今後、改善および右肩上がりに増えていく見込みですか?」というご質問です。
従来の営業活動も行うと同時に、新「Knowledge Suite」もリリースするため、ちょうど狭間のような状態です。その狭間の部分でがんばっていますが、残念ながら頭打ちしているのは確かだと思っています。
そこを大きく伸ばしていけるようになるのが、すべての課題を解決できる新「Knowledge Suite」のリリースだと思っており、期待している部分です。
質疑応答:グロース市場の上場維持基準である流通株式時価総額について
「グロース市場の上場維持基準である流通株式時価総額まで伸ばすのは大変ですか?」というご質問です。
おっしゃるとおりです。申し訳ありません。がんばります。
質疑応答:ARPA改善の内訳や新規大型契約について
「無駄な値引きや低単価サービスの抑制でARPAが上昇しているとのことですが、ARPA改善の内訳、顧客単価の引き上げ、新規大型契約について教えてください」というご質問です。
複合的な提案が有効だったと思っています。「今使っているものにこちらを追加すると、このような課題を解決できる」といった提案です。新規の大型契約についてはがんばります。
質疑応答:営業利益率改善のポイントについて
「営業利益率について、8.2パーセントから10パーセントのギャップを埋める上で、次に着手すべき改善ポイントはどのように認識していますか?」というご質問です。
売上を伸ばすことは未知数ですが、今あるものを改善することは簡単です。わかりやすく改善することにより、10パーセントまでは達成できると思っています。さらにそれを超えるには、トップラインを伸ばすことが必要だと考えており、そこを狙っています。
質疑応答:高付加価値サービスへの取り組みについて
「数から質への取り組みとして、どのような商談・案件を抑制し、どのような高付加価値サービスに注力していくのかを具体的に教えてください」というご質問です。
「Knowledge Suite」周辺では、リードを取るためにインサイドセールスの仕事やブーストマーケティングの仕事に取り組みます。なおかつ営業にパワーをつけるために、AIを活用した類似企業抽出エンジンなどによる営業リストの作成などで、価値を与えていきます。
それにより、「Knowledge Suite」にデータをどんどん溜めていくといった高付加価値サービスを同時あるいは後から提案していくことで、1社あたりの顧客単価をさらに上げていきます。
稲葉氏からのご挨拶
営業利益率10パーセントは、なんとか達成したいと思っています。株価についてもいろいろと考えていますが、情けない気持ちもあります。先ほどお話ししたとおり、不正や不振を発表している企業はたくさんありますが、そのように大幅なマイナスで大変なことになっている企業の時価総額よりも、私どものほうが低いのが実情です。
それが私の責任であることも含めて、私どもが行っていることをさらに理解していただけるようにするためには、結果を出すしかありません。
以前のナレッジスイートという会社からBBDイニシアティブに変わった時にも、大きく改善しました。大きな改善から始まっても株価が上がらないのは、自分のせいでもあるのではないかとも考えています。
したがって、自分ができることを最大限に取り組んでいくことはもちろん、みなさまにいち早く、どのようなサービスなのか、どのようなIRなのか、どのような広報なのかを、新サービスや他社との提携も含めてお伝えしていきたいと考えています。その結果として、営業利益率10パーセントを達成していきます。
先ほど株主数のお話もありましたが、株主数は今回の件で倍に増えました。非常にうれしく思います。今後も営業利益率10パーセント達成に向けて動き、自分でできることは「X」や「note」も使いながら、みなさまにいち早く発表していきます。
それでも株価が上がらなかった場合は、もう一度考え直す必要があるかと思っています。トランプ政権になっていろいろな問題が出てきていますが、がんばっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
以上をもちまして、決算説明を終了します。ぜひ「X」や「note」のフォローをお願いします。ありがとうございました。