【ニューヨーク時事】週末19日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、イスラエルによるイランへの報復措置を背景とした中東情勢を巡る警戒感がひとまず和らぎ、前日清算値を挟んでもみ合いとなっている。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は午前9時50分現在、前日比0.13ドル安の1バレル=82.60ドル。
米メディアは、イスラエルが19日、イラン領内を攻撃したと報道した。イランのメディアによると、中部イスファハンで「不審な物体」に防空システムが作動したほか、軍事施設の近くで複数の爆発音が聞こえたという。イランが13日から行ったドローンや巡航・弾道ミサイルによる対イスラエル大規模攻撃の報復だとみられている。この報を受け、市場では中東地域での紛争拡大リスクが台頭。時間外取引中に相場は一時86ドル超と急騰した。
ただイラン政府高官はロイター通信に対し、攻撃ではなく何者かによる「侵入」との見方に傾いているとし、イスラエルに改めて報復するような差し迫った計画はないと指摘。中東情勢の一段の緊迫化に身構えていた市場の警戒感がやや和らぎ、売り買いが交錯する展開となっている。(了)
時事通信
最終更新:4/20(土) 0:26
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