プロフィール

大手アパレル企業で 25 年勤務後に独立。投資初心者、特に女性向けに資産形成や新 NISA、家計改善をわかりやすく解説し、記事監修・執筆、相談・セミナーを通じて活動。相続相談にも対応し、実生活に役立つお金の知識提供を行う。カラーアドバイザーとしての視点も活かし、「お金とおしゃれを整える暮らし」を提案。
2024年にNISA制度が大幅に改正され、旧NISAよりも活用しやすい仕組みになりました。本記事では投資初心者の方向けに、NISAの始め方をわかりやすく解説します。おすすめの金融機関も紹介するので、まだNISAを使ったことのない方は本記事をご参考いただき、この機会にNISAでの資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。(監修者:ファイナンシャルプランナー 高橋 禎美)
NISAを始めるには、証券会社などの金融機関にてNISA口座の開設が必要です。NISA口座は同一年に1人1口座のみ利用できます。金融機関は年単位で変更可能です。
初心者の方には、大手ネット証券・総合証券のSBI証券・楽天証券・SMBC日興証券がおすすめです(金融機関選びのポイントは後述します)。
まずは、NISA口座開設から取引開始までの手順を見ていきましょう。
NISA口座は税務署の審査を経て開設されるため、口座開設手続きから取引開始までは通常2~3週間を要します。NISA口座未開設の方は、スムーズにNISAを始められるよう、早めに口座開設手続きを進めておくのがおすすめです。
ただし金融機関のなかには、税務署審査の完了前にNISA口座を簡易開設し、最短で手続き当日からの取引に対応しているところもあります。すぐにNISAを始めたい方は、即日買付制度対応の金融機関でのNISA口座開設を検討されるとよいでしょう。
2023年までの旧NISA口座を開設済の場合は、2024年に現NISAの口座が自動開設されています。同じ金融機関でNISAを使う場合は、特に手続きをする必要はありません。
ただし、金融機関を変更したい場合は所定の手続きが必要です。現在NISA口座を開設している金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を取り寄せ、変更先の金融機関にてNISA口座の金融機関変更手続きを行ってください。
NISA口座の金融機関は1年に1回変更できますが、手続きの期限は変更を希望する年の9月30日までです(受付開始は前年10月1日から)。なお、すでにNISA口座で買付を行っている場合は、年内の変更ができません。
手続きの完了までは、数週間〜1ヵ月程度を見込んでおきましょう。現在の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出してから「非課税管理勘定廃止通知書」が届くまで、目安として約1週間かかります。
NISA口座は、証券会社や銀行・信託銀行、投信会社などで開設できます。金融機関を選ぶ際は、次の3つのポイントを満たすところを選ぶのがおすすめです。
NISA対象商品のラインアップは金融機関によって異なるため、購入したい商品を取り扱っているところを選ぶ必要があります。
例えば、大手ネット証券のSBI証券は、2025年3月10日時点で1,351本の投資信託(成長投資枠)を取り扱っています。金融機関によっては数十本の取り扱いになるため、口座開設先によって投資戦略の幅が変わります。
また、成長投資枠の対象商品である上場株式は、銀行での取り扱いがありません(証券会社のみ)。特に目当ての商品が決まっている方や、幅広い商品から選びたい方は、ラインナップが充実した金融機関を選びましょう。
定期売却サービスなど一部のサービスでは手数料が発生する場合がありますが、つみたて投資枠の対象商品は原則として購入時手数料がかかりません。一方、成長投資枠で買える上場株式の取引手数料は、金融機関によって大きく異なります。
また、金融庁は2026年4月1日よりつみたて投資枠における定期売却サービスに限り、当該サービスに必要な手数料の徴収を可能とする制度改正を実施しています。定期売却サービスを利用する際は、手数料の有無や金額を事前に確認することをおすすめします。ご自身の投資スタイルや目的に応じて、コストを抑えられる金融機関を選びましょう。
金融オンライン・アドバイザー 高橋さん:金融商品の手数料は、取引金額や保有資産に対する割合(%)で記載されることが一般的です。割合としての違いは数%でも、実際の金額に換算すると大きな差になる場合があります。想定外のコストが発生しないように、各金融機関の手数料体系は事前にチェックしておきましょう。
金融機関によっては、金融商品の取引・保有でポイントを受け取れます。ネット証券では、クレジットカードを使った投信積立をポイント対象としているケースが多く、貯まったポイントで商品を購入できる金融機関も見られます。
ポイント還元のある金融機関でNISAを始めれば、資産運用をしながらポイントも貯められます。各金融機関の還元率やポイントの種類、条件を確認し、メリットが多い口座開設先を選びましょう。
※ポイントの付与率・対象商品・条件は変更される場合があります。最新情報は各金融機関・カード会社の公式サイトをご確認ください。
これからNISAを始める投資初心者の方には、大手ネット証券のSBI証券・楽天証券・SMBC日興証券がおすすめです。これらの金融機関は、「商品ラインアップが豊富」「取引手数料が安い」「ポイント還元がある」という3つのポイントを満たしています。
※取扱商品数・ポイントサービス等は変更される場合があります。最新情報は各金融機関の公式サイトをご確認ください。
ポイントサービスが豊富で、三井住友カードなどを使ったクレカ積立にも対応しているネット証券です。2023年4月には個別銘柄のモメンタムを色分けした「SBIヒートマップPlus」をリリースするなど、投資情報の充実にも力を入れています。
