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NISA(一般・つみたて)の始め方|金融機関選びのポイント・口座開設手順を初心者向けに解説

投資の運用益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で購入した金融商品の運用益は非課税となるため、利益を丸々手元に残せます。NISA(ニーサ)の始め方や金融機関選びのポイント、口座開設の方法を初心者向けにわかりやすく解説するので、ぜひご参考ください。(監修者:金融オンライン・アドバイザー 田嶋ひかり)

NISAの始め方|制度概要・注意点も解説

NISAの始め方は「1.金融機関を選ぶ→2.口座の種類を選ぶ→3.商品を購入する」の大きく3ステップです。
NISAの制度概要や注意点に触れつつ、各ステップを解説します。


ステップ1.金融機関を選ぶ

NISAを始めるには、専用口座(NISA口座)の開設が必要です。NISA口座は1人1口座しか開設できないため、金融機関選びは慎重に行いましょう。
あとから金融機関の変更も可能ですが、その際は所定の手続きが必要なため二度手間になってしまいます。また、変更前の金融機関で購入した商品は、別の金融機関に移管できません。金融機関選びのポイントは後述します。


ステップ2.口座の種類を選ぶ

NISA口座には「一般NISA」「つみたてNISA」の2種類があり、口座開設のタイミングでいずれかを選びます。
両者の大きな違いは、「非課税保有期間・年間非課税枠・投資可能商品」の3点です。

一般NISA・つみたてNISAの違い
※引用元:金融庁 NISAとは?(外部サイト)

もしNISAを使って株式投資がしたいなら、一般NISAを選ぶ必要があります。なぜなら、つみたてNISAでは株式を購入できないためです。
長期の積立・分散投資にNISAを活用するなら、非課税保有期間20年のつみたてNISAが向いています。このように、それぞれの特徴を踏まえ、自分に合うNISA口座を選択しましょう。一般NISAとつみたてNISAの違いについてはさらに詳しく以下の記事で解説しています。
NISAとつみたてNISAの違い

ただし、2024年からは新しいNISAが始まり、一般NISA・つみたてNISAを選択する必要がなくなります。新しいNISAでは、これまでの一般NISAに相当する「成長投資枠」と、つみたてNISAに相当する「つみたて投資枠」を併用できるようになるためです。

2024年からのNISA
※引用元:金融庁 NISAとは?(外部サイト)

新しいNISAは、2024年1月からのスタートです。一般NISA・つみたてNISAのどちらにするか迷っている方は、つみたてNISAで口座開設し、投資信託の積立投資から始めてみるとよいでしょう。新しいNISAにも、そのまま移行することが可能です。
新しいNISAについては以下の記事でも解説しています。改正のポイントをより詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてくださいね。
2024年から始まる新NISAをお金のプロが徹底解説

金融オンライン・アドバイザー 田嶋さん:
来年からは新しいNISA制度に変わり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能となります。今年から初めてNISAを始められる方には、つみたてNISAをお勧めします。決められた期間ごとに一定額を投資するドルコスト平均法で投資信託を用いることで個別株式よりもリスク分散ができるという利点があります。さらに、非課税期間も20年と長期であることも将来的な資産形成に有効です。



ステップ3.商品を購入する

NISA口座を開設したら、商品を購入して運用を始めます。ここで、NISAのメリットを十分に活かすにはどうすればよいのか考えてみましょう。

NISAのメリットは、NISA口座内で購入した商品の運用益が非課税になる点です。つまり、運用益が大きいほど、NISAのメリットは高くなります。逆に運用益が出なかった場合は、NISAのメリットを享受できません。そこでおすすめなのが、「複利効果」と「分散投資」を意識した運用です。

複利効果とは、運用益を再投資することで、得られる利益が雪だるま式に大きくなっていくことをいいます。複利効果は投資期間が長くなるほど大きくなるので、短期間で利益を得ようとせず、長期目線の運用を心がけましょう。

複利効果

分散投資とは、資産・地域・時間を分散させ、リスク軽減をはかる投資のやり方です。例えば、世界中の株式や債券で運用する投資信託を選べば、初心者でも簡単に資産・地域の分散ができます。
また、一度に多額の投資を行うのではなく、毎月定額をコツコツ積立投資すれば時間の分散が可能です。逆に1点集中の投資は、うまくいかなかったときの損失が大きくなってしまうリスクがあります。

