明日の戦略-AI関連が売られるもTOPIXは上昇、日本株全体では弱材料に耐性を示す
14日の日経平均は続落。終値は518円安の63492円。先週末の米国株高を好感できず、寄り付きから300円を超える下落。アンソロピックのCEOがAIの危険性について言及し、オープンAIのCEOが年内の上場はないと発言したことが伝わったことから、AI関連の多くが売り気配スタートとなった。ソフトバンクグループ<9984>やキオクシアホールディングス<285A>などの下げが大きく、序盤では63000円の節目を割り込み、62700円台まで水準を切り下げた。
一方、AI関連以外では米国株の上昇を受けて買われる銘柄が多かった。AI関連でも半導体株などは下げて始まった後は持ち直したことから、1200円超下げたところで売りは一巡。4桁安の時間は短く、63500円辺りまでは早々に戻した。ただ、後場は戻りにも一巡感が出てきて、動意が乏しくなった。TOPIXは小安く始まるも、値上がり銘柄が多い動きを反映して早々にプラス圏に浮上。高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で7兆2800億円。業種別ではサービス、保険、その他製品などが上昇した一方、非鉄金属、情報・通信、ゴム製品などが下落した。日本経済新聞で、AI向けの半導体の輸出を始めると報じられた富士通<6702>が大幅上昇。半面、浜岡原発3・4号機の審査申請取り下げや社長および会長の引責辞任を発表した中部電力<9502>が大幅に下落した。
AI関連と逆の動きをすることが多い銘柄群が買われており、NECや野村総研などソフトウェア関連が大幅上昇。マネーフォワード、Sansan、ラクスなどSaaS関連の多くが値を飛ばした。任天堂、バンナムHD、コナミGなどゲーム関連が軒並み高。米国の早期利上げが意識される中、三菱UFJ、東京海上、SOMPOなど金融株に資金が向かった。3Q決算が好感された神戸物産が6%を超える上昇となった。
一方、出資先であるオープンAIの上場が遠のく見通しとなったソフトバンクGが10.7%安。サンディスクなど米メモリ関連の下落が嫌気されたキオクシアHDが6.4%安となった。AI関連では太陽誘電、レゾナックHD、古河電工なども大幅な下落。上期の決算が市場の期待に届かなかったJEHが急落した。
きょうはAI関連は弱かったが、日本株全体としては非常に底堅かった。業種別では33業種中、27業種が上昇している。AI関連の主力銘柄が売られると日経平均へのマイナス影響は大きくなるが、他の銘柄が連れ安することが少なくなっている。ソフトウェア・SaaS関連などはAI関連にネガティブな材料があれば、きょうのように強く買われることもある。
アンソロピックのCEOがAIのリスクについて言及したことは気になるニュースで、本日の米国でどういった反応が出てくるかには注意を払う必要がある。日本のAI関連はあすもこれを理由に売られた場合、復活には時間を要する可能性がある。ただ、その場合でも日本株全体では資金の振り向き先は多い。そもそもFOMCや日銀会合で利上げが意識されているのだから、セオリー的には大型グロース株を好んで買う局面ではない。今の時流に合った金融株や、金利の上昇をさほど苦にしないバリュー株の相対優位性が高まるだろう。
小松
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