質問者:先ほどアセアン地域における収益進捗について少しお話しいただきました。競争環境が変化している点は理解しましたが、下期および来期に向けては、売上が上がっても利益が伴わない「豊作貧乏」のような状況が続く可能性も感じられる説明でした。
そこで、あらためてアセアン事業の収益性に対する下期、来期以降の見方について、現状の認識を教えてください。
藤原:アセアン事業の収益性に対する見方についてどう考えているのかというご質問内容と理解しました。海外担当の小岩取締役よりご説明します。
小岩:先ほどの競合環境が変化している点についてのご説明が、少し不十分だった部分があると感じていますので、補足を交えながらあらためてご説明します。
まず、競合が進出してきている都市部では、競合環境が非常に激しくなっています。具体的には、アミューズメント会社が保有していた潤沢なキャッシュをプレイグラウンドに振り向け、大型で面積の非常に広い施設を展開してくる傾向が長らく続いていました。
つまり、大型投資と大規模施設の展開、そして「後出しじゃんけん」のような戦法が特徴であり、当社としては都市部でそのような競争に対応してきた状況です。しかし、最近になり、これらの投資をしてきた企業が息切れしている様子がはっきりと見られるようになっています。
例えば、ベトナム、タイ、インドネシアの企業が、ここにきて明らかに新規出店数を減らしてきています。これは、これまで当社から見て適正を超えるような大規模投資と広大な面積の施設展開を行ってきた結果、企業が息切れしてきたためではないかと考えています。
また、「後出しじゃんけん」で新鮮に見える施設が利用者から好まれる傾向にあることから、当社としても少なからず影響を受けています。ただし、このような状況に対しては、積極的な活性化や業態転換を進めることでシェアの奪還を目指し、都市部での競争に臨んでいきたいと考えています。
地方の中小型ショッピングモールでは、大規模なリージョナルショッピングセンターがまだ多くないため、競合はこのような地域への出店が容易ではありません。
地方では小回りが利きにくいという課題もありますが、当社は昨年からこのような地域での出店を増やしています。先ほど藤原からも新しいエリアでの取り組みについて触れましたが、地方に新店舗を出す場合、都市部で新店舗を出した時と比較して、売上が20ポイントから30ポイントほど高い傾向があります。これは、お客さまから求められている結果であると認識しています。このような状況を踏まえ、当社は迅速に対応し、開発体制を整備している状況です。
また、地方においても、ショッピングモールのグレードや経済力の違いがあるため、リスクの最小化を図りつつ、それぞれのグレードに適した業態を開発しています。これにより、地方の特性に確実に対応できるよう努めています。開発は日本にあるチームとも連携を取りながら進めている状況です。
質問者:海外の状況や競争環境が変化する中で、未達が何度も繰り返されているという現状があります。先ほどの施策を確実に実行されるとのことですので、下期以降も中国事業およびアセアン事業の状況を引き続き注視していきます。