米ハイテク「マグニフィセント7」、幹部や取締役の自社株売りが加速

5/10 1:29 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米株式相場活況の大きな原動力となってきた大手ハイテク7社「マグニフィセント・セブン」では、インサイダーが株価上昇による利益を確定させている。アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏やメタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に追随する動きだ。

ブルームバーグがまとめたデータから、7社の幹部や取締役ら十数人が最近、保有する自社株の売却を増やしたことが判明。2023年終盤以降の売却額は合計で1億6000万ドル(約249億円)余りに上った。売却した中には過去9年間にわたり持ち株を削減していない幹部もいた。

例えば、グーグルの親会社アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは、今年これまでに売却した自社株の規模が既に昨年通年を上回っており、今月までに報告された二十数回の売却で総額3000万ドルを手にした。アルファベットの株価は昨年の年初から90%超値上がりしている。

エヌビディアの取締役マーク・ペリー氏は、年初以降に過去2年間よりも多くの株式を売却。アップルのアーサー・レビンソン会長は2月、自身としては過去20年余りで最大の自社株放出を申請した。

アルファベットの広報担当者はピチャイ氏の売却について、トレーディング計画に沿って行われたと説明。エヌビディアはコメントを控え、アップルはコメントの要請に応じなかった。

こうした動きはシリコンバレーの企業インサイダーが保有自社株の含み益をどれほど確定させているかを浮き彫りにする。テクノロジー株はインフレ加速や利上げを要因とした2022年の低迷から立ち直り、最高値を更新した。エヌビディアは今年に入り83%上昇し、マグニフィセント・セブン銘柄でパフォーマンスが最も好調。S&P500種株価指数の中でも3位に付けている。

投資銀行グライフ(本社ロサンゼルス)の創業者、ロイド・グライフ氏は「豚が太れば、屠殺(とさつ)されるということを彼らは皆理解している」と指摘。「株式相場の頂点を完璧に予測することは誰にもできない。現時点でかなり泡立っているように見えるのも確かだ」と述べた。

原題:Magnificent Seven Insiders Sell Stock for First Time in Years(抜粋)

--取材協力:Rita Nazareth、Jack Witzig.

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最終更新:5/10(金) 1:29

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