楽天カードで投資信託のクレカ積立をすると、最大2%のポイント付与を受けられるネット証券です。楽天経済圏を有効活用でき、「マーケットスピード」などの高機能トレードツールも充実しています。
ネット証券のようなオンライン取引と、各支店での対面取引を選べる証券会社です。資産運用に役立つ情報サイト「日興フロッギー」では、記事を読みながら株式やETFに投資することもできます。
NISAには、年間投資枠が240万円の「成長投資枠」と、年間120万円まで投資できる「つみたて投資枠」が設けられています。2つの投資枠は併用できるため、年間では最大360万円までの商品を取引可能です。
※2027年1月から、つみたて投資枠は0~17歳にも対象拡大予定です。詳しくは金融庁の公式サイトをご確認ください。
運用益が非課税になるNISAのメリットを活かすには、事前に投資戦略を考えることが大切です。ここからは、NISAで意識したい2つのポイントを解説します。
複利効果とは、運用益を再投資することで、得られる利益が雪だるま式に大きくなる効果です。複利効果は投資期間に応じて高まるため、短期間で利益を得ようとせず、長期目線の運用を心がけるとよいでしょう。

分散投資とは、資産・地域・時間を分散させて、リスク軽減をはかる投資のやり方です。例えば、国内外の株式や債券などを組み合わせると、特定の資産が値下がりしたときの損失幅を抑えられます。
NISAの対象商品には、ひとつの商品で世界中の資産に投資できるようなファンドも含まれます。
参考:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)(Yahoo!ファイナンス)
参考:eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)(Yahoo!ファイナンス)
金融オンライン・アドバイザー 高橋さん:毎月定額を長期間続ける積立投資(時間の分散)では、ドル・コスト平均法の効果により、安定的な運用を目指しやすくなります。価格が高いときは購入口数が少なくなり、安いときは多くなる仕組みのため、結果的に平均購入単価が平準化されます。
NISAの注意点としては、以下の3つが挙げられます。
NISAは運用益が非課税になる制度なので、そもそも運用益が出なければメリットを得られません。また、1年間の利益と損失を相殺する「損益通算」や、最長3年にわたって損失を繰り越せる「繰越控除」も対象外です。
つまり、1年間の運用成績がマイナスになると、課税口座よりも税金面で不利になる可能性があります。基本的にハイリスクな投資は避け、堅実で安定的な運用を目指しましょう。
ここからはNISAの始め方について、よくある質問と回答を紹介します。
一般的に、NISA口座を開設する際は以下の書類が必要です。
<NISA口座開設に必要な書類>
・マイナンバーカード(または通知カード)
・本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)
・印鑑
ただし、金融機関や申込方法によって必要書類が異なる場合もあります。口座開設手続きの前に、各金融機関のホームページなどで必要書類を確認しましょう。
WEBを使えば、自宅からNISA口座の開設手続きが可能です。金融機関によっては、書類の郵送なしで完全にオンラインで完結できるところもあります。
手続き開始からNISA口座開設までの大まかな手順は以下のとおりです。
郵送申し込みに比べると、オンライン申し込みは口座開設までのスピードが速い傾向にあります。
安定的な運用を目指している方は、NISAのつみたて投資枠を使った投信積立から始めるとよいでしょう。つみたて投資枠の対象商品は、長期積立や分散投資に適した一部の投資信託に限られるため、リスクを抑えたい方に向いています。
分散効果が高いおすすめの商品は、以下のとおりです。
【株式型投資信託のおすすめ商品】
eMAXIS Slim全世界株(オール・カントリー)(Yahoo!ファイナンス)
たわらノーロード 全世界株式(Yahoo!ファイナンス)
【バランス型投資信託のおすすめ商品】
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)(Yahoo!ファイナンス)
iFree8資産バランス(Yahoo!ファイナンス)
各ファンドの資産構成や運用成績、信託報酬(コスト)などを比較して、目的に合った商品を選びましょう。
NISAはできるだけ早いタイミングで始めるのがおすすめです。投信積立を行う場合、運用期間が長くなるほど大きな成果が期待できます。最初は少額からでも十分です。NISAは非課税保有期間が無期限ですので、運用期間を長く取れるようぜひ早めのスタートを切りましょう。
金融オンライン・アドバイザー 高橋さん:いつ始めるか迷っている間にも、非課税で複利運用できる時間は失われます。「相場の高い・安い」を読もうとするより、長期的には少額でも早くスタートするほうが有利になることも多いです。ネット証券なら100円から始められ、積立頻度(毎月から毎日や毎週など)や金額も柔軟に変更できるため、まず始めてみることを優先しましょう。
NISAを始めるには、金融機関選びとNISA口座の開設手続きから始めましょう。金融機関選びに迷った方は、大手ネット証券・総合証券のSBI証券や楽天証券、SMBC日興証券での口座開設がおすすめです。
また、NISAのメリットを活かすには、長期運用・分散投資を意識した運用を心がけてください。初心者の方は、つみたて投資枠を使った投信積立から始めてみてはいかがでしょうか。
NISAについてもっと知りたい方は、以下の記事をチェックしてみましょう。
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記事公開日:2023年8月31日
記事更新日:2026年8月10日