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貯金と投資の違いをおさらい! 3つのコツを押さえて賢く資産を運用しよう

ニュースなどで「これからは資産運用が大事」と耳にすることって多いですよね。それでも、運用を始める手間を面倒に感じたり、運用に失敗することへの不安を感じたりして、貯金したままで良いかと考える人も多いのではないでしょうか。本記事では「資産運用を失敗するリスクを負うのは嫌だけど、少しずつでも資産を増やしたい」と感じている人に、無理なく資産運用を続けられるようになるためのコツを紹介いたします。貯金と投資の違いや資産運用に大切な考え方などを、初心者にもわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

貯金と投資はどちらがいいの?それぞれの違いを優しく解説
本項目では、貯金と投資の違いと、どちらから始めるほうがいいのか解説していきます。まずは、貯金と投資の違いをおさらいしていきましょう。

貯金と投資、そもそも何が違うの?

例えると、貯金は「水を貯めること」であり、投資は「貯めた水を使って花を育てること」です。

貯金と投資の違いの画像

上の表にも記載しているように、貯金と投資にはそれぞれ特性があります。貯金は最初に預け入れた金額(元本)は1,000万円まで保護されるため、資産を守る方法として最適です。しかし、2024年9月時点での普通預金の金利は約0.1%程度が一般的なので、大きく資産を増やすには不向きといえるでしょう。

一方で投資は元本割れのリスクがあるため、身構えてしまう方もいるかもしれません。しかし、長期的に運用することで、貯金よりも資産を増やせる場合もあります。

次の図は、国内外の株式や債券などの金融商品に5年間または20年間投資を続けたときの収益率を比較したデータです。保有期間が5年の場合は収益率がマイナス(元本割れ)になることもありましたが、20年保有の場合はマイナス(元本割れ)になりませんでした
分散投資した場合の収益率の画像
引用:金融庁『40代投資初心者向け つみたてNISA Meetup Online』(外部サイト)

このことからも、長期運用を続けることで、元本割れするリスクを抑えやすくなることがわかります。貯金だけではなく投資もバランスよく取り入れながら賢く資産を増やしていくことが大切なのです。

貯金と投資はどちらから始めるべき?

貯金と投資はどちらも重要な資産管理の方法であり「どちらを先に始めるべき」という明確な答えはありません。可能であれば、貯金と投資を両方バランス良く活用することが理想といえるでしょう。

そのため、手元に投資用の資産がないという方は、貯金から始めて、少しずつ投資に向けた準備を進めることがおすすめです。

100円から始められる投資信託も充実してきています。長期的に見れば、貯金よりも高いリターンを得られる可能性がありますので、投資への第一歩として、貯金から始めてみましょう。

忙しい方でも大丈夫! 貯金と投資を両立させる3つのコツ

本項目では、貯金と投資を両立させるコツを3つ紹介していきます。まずは、手元の資産を貯金用と投資用に分ける方法から見ていきましょう。

貯金用と投資用にお金を振り分ける

投資用の資産を用意するには、まず不測の事態に備えて取っておく緊急予備資金を確保します。緊急予備資金は、突発的なケガや病気などで収入が途絶えてしまっても生活を続けるための保険と考えてください。そのため、普通預金など即座に引き出せる口座に保管しておくのがおすすめです。緊急予備資金の目安は当面必要な生活費の3〜6か月分程度です。

その後、緊急予備資金を除いた資金から投資用のお金を用意します。すべてを投資に回すというわけではなく、生活資金と投資用の資金を分け、余裕を持って使える金額から投資に回していくのが良いでしょう。

自分に合った貯金と投資のバランスを見付ける

自分に合った貯金と投資のバランスを見付けるためには「何年後までに、資産をいくらまで増やしたいのか」を具体的に設定します。例えば「25歳から資産形成を初めて、40歳までに1,000万円の資産を築く」場合をイメージしてみましょう。

この場合、毎月5万円を積み立てし、年率3%の利回り(投資したお金に対する利益の割合)で資産運用できれば約15年で目標金額に達します。

15年間で1,000万円を目指す場合の運用シミュレーションの画像

しかし「毎月5万円も積み立てに回すのは怖い」という方もいれば、「もっと短期間で資産を増やしたい」と考える方もいるのではないでしょうか。

その場合は、自分がどれくらいの損失を許容できるか(リスク許容度)に合わせて、貯金と投資のバランスを見直します。リスク許容度が高い人の場合、株式など高リターンな資産運用を試し、リスク許容度が低い人の場合、債券や預貯金など低リスクな資産運用から試していきましょう。

Yahoo!ファイナンスでは、知りたい項目に必要な投資条件を入力することで、「最終金額がいくらになるか」「目標金額に必要な利回りはどれくらいか」などを計算することができる「積立投資シミュレーション」があります。
自身の貯金と投資のバランスが取れるポイントを確認してみましょう。

