(株)カオナビの決算情報

カオナビ社は、タレントマネジメントシステム（TMS）『カオナビ』を提供するHRテック事業を主な事業セグメントとしています。人材情報をクラウド上で一元管理し、データ活用のプラットフォームを構築することで、企業の人事課題解決を支援しています。

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高69.7億円、調整後営業利益5.96億円、営業利益5.24億円、経常利益5.06億円、親会社株主に帰属する四半期純利益4.12億円となりました。連結ARRは前年同期比25.1％増の95.38億円、TMSのARRは同22.2％増の93.17億円、TMSの利用企業数は同17.8％増の4,115社と、主要指標で大幅な成長を達成しています。TMSの解約率は0.41％と低水準を維持しており、顧客基盤の安定性を示しています。

資産合計は74.55億円（前期末比9.11億円増）となり、主に現金及び預金が8.72億円増加しました。負債合計は47.96億円（同5.65億円増）で、前受収益が6.34億円増加しています。純資産合計は26.59億円（同3.47億円増）となり、親会社株主に帰属する四半期純利益4.12億円の計上が主な要因です。自己資本比率は35.4％と、前期末の33.7％から1.7ポイント改善しています。

キャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、現金及び預金が8.72億円増加していることから、営業活動によるキャッシュ・フローが好調であったと推測されます。投資活動では、有形固定資産の取得による支出があったものの、大規模な投資は見られません。財務活動では、長期借入金の返済4,600万円がありましたが、資金調達の大きな動きは見られません。

通期の連結業績予想は、売上高94.9億円（前期比24.5％増）、調整後営業利益5.6億円（同31.2％減）、営業利益4.7億円（同30.8％減）、経常利益2.4億円（同64.4％減）、親会社株主に帰属する当期純利益2.5億円（同64.2％減）と修正されました。売上高は大幅な成長が見込まれる一方、利益面では前期比で減少が予想されています。これは、成長投資の継続による費用増加が要因と考えられます。

配当に関する具体的な記載はありませんが、2025年3月期の期末配当予想は0円となっています。現時点では配当の実施は予定されていないようです。