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NISAを使って、株式投資をするには~株の選び方の目安と知っておきたい用語を解説

税金がおトクなNISAを使って株式投資を始めたいという方も多いでしょう。旧制度の一般NISAを引き継ぐ形のNISAの成長投資枠では、上場株式、公募株式投資信託、ETF(上場投資信託)などが投資対象商品です。

NISA制度での成長投資枠では、年間投資上限額は240万円と、現行の一般NISAの120万円から倍になり、非課税保有期間も無制限に変更されます。NISAでは株式の売却益だけではなく、保有中の配当金も非課税です。そのために優良銘柄を見つけて長期保有をすることによって、キャピタルゲインとインカムゲインの両方からの利益が期待でき、非課税の恩恵を最大限に受けることも目指せます。初心者の方にも分かりやすく、株式の仕組み、優良銘柄の探し方、株主優待の楽しみ方を解説していきます。(ファイナンシャル・プランナー 花輪陽子)

株式の仕組み

株式とは株式会社が資金を出資した人に対して発行する証券のことです。株式のオーナーになると、議決権(株主総会の決議に参加できる権利)、配当請求権(配当金を受け取る権利)、残余財産分配請求権(会社が解散した場合に残った会社の資産を分配して受取権利等を得ることができる)など様々な権利があります。上場株式とは、証券取引所で投資家が自由に売買できるように公開されている株式のことです。

また、NISAでは外国の株式にも投資ができます。FANG(ファング)とは、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Netflix(ネットフリックス)、Google(グーグル)の4銘柄の頭文字ですが、日本でも人気が高いですね。米国や中国など外国の株式にも投資ができるのはNISAの魅力の一つです。


銘柄の選び方 各種指標から総合的に投資の判断を

企業の情報は各社のホームページからIR(インベスター・リレーションズ、株主・投資家情報)を入手したり、会社四季報やYahoo!ファイナンスの銘柄詳細ページなどから調べることができます。各企業が発表している年次報告書や決算書はホームページから無料で誰でも読むことができます。これらは、プロの投資家にとっても投資判断をする上で重要だと言われています。会社四季報やYahoo!ファイナンス等はもう少し情報が簡易化され、分かりやすくまとめられています。初心者にとっては情報サイトで確認する方法が始めやすいでしょう。

さて、情報サイトではどこに注目をすればよいのでしょうか。例えば、Yahoo!ファイナンスの企業情報から企業の特色、設立年月日、上場年月日などを調べることができます。長寿の株式を調べる場合、設立や上場年月日を見るとよいでしょう。また、Yahoo!ファイナンスの詳細情報の参考指標から、財務データなど、経営の健全性等をチェックできます。以下から、具体的に注目する指標と、主な用語について解説します。


ソフトバンクグループ(株)(9984)
ソフトバンクグループ(株)(9984)


PBR(株価純資産倍率)

PBRとは、株価を1株当りの純資産で割って算出します。ざっくりと、資産に対して株価が安い企業かという目安です。市場が評価したその企業の値段(時価総額)が、仮に企業が解散して資産を分けた場合に株主に分配される資産である純資産(株主資本)の何倍であるかを表しています。

算式:株価 ÷ 一株当たり純資産(BPS)

株主には企業が解散した時、企業にある財産が分配され、受けることができるという残余財産分配請求権があります。例えば、株価が500円、BPSが800円のケースでは、PBRは0.625倍です。解散をしたら、800円を受け取れる企業の株を実質的に500円で購入できるという意味です。しかし、実際には企業が解散をして残余財産を受けるというケースはそれほど多くありません。

一般にPBRは1倍割れだと割安だと言われています。東京証券取引所は2023年3月にPBRが1倍割れの企業に対して、資本効率の改善につながる施策を取り組むように要請しました。実際にはPBRは1倍割れの日本企業は非常に多く、23年4月時点で約1,800社とも言われています。そのため、更に絞り込んで、PBRが0.7倍以下を探そうという専門家のアドバイスも見かけます。

PBRが1倍割れで割安だからその株を買っていいかというと、そうではありません。いくら割安だからと言って、株価が長期間上昇しなければ投資をしたお金はずっと塩漬けになってしまうからです。投資をする判断として、将来的に利益をどれくらい出していけるかというポイントが重点です。なぜなら、PBRが割安でも赤字続きの会社もあるからです。割安の中に、なにかよい変化がある材料を見つける必要があるのです。

自己資本比率

自己資本比率とは、自己資本の全体における返済義務のない資産の割合を示すものです。自己資本と負債を合計した総資産のうち、自己資本がどれくらいの割合を占めるのかを示します。借入金の割合が少ないほうが、景気が悪化した際にも影響を受ける割合が少なくなります。なぜなら、銀行からの融資が受けられなくなると、黒字でも倒産をする場合もあるからです。一般に自己資本比率は50%以上あれば良好だと言われています。

ROE(自己資本利益率)

ROEとは、株主が出資したお金を元手として、企業がどれだけの利益を上げたのかを数値化したものです。企業がどれくらい効率良くお金を稼いでいるかを示します。米国では10〜20%台が一般的ですが、日本企業では10%未満の企業が多いです。10%程度以上あると一般に成長性があると評価されます。

算式:ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

PER(株価収益率)

