64歳で特別支給の老齢厚生年金を受け取っています。年金の繰り下げはできますか?
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人の、年金の繰下げについてです。
◆Q:64歳で特別支給の老齢厚生年金を受け取っています。年金の繰り下げはできますか?
「現在64歳で現役会社員です。今、特別支給の老齢厚生年金を受け取ってます。年金の繰り下げをできればと考えていますが、可能ですか?」(匿名希望)
◆A:65歳からの老齢年金は66歳以降、繰り下げ可能です
相談者は、今、特別支給の老齢厚生年金を受け取っているとのことですが、原則、65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることができます。これらの老齢年金は、相談者のように65歳で受け取らず、繰り下げてから受け取り開始をすることもでき、66歳以降75歳(※1)までの間で選択することができます。
(※1)昭和27年4月1日以前生まれの人(または平成29年3月31日以前に老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取れる人)は、繰下げの上限年齢が70歳までとなります。
繰下げ受給をすると、手続きを行った時点で、ひと月当たり0.7%増額された年金額を一生受け取ることができます。その増額率は一生変わりません。
増額率=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々に繰下げすることができます。
相談者は、今、特別支給の老齢厚生年金を受け取っているとのことですので問題ありませんが、65歳より前に受け取ることができる特別支給の老齢厚生年金は、繰下げすることはできません。
年金の繰下げの注意点としては、会社員などで一定の条件を満たした厚生年金加入者は、加給年金を受け取れる人もいますが、繰下げ期間中は、年金を受け取っていないので、加給年金額や振替加算を受け取ることができません。また加給年金額や振替加算額は繰り下げても増額の対象になりません。
監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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最終更新:12/6(金) 8:10