プロフィール

総合保険代理店で個人を対象とした家計相談やライフプランニングを約10年経験。2021年以降は金融専門ライターとして複数メディアで活動しており、大手証券会社・保険会社や大手金融メディアでの豊富な執筆実績をもつ。 暗号資産や投資信託、国内株式などによる資産運用も積極的に行っている。
株主優待は日用品や割引券など多彩な特典が魅力ですが、必要な予算や株価の調べ方がわからずに、見逃している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、株主優待の基礎や株を購入するタイミングなど、投資初心者の方にもわかりやすく解説します。株は難しいイメージがあるかもしれませんが、抑えるべきポイントはシンプルです。早速、株主優待の種類や特徴をチェックしていきましょう。
株主優待の種類は、企業によりさまざまです。以下で株主優待の種類と特徴に加え、自分がほしい株主優待を探す方法を紹介します。

株主優待とは、一定数の株式を保有する株主に対して、自社の製品やサービスを提供する仕組みを指します。株主優待の種類は、次のようなものが代表的です。
・自社商品の詰め合わせ
・商品購入に使える金券やクーポン
・カタログギフト
上記の中でも金券やクーポンは、ほしい商品を選んで購入できるため、株主優待の人気ランキングの上位に入ることも珍しくありません。
(参照)全カテゴリーの株主優待人気ランキング【年間】- Yahoo!ファイナンス
金券や割引券といった魅力的な株主優待がある一方で、自分にぴったりのものをどうやって探せばいいのか、悩む方もいるでしょう。そこで、自分にぴったりの株主優待を見つけるポイントを2つ紹介します。
・自身の日常生活に役立つかどうか
・株式の購入費用と優待品の価値が釣り合っているかどうか
最初に、株主優待の内容が自身の日常生活で役立つかどうかをチェックします。食品や日用品などを提供する株主優待があれば、その企業の株式を購入するのもおすすめです。
また、優待品の価値と購入費用が釣り合っているかも確認しましょう。株主優待の内容は、企業の業績によって廃止または改変される場合があります。優待内容に変更がないか、定期的にチェックしましょう。
また、Yahoo!ファイナンスの株主優待ランキングでは、商品のカテゴリー別に株主優待銘柄を検索できます。こちらも併せてチェックしてみてください。
続いて、株主優待を受ける際に必要な予算や、目安について解説していきます。まずは、株の値段(株価)を調べる方法をチェックしてみましょう。
株価を調べる際は、以下の3つの媒体が利用しやすいです。
・証券会社のホームページ
・金融情報専門サイト(Yahoo!ファイナンスなど)
・新聞やテレビ
おすすめの媒体は、証券会社のホームページか金融情報サイトです。これらのウェブサイトは株の取引時間中、リアルタイムで株価を更新しているため、より正確な情報を調べられます。
(参照)Yahoo!ファイナンス
株主優待を受けるために必要な予算を割り出すには、単元株数を調べましょう。単元株数とは、株の売買単位のことです。単元株数が「100」の場合は100、200と100刻みでの購入となります。
仮に、単元株と株主優待を受けるために必要な最低保有株数がどちらも100株、株価が300円だった場合、株主優待を受けるために必要な予算は以下の計算式で求めることできます。
(計算式)1株の値段 × 単元株数 = 必要な予算
(実例)300円 × 100 = 30,000円
株の購入費用を計算する場合は、1株の値段ではなく、単元株数を含めて計算しましょう。
株を購入するにあたって、投資予算の目安はどのように決めるのがいいのでしょうか。投資予算の目安は、2つの貯金額を設定することから始めましょう。
・3〜6カ月分の生活費
・将来必要なお金(住宅ローンなど)
双方のお金を差し引いて、余ったお金が「投資予算」となります。しかし、投資に使える予算すべてを投資に回す必要はありません。なぜなら、投資には株価変動による元本割れ(最初の投資金額よりも売却時の金額が減ってしまう現象)といった投資リスクがあるためです。
少額ずつ投資したり、思わぬ収入が入ったときは金額を増やしたりするなどしながら、投資予算を運用しましょう。
これらのステップを踏めば、自分に合った投資予算を設定し、計画的な資産運用が可能です。
株主優待を受けるためには、ある程度まとまった資金が必要です。そのため、なるべく安く購入したいと考える方も多いのではないでしょうか。
本項目では、株主優待を受けたい方がチェックすべき「権利確定日」「権利落ち日」「権利付最終日(けんりつきさいしゅうび)」について解説していきます。まずは、各用語の詳細をチェックしていきましょう。
「権利付最終日」とは、株主資格が付与される最終日を指します。株主優待を受けるためには、「権利確定日」に株主名簿に記載されている必要があります。
権利付最終日と権利確定日が異なるのは、株式の売買には取引を約束する「約定日(やくじょうび)」と、株式が自分の証券口座に移転する「受渡日(うけわたしび)」までに時間差があるためです。株式取引においては、約定日から2営業日後に受渡が成立します。
上図のように、権利付最終日である27日(約定日)までに株の購入注文をしておけば、31日の権利確定日(受渡日)時点で手元に株式を保有することになるため、当年の株主優待を受け取る権利を得られます。
権利落ち日とは「株式を購入しても株主の権利(株主優待や配当金など)を得られない日」です。権利付最終日までに株式の保有資格が残っていれば株主優待を受けられるため、権利付最終日の直前に株を購入して、権利落ち日以降すぐに売却しても、株主優待を受けられるのです。
このような理由から、権利落ち日には優待目当ての投資家の売りが多くなり、株価は下落する傾向があります。ほしい株があれば「権利落ち日」に株価をチェックするのも一つの手かもしれません。
しかし、実際の株価は経済状況や企業の業績によっても変動します。権利落ち日に株価が下がるとは限らないため、購入前には必ず株価をチェックしてください。また、企業によっては、権利確定日ではないタイミングで株主名簿のデータを取得する場合があります。そのため、株主優待の権利取得条件については、必ず企業の公式サイト上で確認しましょう。

