米国株式市場=S&Pとダウ上昇、FRB当局者の発言消化

5/11 6:52 配信

ロイター

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とダウ工業株30種が小幅に上昇した一方、ナスダック総合はほぼ変わらずとなった。来週に重要なインフレ指標の発表を控える中、連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を消化した。

週間では主要3株価指数全てが上昇。ダウの週間上昇率は昨年12月中旬以来の大きさとなった。

ホライズン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「来週を控え大きなポジションを取りたい人は誰もいない」と指摘。「最大の話題は消費者心理の低下だが、それ以外に当てにできるものは多くない」と述べた。

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は10日、インフレ率の低下が緩やかであっても、FRBは年内に利下げする公算が大きいとの見方を示した。ただ利下げの時期と幅は不透明とした。

一方、 米ダラス地区連銀のローガン総裁は10日、FRBの政策金利は現在、インフレ率の2%目標回帰に向けて十分制約的であるかは不明で、利下げは時期尚早だと述べた。

来週には米国で消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が発表される。

マーフィー&シルベストのシニア資産アドバイザー兼市場ストラテジスト、ポール・ノルティ氏は「FRBは利上げではなく利下げの方向で動いている。そのため、事態が本当に悪化しない限り、高金利長期化は最悪の事態だ」と述べた。

米ミシガン大学が10日発表した5月の消費者信頼感指数(速報値)は、67.4と6カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。生活費の上昇と失業に対する懸念が重しになった。一方、インフレ期待は上昇した。

S&P500の主要11セクターのうち、主要消費財が上昇率トップだった一方、一般消費財株は下落率トップだった。

第1・四半期の決算発表シーズンが終盤に近づいており、LSEGによると決算を発表したS&P500構成銘柄459社のうち77%が市場予想を上回る業績となった。

個別銘柄ではエヌビディアが1.3%上昇。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が4月の売上高が約60%増加したと発表したことを受けた。

米バイオ医薬品会社ノババックスは98.7%急騰。製薬大手仏サノフィと最大12億ドルのライセンス契約を締結したことを受けた。

音声AIプラットフォームサービスを提供するサウンドハウンドAIは7.2%高。第1・四半期の売上高が予想を上回った。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.10対1の比率で上回った。ナスダックでも1.59対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は94億7000万株。直近20営業日の平均は108億7000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 39512.84 +125.08 +0.32 39466.52 39579.88 39406.26

前営業日終値 39387.76

ナスダック総合 16340.87 -5.40 -0.03 16389.02 16437.39 16293.52

前営業日終値 16346.27

S&P総合500種 5222.68 +8.60 +0.16 5225.49 5239.66 5209.68

前営業日終値 5214.08

ダウ輸送株20種 15597.49 +84.96 +0.55

ダウ公共株15種 942.35 -0.84 -0.09

フィラデルフィア半導体 4808.03 +48.26 +1.01

VIX指数 12.55 -0.14 -1.10

S&P一般消費財 1455.72 -8.86 -0.61

S&P素材 578.21 +0.74 +0.13

S&P工業 1062.84 +0.84 +0.08

S&P主要消費財 828.29 +5.23 +0.64

S&P金融 695.29 +3.16 +0.46

S&P不動産 236.78 -0.95 -0.40

S&Pエネルギー 716.44 -3.98 -0.55

S&Pヘルスケア 1672.26 +3.70 +0.22

S&P通信サービス 292.33 -0.44 -0.15

S&P情報技術 3787.39 +17.99 +0.48

S&P公益事業 361.36 -0.59 -0.16

NYSE出来高 9.34億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 38215 - 25 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 38195 - 45 大阪比

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最終更新:5/11(土) 6:52

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