2026年に入っても物価高の勢いは衰えず、家計への負担は増すばかりです。「周りの人はどれくらい貯金しているの?」「老後の生活は本当に年金だけで大丈夫?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
来月は待ちに待った年金支給月ですが、将来を見据えると手放しでは喜べない現実も浮き彫りになっています。今回は、最新の意識調査や公的データをもとに、現代日本における「お金のゆとり」とシニア世代の家計の実態を紐解いていきましょう。
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【2026年最新調査】「貯蓄に回す余裕なし」が半数近く!十分に余裕があるのは一握り?
くらしとお金の経済メディア「LIMO」では、「Yahoo! ニュース みんなの意見」と共同で、「お金のゆとり」に関するアンケートを実施しました。期間は2026年4月13日から4月26日まで、233人のアンケート参加者から現在の資金繰りについてリアルな声が集まりました。
●《みんなの意見》資金的な「ゆとり」がある世帯はどれくらい? アンケート結果をみる
【共同企画】投資や貯蓄に回せる資金的なゆとりはどれほどありますか?」
233人が投票した結果は以下の通りです。
・十分に余裕があり、計画的に回せている:14.3%(32票)
・ある程度余裕があり、無理のない範囲で回せている:14.8%(33票)
・余裕は少ないが、工夫して回している:18.4%(41票)
・ほとんど余裕がなく、回せていない:29.6%(66票)
・貯蓄を取り崩して生活している状況:18.4%(41票)
・その他/わからない:4.5%(10票)
「余裕がある」と答えた層が3割に満たない一方で、「余裕がない・取り崩している」層が半数近くを占めており、家計状況の二極化が鮮明になっています。しかし、厳しい状況下でも家計管理を工夫し、少額からでも「回そう」と努力している層が2割弱いる点は注目すべきでしょう。まずは現状を正確に把握することが、家計改善への第一歩となります。
次は、実際に老後を目前に控えた世代がどれほどの資産を築いているのか、具体的な数字を見ていきましょう。
【60歳代の貯蓄】ふたり以上世帯は平均と中央値「1200万円の差」
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」の「60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」をグラフを交えて確認していきます。
※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
「60歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額は2683万円ですが、この数字は一部の高額資産保有層が平均を引き上げていますが、より多くの方の実感に近いのは中央値の1400万円でしょう。この中央値が、平均値よりも生活実感に近い「真ん中の層」の数字といえます。
1400万円という中央値を一つの目安にしつつも、持ち家の有無や退職金の額は人それぞれ。自分たちの暮らしに合わせた「リアルな出口戦略」を立てることが欠かせません。
今は銀行に預けておくだけでは、物価上昇でお金の価値が目減りしてしまう時代です。新NISAなどを味方につけて、資産を「守りながら増やす」工夫を、できるところから始めてみるのが賢い選択かもしれません。
【60歳代から90歳代以上】厚生年金の平均年金月額「15万円台」
次に、老後の収入基盤である厚生年金・国民年金の平均年金月額について、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」でみていきましょう。
厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されていますが、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下、記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。
※記事内で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には国民年金の月額部分も含まれています。
●厚生年金《平均年金月額》
・〈全体〉平均年金月額:15万289円
・〈男性〉平均年金月額:16万9967円
・〈女性〉平均年金月額:11万1413円
受給額別の人数を見ると、10万円から11万円未満の層が最も多く、次いで11万円から12万円未満、17万円から18万円未満の層が続いています。
受給額のボリュームゾーンが10万円台前半であることから、多くの人が現役時代の年収や厚生年金加入期間に応じた堅実な年金準備をしていることが伺えます。男女差がある背景には過去の就労形態の違いも影響していますが、女性も長く働くスタイルが定着しており、今後の推移が注目されます。まずは自分の「ねんきん定期便」を確認し、将来の受取額をシビアに見積もっておくことが大切です。
まとめにかえて
今回は、アンケート結果や最新の統計データから、家計のゆとりと老後のリアルな収支について解説しました。
物価高や将来不安が続くなかで、家計や老後資金に悩みを抱える人は決して少なくありません。ただ、その一方で、限られた収入の中でも貯蓄や資産形成に前向きに取り組む人が増えているのも事実です。
大切なのは、平均額に振り回されるのではなく、自分たちの暮らしに合ったお金の計画を立てること。そして、年金や貯蓄の現状を正しく把握しながら、無理のない範囲で備えを続けていくことが、これからの安心につながっていくでしょう。
参考資料
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・Yahoo! ニュース「【共同企画】投資や貯蓄に回せる資金的なゆとりはどれほどありますか?」
村岸 理美
最終更新:5/9(土) 21:05