少額から投資を始めてみる

「習うより慣れろ」という言葉は、投資にもあてはまります。貯金と投資を両立させるためには「とりあえず少額でも投資を始めてみる」ことも大切です。

・少額から投資を始めてみる
・慣れてきたら投資額を増やしていく
・複数の投資先に分散して投資する

たとえ少額であっても、実際に始めてみることで投資の仕組みや自分に合った投資方法を理解しやすくなるでしょう。投資額を増やしていくのは投資に慣れてきてからでも決して遅くはありません。

投資商品によっては、100円前後から購入できる銘柄もあります。ぜひ無理なく投資できる銘柄を探して、実践してみてください。


ポイントは3つ!知っておきたい王道の資産管理術
本項目では、手持ちの資産を管理するためのポイントを3つ紹介します。最初のポイントは、ライフステージごとに資産バランスを調整する方法です。

1. ライフステージごとに資産バランスを調整する

人生のさまざまなステージでは、収入や支出、将来への期待や不安が大きく変化します。そのため、常に同じ資産運用を行うのではなく、ライフステージに合わせて資産のバランスを調整することが重要です。

例えば、20代は投資に回せる金額も他の年代に比べて多くはありませんが、時間を味方につけた長期運用ができることが強みです。たとえ失敗しても挽回のチャンスが多く残っているため、少額でもリスクを取って積極的に投資に挑戦してみる価値があるでしょう。

一方、50代になると、子育てや住宅ローンの返済が一段落し、資産形成に充てられるお金が増える傾向にあります。しかし、老後が近づいているため、まとまった資金があってもハイリスクな運用は避けるべきです。投資先を分散し、リスクを抑えた資産運用を心がけることが重要になるでしょう。

このように、年代によって資産運用に回せる余力やリスク許容度は異なるため、ライフステージごとに資産バランスを見直すことが必要です。

2. 貯金と投資に関する情報を調べる

貯金や投資に関する情報は日々変化しているため、適切な資産運用を行うには最新の情報が必要不可欠です。特に、NISAのように新しい制度が導入されるたびに資産運用の選択肢は広がります。

「NISAは何円まで非課税になるのか?」といった情報を知っているだけでも、効率的に資産運用ができるでしょう。そのため、次のような信頼性の高いウェブサイトをチェックし、最新の情報を集めることが重要です。

・経済ニュースサイト(日本経済新聞など)
・金融機関(大手メガバンクなど)
・公的機関(金融庁など)

これらのウェブサイトで信頼のおける情報を入手し、その後の資産運用に活かしましょう。

3. 短期的な変動にとらわれず、長い目で見る

貯金や投資はすぐに成果が出るものではないため、長い目で運用を続けましょ

う。なぜなら、短期的に損失が出たとしても、長期的に見れば相場は回復し、上昇する傾向にあるからです。

過去の出来事でいえば、2008年に発生したリーマンショックは、世界中の株式市場に大きな影響を与えました。

日本の株式市場全体の動きを把握するのに役立つ「TOPIX(東証プライム市場の銘柄を対象として算出・公表されている株価指数のこと)」は、リーマンショック前後で比較すると約41.7%も下落しています。しかし、株式相場は徐々に回復し、最終的にはリーマンショック前を上回るまでに回復しました。

リーマンショック前後のTOPIX推移の画像

投資はマラソンのようなもので、焦らず、粘り強く続けていくことが大切です。リーマンショックやコロナ禍のような出来事が起きれば、一時的に株価が下がることはあります。

しかし、相場が暴落したときに焦って運用をやめてしまうと、その後相場が回復したときの恩恵を受けられなくなります。

また、相場が下落している時を「投資のチャンス」と捉えて、金融商品を安い値段で買い増しする投資家も存在します。目の前の価格に一喜一憂せず、腰を据えて投資に取り組むことが重要です。

貯金と投資を使い分けて堅実な資産運用を


貯金と投資の違いを理解して使い分ければ、どちらか一方に頼るよりも堅実に資産運用を行えます。まずは手持ちの資産を見直し、貯金と投資のどちらかを始めてみてください。

その上で、少しずつでも投資を始められれば、より早く目標の資産額に到達しやすくなるでしょう。

投資についてもっと知りたい方は、以下の記事をチェックしてみましょう。
投資のリスクとリターン:バランスの重要性
投資の始め方:証券会社の口座開設など手順
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  • プロフィール

    荒木和音(監修者)のプロフィール画像

    荒木和音(監修者)

    2級ファイナンシャル・プランニング技能士

    総合保険代理店で個人を対象とした家計相談やライフプランニングを約10年経験。2021年以降は金融専門ライターとして複数メディアで活動しており、大手証券会社・保険会社や大手金融メディアでの豊富な執筆実績をもつ。 暗号資産や投資信託、国内株式などによる資産運用も積極的に行っている。

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