「水原の送金先」恋愛リアリティ番組出演者の怪しい正体 恋人へ贈ったダイヤのお金はどこから?

5/18 10:21 配信

東洋経済オンライン

 水原一平の重大な犯罪が、アメリカでも注目され続けている。スポーツ界のスーパースターが、いつも隣にいた信頼する人物から大金を盗まれていたというのだから、当然だろう。

 現地時間14日に再び裁判所に出廷した水原被告は、「無実」を訴えたが、これはあくまで先のステップに進めるための形式上のものであり、彼はすでに司法取引に応じることに合意している。次に彼が出廷するのは、6月14日。

 そんな中、アメリカでは、これまで「アソシエイト1」と表記されていた水原被告の送金先に指定された人物が、リアリティ番組「The Real Housewives of Orange County」に出演するライアン・ボヤジアン(47)だったと判明したことも、話題になっている。

■送金先の男は堂々とテレビに出演していた

 スポーツ界での出来事だと思っていたのに、まさかこんなところにつながるとは、誰も予想していなかったからだ。たしかに、水原被告はオレンジ郡ニューポート・ビーチ在住で(大谷選手もエンゼルズ時代、この街に住んでいた)、この番組はオレンジ郡に住む裕福な人たちを描くもの。つまり、広い意味でのご近所さんではあった。

 彼らがどこでどう知り合ったのかはまだ謎ながら、水原被告が送った金は、カジノに設立した口座に移動され、ライアン・ボヤジアンと胴元マシュー・ボウヤーがギャンブルに使っていたようである。

 テレビに出ているとはいえ、彼は、誰もが知る有名人では決してない。番組のタイトルはよく知られているものの、彼は昨年放映された第17シーズンで初めて登場した人物で、最近までこの番組を見ていた人でなければ知らない。

 だが、この事件に関与していたことがわかると、ソーシャルメディアには、視聴者の間から「こいつは怪しいといつも思っていた」というような反応が出た。普段リアリティ番組を見ない筆者も早速このシーズンを見てみたのだが、実際、彼はチャラい印象で、どこか胡散臭いと感じる。

 「The Real Housewives」は、ビバリーヒルズ、ニューヨーク、ニュージャージー、アトランタなど、ほかにも多くの都市で展開する人気シリーズ。タイトル通り、主役は女性たちで、夫や恋人は添え物的な存在だ。

 “ライアン”(番組の中ではみんなファーストネームだけで呼ばれる)も、恋人である“ジェン”ことジェニファー・ペドランティ(46)が新たにメインのハウスワイフのひとりに加えられたおかげで、出ることになったのだ。

■男はプール付きの家を番組で披露

 ジェンは、既婚だが、夫と別居中。夫との間には5人の子供がおり(うちひとりは養子)、ライアンにも過去の女性との間に子供がふたりいる。ライアンとジェンの出会いの場は、フィットネスジム。

 番組内で、ライアンは、ジェンを大切にし、しょっちゅう「I love you」と言葉で愛情表現をする、ロマンチックな男性としてふるまう。ふたりはまだ同棲をしておらず、ライアンの家も番組に出てくるが、プール付きで、なかなか素敵な家だ。ゴールデレレトリバーを飼っていて、パーソナルトレーナーに家まで来てもらってワークアウトするシーンも出てくるなど、優雅である。だが、彼が何をして稼いでいるのかには触れられない。

 ジェン以外のハウスワイフたちの間で、ライアンの評判は良くない。実際、このシーズンで、ジェンは彼女らから、ライアンと付き合っていることをずいぶん責められるはめになる。彼女らによれば、ライアンは「オレンジ郡に住む女性全員とデートした」とまで言われる遊び人だ。

 ハウスワイフのひとりは、ライアンとジェンが出会ったジムで、ライアンが自分を指して「俺は彼女をヤってやる」と言ったことがあると証言している(ライアンは強く否定)。

 別のハウスワイフ仲間は、彼からペニスの写真が送られてきたと語った(ライアンによれば、ジェンに送ったつもりだったとのこと。だとしても、撮影当時45歳だった男がほぼ同年齢の恋人に対してやることだろうか)。

 浮気説もある。最初は否定していたが、ジェンに問い詰められると、ライアンも「ワンナイトスタンドだった」と、関係を持ったことは認めた。ジェンは、「本当に一夜だけなのか、実は1年だったりしたのか」と煮えきらない気持ちを抱きつつも、このシーズンの最終回で、ついに離婚弁護士を雇い(つまりそれまでは離婚に向けて動いていなかったということ)、ライアンと同棲に向けて動き出す。

■恋人に指輪を贈り、プロポーズ

 水原被告のスキャンダルが表沙汰になる半年前の昨年9月に放映されたその最終回で、ふたりはそんなところにいた。しかし、今年4月11日、ライアンは、旅行先のバハマで、大きなダイヤモンドの指輪を贈り、ジェンにプロポーズしたのだ(第18シーズンはまだ放映されておらず、番組の中ではない)。結婚することになったとしても、お互いの指にリングのタトゥーを入れるだけにしようと話し合っていただけに、ジェンは驚き、大感激した。

 「People」がこのことを報道したのは、水原被告のスキャンダルにライアンが絡んでいることが明るみに出ていない頃。その時はあくまで幸せなニュースだったが、今となっては、そのダイヤモンドのお金はどこから来たのかという疑問が湧く。

 実際、タイミングは興味深い。ライアンは、第17シーズンの中でもジェンに結婚の意思を伝えており、このこだわりの指輪も、正式なプロポーズの2年前からデザインしたそうだ。

 だとすると2022年のどこかだが、これまでの調べで、水原被告は、2021年11月から2024年3月までの間、40回以上にわたり、総額1700万ドルを送金していたことがわかっているのだ。

 もうひとつ気になるのは、ライアンのプロポーズが、水原被告がロサンゼルスの裁判所に初めて出廷した4月12日の前日だったという事実。水原と胴元に捜査の手が及んでおり、「アソシエイト1」である自分の役割も、いずれ捜査当局に知られているとわかっていながら、ライアンは堂々とプロポーズをしたのだろうか。ちなみに、ジェンの離婚もまだ成立していない。

 ライアンは、捜査に協力し、証言をするのと引き換えに、罪には問われないとのこと。彼の弁護士は、捜査が行われているところなので何も発言できないと述べている。

 第18シーズンの撮影はすでに終了していたのだが、この新たな動きを見て、ソーシャルメディアには「今こそカメラを回すべきだ」とのコメントが多数寄せられた。もともと悪者だったライアンがさらなる悪者になるというドラマチックな展開は製作側にとっても見逃せなかったのだろう。彼らは早速、撮影を再開している。

■恋人は今も男に寄り添う姿勢

 そんな中、ハウスワイフのひとり、 “タマラ”ことタマラ・ジャッジは、自分のポッドキャストで「私は『マフィアの妻たち』に出演したつもりはなかった」、「すごくダークでヘビー。最悪」と批判。それを受けてジェンは、タマラの発言のせいで13歳の娘が傷ついたと、彼女を責める動画をインスタグラムのストーリーに投稿した。

 その強気な姿勢から判断するに、今のところ、ジェンは、ライアンに寄り添っていると思われる。だが、真実が明らかになった時、彼女は信じてよかったと思うのか、それとも裏切られたと思うのか。どちらに転んだにしろ、この番組の製作陣とテレビ局に失うものはなさそうだ。

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最終更新:5/18(土) 10:21

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