【これからの見通し】トランプ関税について当面の材料は出揃う、きょうの視線はダボス会議に
【これからの見通し】トランプ関税について当面の材料は出揃う、きょうの視線はダボス会議に
トランプ2.0が始動し、市場はその関税政策をめぐる報道に神経を尖らせた。ただ、現時点ではメキシコとカナダに25%関税を課す計画や、中国からのフェンタニル流入に対する報復として同国に10%の関税を課すことを検討などといった報道を受けた反応は落ち着きつつあるようだ。米中首脳が電話会談を行い、関税に関する応酬が抑制されたことも市場にひとまず安ど感を広げた。中国のTikTok所有権をめぐる動向や欧州や日本に対する関税計画の行方など、まだ課題も残っている。トランプ2.0の市場への影響力は中長期的に続きそうだ。
ただ、足元で相場の混乱が一服したことを受けて、きょうはダボス会議に視線が移動しそうだ。あすのトランプ大統領の講演が注目されるなかで、きょうは一連のECB高官の講演が予定されている。ビルロワドガロー仏中銀総裁「金利はどこに向かうのか?」、クノット・オランダ中銀総裁「金融システムは次の危機に耐えられるか?」、ラガルドECB総裁「危機を超えて:ヨーロッパの可能性を解き放つ」などの題目となっている。ECBの継続的な利下げの道筋が確認されるようだと、ユーロ相場への売り圧力となりそうだ。一方、これに対する異論がでてくればユーロ相場は不安定となろう。
その他には、レーン・フィンランド中銀総裁、マクルーフ・アイルランド中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。発言材料としてはECBデーになりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英公共部門ネット負債(12月)、南アフリカ消費者物価指数(12月)、南アフリカ小売売上高(11月)、米MBA住宅ローン申請指数(01/11 - 01/17)、米景気先行指数(12月)、カナダ鉱工業製品価格(12月)などが予定されている。市場全般に与える影響は限定的となりそうだ。
その他の材料としては、米20年債入札(130億ドル)が実施されるほか、J&J、P&G、アルコア、ハリバートン、トラベラーズなどの米企業決算発表が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
みんかぶ(FX)
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最終更新:1/22(水) 15:53