パンセオン・マクロエコノミクスの主任エコノミスト、イアン・シェパードソン氏=4月の消費者物価のコア指数は前月比0.3%上昇し、昨年12月以来の低い伸びとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)が物価安定目標とする2%へ向け、金融政策が十分に景気抑制的であるとの確信を強める内容だ。彼らが利下げに動くためには、物価上昇ペースがさらに減速する必要がある。ただ、インフレ鈍化が幅広い分野に及んだことには勇気づけられる。
コアCPIインフレは、今後一層低下する可能性が依然として濃厚だ。サプライチェーン(供給網)の正常化や賃金の伸び鈍化、さらに企業マージンは横ばいながら高止まりしており、いずれも価格に下落余地があることを指し示している。
同時に、世界的な食料やエネルギーの上昇リスクは低いままで、新規の家賃インフレも抑制されている。このほか、自動車価格が下落したが、これは最近の急激な自動車保険の値上がりが間もなく落ち着くことを示唆している。これらを踏まえると、コアCPIは今夏さらに低下する見通しで、FRBは9月に利下げを始められるだろう。(ニューヨーク時事)〈FRB1〉〈STAT〉
時事通信
最終更新:5/16(木) 2:26
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