「アイデアが浮かばない」「仕事に飽きた」…そんな悩みの解決に、まず変えるべき“小さな習慣”4つ

4/26 16:02 配信

東洋経済オンライン

「心が疲れていると体調が悪くなり、楽しいことやワクワクすることがあれば体調も良くなりますよね」と語る内科医の工藤孝文氏は、心の不調が体に悪影響を与える「負のスパイラル」を避けるには、何よりも「休息」が大切だと説きます。
そこで本稿では、日々の仕事での行き詰まりが体に悪影響を及ぼさないための、効果的な気分転換の方法を、工藤氏の監修書『「休養」にいいこと、1冊にまとめました』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

■「効率が低下」してきたら、スマホをちょっとお休み

 ネットで動画を見たり、ゲームをしたり、SNSでコミュニケーションをしたりと、私たちの日常生活で欠かせない存在となっているスマートフォン(スマホ)。

 スマホがもたらす便利さは大きいですが、同時にその使用時間が長くなると、「見ているだけなのに疲れた」と感じることも多いのではないでしょうか。

 スマホを使っていると、情報が次々と画面に流れ込んできて、脳がそれを処理しようとフル稼働します。そのため、実際に体を動かしていなくても、脳が働き続けてしまい、知らず知らずのうちに疲れてしまうのです。

 現代社会では、長時間スマホを使っていることが当たり前になっているため、このような脳の疲れに気づかないことが多いのですが、実はこれが集中力や効率の低下を招いている原因の1つでもあります。

 脳を休めるためには、スマホを使わない時間を意識的に作ることが重要です。このような時間を設けることを「デジタルデトックス」や「スマホ断ち」と呼びます。

 これらの方法は、脳をリセットし、休ませるために非常に効果的です。「気がついたらスマホを手に取ってしまう」という習慣がある人は、スマホ依存症の可能性があるかもしれません。

 もしその傾向が強いと感じたら、思い切って「スマホを使わない日」を設けることをおすすめします。初めは難しいかもしれませんが、1週間に1回、スマホを使わない日を設定することから始めてみてください。

 家にいるとスマホを手に取ってしまうという人は、思い切って電波が届かない場所に出かけるという方法も有効です。

 たとえば、自然の中で過ごす1日や、カフェで読書をすることで、スマホから意識的に距離を取ることができます。

 実際に1日スマホを見ないだけでも、脳の疲労はかなり回復します。次の日からのパフォーマンスが驚くほど向上することを実感できるでしょう。

 定期的にデジタルデトックスを実施することで、心身ともにリフレッシュし、スマホとの付き合い方を見直すきっかけにもなります。

■「集中力を上げたい」ときは、青いノートを使う

 青空や海を見て心が落ち着いた経験は、だれにでもあるのではないでしょうか。

 その心地よさやリラックス感は、実は科学的に説明できる現象だということがわかっています。この現象は、私たちが自然と感じる安らぎが、単なる感覚だけでなく、体内で起きている生理的な変化によってもたらされていることを示しています。

 人は、青色を見ると脳内でセロトニンというホルモンが分泌されます。セロトニンは、いわゆる「幸せホルモン」としても知られ、心の安定に深く関わる重要な物質です。

 怒りや恐怖、不安などのネガティブな感情を抑える鎮静効果があり、ポジティブな気持ちを引き出す手助けをしてくれます。さらに、セロトニンは集中力を高める働きもあります。

 その一方で、セロトニンの分泌が減少すると、集中力が低下し、イライラしやすくなるといった影響が出ることがわかっています。

 仕事や勉強の際、集中力を高めたり、心を落ち着けたりするためにセロトニンを意図的に分泌させたいときには、身の回りの道具を青色にするのがとても簡単で効果的な方法です。

 たとえば、青い表紙のノートを使ったり、パソコンやスマートフォンの背景色を青にすることで、自然とセロトニンの分泌を促進させることができます。この方法は、忙しい仕事の合間でも手軽に実践できるので、ぜひ取り入れてみてください。

 さらに、セロトニンの効果は仕事や勉強だけにとどまりません。実は、食欲の抑制にも役立つことがわかっています。

 「ストレスでつい食べ過ぎてしまう」という現象も、実はセロトニンが不足していることが原因かもしれません。青色には食欲を減らす色覚効果があるため、食べ過ぎが気になる場合は、食器や箸、テーブルクロスなど、食卓を青色で統一することで、過剰な食欲を抑える効果が期待できます。

