中国不動産業界の苦境続く-碧桂園が決算延期、万科企業は利益急減

3/29 12:42 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 中国の不動産危機が緩和される兆しが見えない中、中国最大級の不動産会社の1社が決算発表を延期し、もう1社は記録的な減益となった。

かつて売上高で中国トップの住宅建設会社だった碧桂園は28日遅く、より多くの情報が必要だとして通期決算報告を延期すると突然発表した。一時は上場デベロッパー最大手だった万科企業は、昨年の通期純利益が前年比46%減少し、1991年の上場以来最大の落ち込みを記録したことを明らかにした。

こうした発表は一部の銀行における不良債権の急増とともに、弱い経済と低迷する消費者心理が中国の住宅販売に重くのしかかり続けていることを浮き彫りにする。2月には新築・中古住宅ともに前年比の価格下落幅が拡大し、低迷する市場を支えようとする当局の困難が鮮明になった。

CGSインターナショナル・セキュリティーズHKの中国不動産調査責任者、レイモンド・チェン氏は「中国の不動産セクターは、当社の調査開始以降で初の純損失を計上する可能性が高い」と述べた。「デベロッパーの売り上げが改善するまで、このセクターには慎重な見方を続けている」と続けた。

不動産市場の低迷は、民間、国営を問わずほとんどの企業に影響を及ぼしている。碧桂園と万科はわずか1年前には生き残る可能性が高いと評価されていたが、碧桂園は昨年10月にドル債務不履行に陥り、万科はデフォルト(債務不履行)回避に取り組んでいる。

碧桂園の発表によると、同社の通期決算発表は今月31日の期限よりも後になる見込み。香港市場が祝日明けで取引が再開される4月2日から同社株は売買停止となる公算が大きいという。

万科の2023年通期の株主帰属純利益は前年比46%減の122億元(約2560億円)。ブルームバーグが調査したアナリストは14%の減益にとどまると見込んでいた。同社は向こう2年で1000億元を超える債務削減を目指すとし、上場以来初めて配当を見送った。

株価は29日の深圳市場で一時3.8%安となった。

長引く不動産不況は、大手国有銀行のバランスシートもむしばんでおり、不良債権は増加の一途をたどっている。政府は国有銀に対し、国内経済の活性化を支援するとともに、負債を抱える不動産開発業者を支援するよう要請している。

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原題:Country Garden Delays Report, Vanke Net Tumbles (Correct)(抜粋)

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最終更新:3/29(金) 12:42

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