株主優待は魅力的ではあるものの、投資である以上、避けては通れないリスクも存在します。次の項目では、投資におけるリスクや、リスクを抑えて投資するコツを紹介していきます。
株価は、さまざまな影響で常に変動します。
・企業の業績
・市場の動向
・株主の心理
特に、決算発表などの大きなイベント前後は株価が変動しやすくなるため、状況によっては元本割れといった投資リスクも発生しやすくなります。
株主優待だけを目的とするなら、株主優待の権利を得られる最小限の株数だけを購入するのも一つの方法です。
株主優待は以下の理由により、廃止・改変されるリスクがあります。
・企業の業績が悪化した
・経営方針が変更された
・社会情勢の影響を受けた(例:コロナ禍での経済変化など)
大和総研の調査によると、2019年~2022年の期間における株主優待の廃止理由は「株主へ公平に利益還元するため」が大半を占めており、「上場廃止」「経営不振のため」といった理由を上回っている傾向にあります。
参照:大和総研「近年の株主優待の実施動向と、廃止による株価下押し圧力の推計 」
上場企業であっても、株主優待を廃止・改変することは珍しくありません。購入した株の優待内容に変更がないか、定期的にチェックするようにしましょう。
投資におけるリスクを抑えるためには、以下の方法を実践しましょう。
・複数の企業に投資することで、リスクを分散させる
・企業の将来性を分析し、長期的な成長に期待できる企業を選ぶ
1つの企業にこだわって投資していると、株価が下がった際に元本割れといったリスクを受けやすくなります。そのため、リスクを抑えて投資を行う場合は、複数の投資先に分ける「分散投資」をするようにしましょう。
同時に、企業の将来性を踏まえて投資先を選ぶことも重要です。「売上が長期間安定して増加しているか」などを総合的にチェックすれば、投資すべきかどうかを判断しやすくなります。
上記の内容をもとに、将来性のある投資先を探してみてください。
株主優待を活用すれば、日常生活が豊かになるだけでなく、家計の負担を減らせることもあるでしょう。しかし、株主優待が廃止・改変される可能性はあります。また、投資である以上、元本割れするリスクもあります。
分散投資によるリスク軽減や、信頼できる情報元を参照するなどして、賢く投資を行いましょう。
記事公開日:2024年12月24日
記事更新日:2026年8月7日