 このように、青色を上手に活用することで、心の安定や健康的な生活を促進することができるのです。

■「アイデアが浮かばない」と感じたら、左手で歯磨き

 仕事でアイデアをたくさん出さなければならない場面では、最初はスムーズにアイデアが思いついても、次第に行き詰まってしまうことがあります。

 特に、長時間同じことを考え続けていると、思考が凝り固まってしまい、創造的なアイデアが浮かばなくなることが多いですよね。そんなとき、少し視点を変えるだけで、頭がすっきりして新たなアイデアが湧きやすくなる方法があります。

 その方法の1つが、左手を使って歯磨きをする「左手歯磨き」です。

 一見シンプルな行動ですが、これを行うことで、脳が活性化し、クリエイティビティが高まると言われています。

 右ききの方は、普段使っている右手ではなく左手を使うことで、脳が普段と違った刺激を受け、アイデアを思いつきやすくなるのです。これは、脳の右脳と左脳がそれぞれ異なる役割を担っていることに関係しています。

 脳は右脳と左脳に分かれており、左脳は言語系の情報を処理し、右脳はイメージや直感的な思考、非言語系の情報を処理します。

 言葉では表現しきれないひらめきやアイデアは、右脳から生まれるため、創造的な思考を促進するためには右脳を刺激することが重要です。

 右脳と左脳はそれぞれ体の反対側に命令を出し、右脳は左半身、左脳は右半身を動かします。そのため、左手を使って歯磨きをすることで、右脳が刺激され、ひらめきやアイデアが生まれやすくなるのです。

 さらに、歯磨きをするために席を立つことで、長時間座りっぱなしになることを防ぎ、血行を良くする効果もあります。

 座りっぱなしの状態が続くことで血行が悪くなってしまい、体や脳に十分な酸素が届かなくなりますが、歯磨きのタイミングで立ち上がり体を動かすことで、そのリフレッシュ効果が得られます。

 アイデアが思いつかずに行き詰まったときには、体と心の両方をリフレッシュするために、ぜひ「左手歯磨き」を試してみましょう。ちょっとしたことでアイデアが広がるかもしれません。

■「ルーティン」に飽きたら、入ったことのない店へ

 「毎日同じようなことが続いてつまらない……」と感じることはないでしょうか。

 毎日の生活が単調に感じられると、なんとなく気分も沈んでしまい、モチベーションが下がってしまうことがあります。

 反対に、新しい服を着たり、少し変化を加えたりすると、ワクワクした気持ちが湧き上がり、気分がリフレッシュすることがあります。このワクワクした気持ちを生み出しているのは、脳内で分泌される「やる気ホルモン」として知られるドーパミンです。

 ドーパミンは、快感や多幸感、やる気など、ポジティブな感情に深く関与する脳内ホルモンです。

 「がんばるぞ!」や「うれしい!」と感じたときに分泌され、気持ちを前向きにしてくれます。新しいことに挑戦したり、目標に向かって努力したりするときにドーパミンが分泌されるため、そうした瞬間にワクワク感を覚えるのです。

 このように、ポジティブな毎日を過ごすためには、普段の生活に少し変化を加えて、ドーパミンを意識的に分泌させることが効果的です。

■「マイナーチェンジ」でも十分に効果がある

 もちろん、普段と違うことをするために大掛かりなことをしなければならないわけではありません。少しの工夫やマイナーチェンジで十分に効果を得られるのです。

 「いつもとは違う道を歩いて職場に向かう」「普段は身に着けないアクセサリーを選ぶ」「入ったことがないお店でランチを食べる」といった小さな変化が心に新しい刺激を与え、ポジティブな気分を引き出してくれます。

 これらのちょっとした変化が日常に彩りを加え、毎日がより楽しく、充実感のあるものに変わるのです。

 また、こうした小さな変化は、無理なく生活に取り入れることができるため、ストレスを感じることなく楽しむことができます。

 新しい挑戦をすることによって、ドーパミンの分泌が促され、前向きな気持ちを持ち続けることができます。毎日のちょっとした工夫で、モチベーションを保ち、人生をもっと楽しむことができるのです。

東洋経済オンライン

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最終更新:4/26(土) 16:02

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