4月第3週の日経平均は調整局面入りか…下げ局面では「投資詐欺」に要注意!

4/19 12:20 配信

あるじゃん(All About マネー)

◆日経平均は調整局面入りか

4月第3週の東京株式市場は厳しい状況を迎えており、日経平均株価は調整局面を迎えています。17日、日経平均株価は3月12日の安値、3万8271.38円を下回ったことでもう一段下を試しそうな状況にあります。また、13週移動平均線を下回ったことも大きなポイントです。1月から続いていた非常に強い上昇局面は、いったん終了したと考えた方が良さそうな動きです。

ただ、企業業績が悪化したので日経平均株価が下落したわけではありません。中東情勢の緊張化や、米国の利下げ後ずれ観測に伴う米国株の下落などが要因です。世界のマネーはつながっており、東京市場に資金を投入している外国人投資家からすると、世界情勢を考慮しなくてはいけませんので、日本経済以外の要因でも日本株が下落してしまうのは仕方のない話です。

ここは「休み」もしくは「我慢」といった状況かと思います。投資資金に余力がある方は、下げ局面で、高配当銘柄などを拾っておくのも手です。短期的な株価動向に気は向かいがちですが、やはり長期的な目線で見ていく余裕(金銭的、時間的など)を持つことが重要です。

◆下落局面では投資家心理をついた「投資詐欺」が増加する可能性も

さて、今回は「投資詐欺」の件をお伝えすることとします。日経平均株価が下落している局面では、「どうしたらいいのか?」と不安に感じている投資家も多いでしょう。そうした投資家心理の隙間に、投資詐欺はすり寄ってきますので注意が必要です。

先日、実業家の前澤友作氏と堀江貴文氏が自民党の部会に出席して、「なりすまし詐欺」を排除する規制強化策を強く訴えました。さまざまなSNSにて、著名人になりすまして投資などを勧誘する投資詐欺広告は数年前より存在していました。金融庁や消費者庁も注意喚起を行っていますが、SNSプラットフォームが投資詐欺広告を削除していないことから「ほぼ放置」のような状況となっています。

◆令和5年の被害額は約277.9億円

警察庁によりますと、このような「SNS型投資詐欺」による被害額が令和5年は約277.9億円とのこと。また被害者が10~20代の若年層や70歳以上の高齢者にもいることから、国民生活センターなどが注意喚起をしています。2020年頃に見られた、暗号資産などへの投資を用いた投資詐欺と比べて、AI(人工知能)を利用した著名人による投資詐欺は非常に巧妙です。SNSの広告をパッと見たところ「それっぽく」できていますので、容易に人のちょっとした欲の隙間に入り込んできます。

「月間で投資した資金の10%を分配金としてお支払いします」といった内容であれば、リスクとリターンのバランスから「おかしいな?」と気付く方もいるでしょう。ただ、著名な方による「無料の投資塾」と銘を打ったサイトの真贋を判別するのはなかなか難しいものです。

◆まずは「疑う」強い気持ちを持つことが大事

実際、著名人が投資をSNSで勧誘することはほぼないでしょう。法令上の無登録勧誘に該当する可能性がありますので。また、銀行や証券会社などは、法令で決められたリスク等を適切に記載した媒体でなければ投資勧誘はできませんので、SNSでの投資勧誘はあり得ません。

こうなってしまうと、SNSの広告全てを「懐疑的」にみるしか、投資詐欺から身を守る術はないでしょう。全てを疑ってしまうのは人として寂しいところですが、そこは割り切っていくしかないと思います。SNSの投資広告を見た際は、まず「疑う」という心を持ちましょう。「詐欺」を見極める経験や知識がない段階では、「疑う」ことで守られる物は非常に多いと考えます。

文:田代 昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。

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最終更新:4/19(金) 12:20

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