PERとは、株価を1株当りの予想純利益(予想EPS)で割って算出をします。株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているかを見る指標です。PERは、数値が低いほうが株価は割安と判断されます。成長の高い企業ほど、将来の収益拡大期待が株価に織り込まれ、PERは高くなる傾向になります。一般に同じ業種などでの比較に用います。

算式:株価 ÷ 予想EPS

PBRは「資産価値」で株価を評価し、PERは「事業価値/収益性」で株価を評価した指標です。PBRは短期的な変動が比較的少なく、PERは企業が事業年度内で稼いだ最終的な利益である「純利益」の影響を受け、業績によって変動しやすいです。業績が安定していて成長をする企業に投資をすることが大切です。

配当利回り

配当利回りとは、一株当りの年間予想配当(予想1株配当)を株価で割って算出する指標です。

算式:年間配当金 ÷ 株価 × 100

例えば、現在の株価が1,000円で配当金が年30円の場合、配当利回りは3%です。投資をする際には、年間配当金の予測値で計算をして投資の判断材料にします。


株主優待で株式投資を楽しむ

投資家への還元として、日本では上場企業の約4割が何らかの株主優待を設定しています。これは海外にはあまりない日本独自の文化です。個人投資家にとっては株式投資を継続させるモチベーションとなるようです。優待の中身としては自社商品、クーポン、プリペイドカードなどと多様です。Yahoo!ファイナンスの各企業のページの株主優待から優待情報をチェックできます。

例えば、カゴメ(株)(2811)の場合、半年以上継続保有しているなど一定の条件を満たした場合、100株以上で2,000円相当、1,000株以上で6,000円相当の自社商品詰め合わせを受けることができます。


カゴメ(株)(2811)
カゴメ(株)(2811)

例えば、100株を購入する際の投資金額が333,200円だとすると、株主優待利回りは約0.6%程度です。配当利回りと合わせて投資家への還元の指標として確認をするとよいでしょう。

こうした優待があることで、その企業の株を長期保有するインセンティブが生まれます。ただし、優待だけで判断をするのではなく、あくまでも各種指標から総合的に投資の判断をしましょう。株式は損失が発生することもあるので注意も必要です。


少額から始めることも可能

投資資金が限られているという方の場合、単元未満株取引を利用し、少額から上場株式を購入することも可能です。それぞれの証券会社でサービス名が異なるものの、単元未満株取引を活用できる金融機関もあります。株主優待は一般に100株以上を持つことが前提ですが、中にはそれ以下の株数でも優待がもらえる場合があります。


株価が動く様々な要因は

株式の値段を株価と呼び、株価はその企業の現在の価値を表すものです。株価が動く要因は様々なことが考えられます。例えば、中央銀行の金利、外国為替相場、国際情勢、景気、政治、災害などのマクロ的な要因です。最も直接的な要因は会社の業績です。会社の業績が予想よりもよくなると株価は上昇し、予想以上に悪い場合、株価は下落します。会社の財務状況や決算情報などをしっかりと確認するようにしましょう。ただし、会社の業績がよかったとしても新型コロナウイルスやウクライナ情勢などマクロ的な要因によってその会社の株価が下がる場合もあります。また、株価は需要と供給のバランスによって決まります。買いが多くなれば、株価が上昇し、売りが多くなれば株価は下落します。そのために、他の投資家の動きなども気にする必要も多少あります。そんなにたくさんチェックができないという方は得意分野に絞り込むことをおすすめします。自分が身をおいている業界や趣味で大好きな分野であれば、プロのアナリスト以上に情報に精通している可能性も考えられます。

このように、株式投資をするには様々な情報収集や勉強をし、世界のニュースを追い続ける必要もあります。こうした作業を楽しみながらできる方には株式投資はおすすめです。そうではない場合は投資信託などのパッケージ商品をメインに検討するのも一つです。

しかし、現在はインターネットでプロの投資家と同じ情報を無料や安価で得ることができます。例えば、日本証券業協会のホームページ(外部サイト)から有益な情報が無料で得られます。
投資を勉強していけば、経済情報や財務分析にも強くなり、仕事にもプラスにつながることもあるでしょう。また投資には、社会全体の経済成長を支え、共感できる企業を応援するという社会貢献の側面もあります。

NISAも新制度によって使いやすくなります。さまざまな制度を活用しながら、自分にあった投資を始めてみてはいかがでしょうか。

【NISA口座開設におすすめ】証券会社NISA取引手数料ランキング

NISAについては以下の記事でも詳しく解説しています。

NISAのメリット・デメリット
NISAで証券会社を変更するには
NISAでシミュレーション
NISAの成長投資枠 銘柄選びのポイント
NISAの成長投資枠とは
NISAのつみたて投資枠とは

本記事に掲載されている情報は2023年12月15日時点 のものです。NISA制度に関する最新の情報は、金融庁ホームページ(外部サイト)をご確認ください。

  • プロフィール

     監修者(専門家):花輪 陽子のプロフィール画像

    監修者(専門家):花輪 陽子

    ファイナンシャル・プランナー(CFP・1級FP技能士)

    外資系投資銀行を経てファイナンシャル・プランナーとして独立。『夫婦で貯める1億円』(ダイヤモンド社)など著作多数。日本テレビ「有吉ゼミ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。

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