(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は28日、高い金利水準をあまりにも長い期間維持することで生じる経済的リスクは無視できず、今後2回の金融政策決定会合のうち一つで利下げを開始すべきだとの見解を示した。
ビルロワドガロー氏は講演で、インフレ率を目標の2%に戻すというECBの決意に疑いの余地はないが、ユーロ圏経済のソフトランディング(軟着陸)実現という二次的な目標も現段階で組み込むべきだと述べた。
その方が所得、雇用、財政に良好な結果をもたらすと主張。行動するまで長く待ち過ぎれば、将来ECBはさらに積極的な利下げを余儀なくされる恐れがあるとし、4月または6月の最初の利下げを支持した。
同氏は「インフレに対するリスクは現在均衡しているが、成長に対するリスクは下向きだ」とし、「この2つ目のリスクに備え、利下げ開始を通じて保険をかける時が来た」と表明した。
同氏は、記録的な高水準にあるECBの政策金利が経済に与えかねない悪影響について今週警鐘を鳴らしたハト派寄りの政策当局者の一人となった。
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原題:ECB’s Villeroy Flags Economic Risk of Cutting Rates Too Late (1)(抜粋)
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最終更新:3/29(金) 9:47
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