これからNISAを始める方は、長期運用・分散投資を意識した運用で、NISAのメリットをしっかりと享受しましょう。

金融オンライン・アドバイザー 田嶋さん:
投資において重要なのは、分散投資を行うことです。分散投資には「時間分散」と「投資対象の分散」の2種類あり、時間分散はドルコスト平均法を使うことで実現できます。ドルコスト平均法は、決められた期間ごとに一定額を投資する方法です。時間分散をすることで価格変動リスクを抑えることができます。また、投資対象を分散させることでリスクを分散でき、相場の変動リスクを抑えつつ安定的に運用することができます。



NISA口座はどこで開設する? 金融機関選びのポイント

NISA口座は、証券会社や銀行・信託銀行、投信会社などで開設できます。金融機関を選ぶ際は、次の3つのポイントを確認しましょう。


ポイント1. 商品ラインアップ

NISA対象商品のラインナップは金融機関によって異なるため、自分が購入したい商品の取扱いがあるところを選ぶ必要があります。
例えば、NISAで株式投資をしたい方は、銀行ではなく証券会社で口座開設しましょう。また、証券会社のなかでも、NISA対象の範囲やつみたてNISA対象商品数に差があります。できるだけ商品ラインアップの豊富な金融機関を選ぶのがおすすめです。

ネット証券会社3社比較
証券会社をランキングで比較する


ポイント2. 取引手数料

つみたてNISA対象商品の購入手数料は金融機関に関係なく無料ですが、一般NISAの対象商品は金融機関によって取引手数料が異なります。手数料0円のコースがある金融機関を選び、コストを抑えましょう。


国内株手数料0円のコースがある証券会社の例

金融オンライン・アドバイザー 田嶋さん:
投資をする際には、コストを抑えることが大切です。口座を開設する前に、各金融機関のコストを比較することをお勧めします。ただコストだけで決めると、サービスの質や商品の充実度を考慮できていない可能性があるので、低コストだけでなく、ご自身に必要なサービスを提供しているかという点も確認されることをお勧めします。



ポイント3. ポイント還元

ポイント還元のある金融機関でNISAを始めれば、資産運用をしながらポイントを貯められます。また金融機関によっては、貯まったポイントを使って投資商品を購入できるところも。
還元率やポイントの種類、条件をチェックし、自分にとってメリットの高い金融機関を選びましょう。


ポイント還元のある金融機関の例

証券会社選びに迷った時は、以下のページをチェックしましょう。各証券会社のサービス内容をランキング形式でまとめているので、金融機関を選ぶ際に役立つはずです。
証券会社比較ランキング


NISA口座開設に必要な書類

一般的に、NISA口座を開設する際は以下の書類が必要です。

<NISA口座開設に必要な書類>
・マイナンバーカード(または通知カード)
・本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)
・印鑑

ただし、金融機関や申込方法によって必要書類が異なる場合もあります。口座開設手続き前に、各金融機関のホームページなどで必要書類を確認しましょう。


NISA口座開設手続きの手順

NISA口座の開設手続きは、WEB申込が手軽でおすすめです。金融機関によっては、書類の郵送なしで完全オンライン完結できるところもあります。
手続き開始からNISA口座開設までの大まかな手順は以下のとおりです。

NISA口座開設手続きの手順

ちなみに、NISA口座開設までにかかる時間は2~3週間程度が一般的です。


まとめ

NISAを始めるには、金融機関選びとNISA口座の開設手続きから始めましょう。 2024年からのNISAでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」の併用ができるため、一般NISA・つみたてNISAのどちらがいいか迷う方は、一旦つみたてNISAで始めてみるのがおすすめです。
また、NISAのメリットを活かすには、長期運用・分散投資を意識した運用を心がけましょう。

証券会社やNISAについてさらに詳しい情報が知りたい場合は以下のページもチェックしてみてください。
証券会社比較におすすめ、ランキングですぐわかる
NISAとつみたてNISAの違いを知る
一般NISAのメリットとデメリット
つみたてNISAのメリットとデメリット
2024年から始まる新NISAを知りたい

本記事に掲載されている情報は2023年6月15日時点のものです。NISA制度に関する最新の情報は、金融庁ホームページ(外部サイト)をご確認ください。

情報提供元:400F
オカネコ_3分でかんたん家計診断(外部サイト)
オカネコマガジン_お金のことが分かるマガジン(外部サイト)

  • プロフィール

    監修者:田嶋 ひかりのプロフィール画像

    監修者:田嶋 ひかり

    AFP、日本証券業協会認定 証券外務員一種/二種、一般社団法人 公的保険アドバイザー協会認定 公的保険アドバイザー

    証券会社で富裕層の資産コンサルタントを経験。お金のアドバイザーとしてより幅広い年齢層のお金の悩みを解決し、身近な存在となるべく株式会社400Fに転職。「オカネコ」専属の金融オンライン・アドバイザーとして、全国にお住まいの方の資産形成をサポートしている。

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