伊勢化学工業(株)の決算情報

伊勢化学工業株式会社の主な事業セグメントは、ヨウ素及び天然ガス事業と金属化合物事業です。ヨウ素及び天然ガス事業が主力で、ヨウ素製品の製造販売と天然ガスの生産を行っています。金属化合物事業では、主に塩化ニッケルなどの金属化合物を製造販売しています。

2025年12月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比20.1%増の82億3,500万円、営業利益が51.5%増の20億円となりました。経常利益は53.6%増の19億3,600万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は55.6%増の13億6,200万円と、大幅な増収増益を達成しています。主力のヨウ素及び天然ガス事業が好調で、ヨウ素製品の販売数量増加と国際市況の堅調な推移が業績を牽引しました。一方、金属化合物事業は減収となりましたが、各種改善効果により黒字化しています。

当第1四半期末の総資産は前期末比4.1%減の433億9,200万円となりました。主な要因は法人税等の納付による現金及び預金の減少です。負債は前期末比21.7%減の75億7,700万円となり、買掛金や未払法人税等が減少しました。純資産は前期末比0.7%増の358億1,400万円となり、利益剰余金が増加しました。自己資本比率は前期末の78.6%から82.5%に上昇し、財務体質が一層強化されています。

キャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、現金及び預金が前期末比34.9%減少しており、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなった可能性があります。一方で、減価償却費は前年同期とほぼ同水準の4.87億円となっています。投資活動では、有形固定資産の取得による支出があったと推測されます。財務活動については大きな変動は見られません。

2025年12月期通期の連結業績予想に変更はありません。売上高は前期比12.7%増の375億円、営業利益は4.4%増の80億円、経常利益は4.9%増の78億円、親会社株主に帰属する当期純利益は6.5%増の54億円を見込んでいます。第1四半期の実績は通期予想に対して順調に進捗しており、今後の状況変化により予想修正の可能性もあります。

2025年12月期の配当予想は、中間配当190円、期末配当190円の年間380円となっています。これは前期の年間配当360円から20円の増配を予定しており、株主還元の強化が図られています。配当予想に修正はなく、安定した株主還元が継続される見通しです。