49歳契約社員、貯金170万円。消費者金融の借入残高がまだ100万円ほど残っています

5/17 20:05 配信

あるじゃん(All About マネー)

◆契約社員として勤務し、消費者ローンの支払いが毎月4万5000円あります

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、消費者ローンの借り入れがあり、50歳を前に家計を見直したいという49歳の契約社員の男性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

▼相談者

あつおさん
男性/会社員/49歳
千葉県/借家

▼家族構成

一人暮らし

▼相談内容

現在、契約社員として勤務しております。年収は620万円ほどです。賞与はありません。消費者ローンの支払いが毎月4万5000円ありまして、借入残高は100万円ほどです。

趣味というものはないのですが、交際費がかかってしまうようで、毎月の給料をそれなりにいただいていてもそれほど残らないことが毎月のように繰り返しています。

現金の貯金については10万円ほどしかなく、また消費者ローンの借入残高がまだ100万円ほど残っていること、また車のローンもまだ2年先まであることなど、出費が続いてしまっています。

今年の誕生日で50歳を迎えるにあたって、まずは自分の家計診断をしていただきたいと思い応募させていただきました。

自分なりにとても悪い家計状況、貯金がない、そして誤ったお金の使い方をしていると自覚はしているのですが、それをどのように改善していってよいのか分からないのが現状であります。

ぜひともよろしくお願い致します。

▼家計収支データ

あつおさんの家計収支データは図表のとおりです。

▼家計収支データ補足

(1)家計収支について
支出合計26万4360円に毎月の貯蓄(iDeCo)2万3000円、収入が37万円ですから、8万3000円ほどが手元に残る計算になりますが、そのほとんどを交際費や家族と過ごす際のご飯代などに使ってしまっています。

(2)車について
通勤するのに必要のため購入いたしました。中古で購入したのですが年式も比較的新しく、走行距離も少ない状態の車でした。車は通勤でしか使わず、休みの日に出掛ける際は電車など公共機関を使用しておりますので、車は何年も先まで乗ることができると計算しております。ちなみに現在の走行距離は3万3000kmです。1カ月間の通勤で約450kmの走行距離になります。

車両費の内訳
・毎月のローン返済(2027年5月完済予定)は3万円、駐車場代は月1万1000円、自動車保険は月割りで8000円、ガソリン代など

(3)加入保険について
・医療保険(終身タイプ、終身払い、入院7000円、手術給付金、がん診断一時金)=毎月の保険料1万3360円

(4)働き方について
65歳定年となっております。身体が健康ならば70歳、75歳と働き続けていきたいと考えております。65歳以降の収入額についてはどの程度まで減額になるのかは不明です。

(5)公的年金について
現時点で、公的年金の見込み額は151万8422円

(6)消費者金融のローンについて
毎月4万5000円の支払いをしていくことで2年後には完済する予定です。現在は新たなローンはありません。また新たなローンを組む予定もありません。

消費者金融を利用したのは、過去の職場で管理職に就いていたのですがストレスによってメンタルを壊してしまい、うつ病になってしまいました。うつ病になってから数カ月の休職をしていたのですが、その間の生活費を工面するために消費者金融を利用してしまいました。

(7)今後の支出について
今はとにかく毎月の消費者金融の返済と車のローンを早く返済を終えたいと考えております。本来なら8万3000円が手元に残るはずなので、それを返済に回せば早い時期に完済することができると頭では分かっているのですが、つい交際費などに使ってしまいます。年齢も50歳を越えましたし、将来の貯蓄のことを考えると現状では不安ばかりになってしまいます。

▼FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:先取りで毎月10万円貯蓄。残ったお金で生活する
アドバイス2:今後2年で貯蓄額410万円が目標。ローン完済後は貯蓄額を増やす
アドバイス3:老後資金3000万円あれば心配ない。なければ生涯働く必要がある

◆アドバイス1:先取りで毎月10万円貯蓄。残ったお金で生活する

車のローンと消費者金融のローンがありながら、毎月8万3000円の黒字になっています。しかし交際費などで使ってしまっているとのこと。これから65歳までの16年間でしっかり貯蓄をしなければ、老後生活はかなり厳しいことになってしまいます。

まず、家計支出のうち、通信費は契約を見直して半分の6000円に。保険は医療保険にしてはかなり割高なプランです。最低限の保障を割安な保険料で確保できるネット系の医療保険か、共済に加入しなおせば、1万円は削減できます。これで1万6000円が浮きますので、黒字の8万3000円と合わせて9万9000円、約10万円です。毎月、給料が出たら、その口座から自動的に振り替えられる定期預金などを利用して先取りで貯蓄してください。iDeCoは当面ストップし、現預金がある程度の金額になるまでは、運用指図のみとしてください。現預金を貯めることが優先です。

手取り収入が37万円ですから、先取り貯蓄で10万円を差し引いた27万円が生活費として使えるお金です。データ上では現在の支出と変わりはありませんが、これまで8万3000円を交際費などで使っていたわけですから、今後は交際費の上限を決めて、その分は他の支出で調整する必要があります。毎月27万円で生活することが家計改善の第一歩です。

もちろんお付き合いも大事ですが、自分の老後を考えて貯蓄をすることが優先ではないでしょうか?

◆アドバイス2:今後2年で貯蓄額410万円が目標。ローン完済後は貯蓄額を増やす

毎月10万円の貯蓄ができれば、年間で120万円です。2年で240万円。今ある貯蓄10万円を加えて250万円。さらにiDeCoの160万円を加えて410万円。2年後にこの金額にすることを目標に確実に貯蓄をしてください。

2年後には車のローンと消費者金融のローンが終わりますので、7万5000円が貯蓄に上乗せできます。が、2年頑張ってきたのですから、少しゆとりを持ってもいいでしょう。7万5000円のうち5万5000円を貯蓄に上乗せ、2万円は生活費に回してもいいでしょう。

2年後、ご相談者は51歳ですから、定年退職まで残り14年です。毎月15万5000円の貯蓄で年間186万円。14年で2604万円です、貯蓄の410万円を加えて3014万円。これが65歳時点までに貯められるお金、ということです。

2年で410万円の目標が達成できれば、その時点で、iDeCoを再開しても構いません。

◆アドバイス3:老後資金3000万円あれば心配ない。なければ生涯働く必要がある

65歳以降の収入は公的年金がメインになり、現在の見込み額が151万円なので、65歳時点では、おそらく170万円ぐらいにはなっているでしょう。手取りにすると145万円です。一方、支出は車のローンも消費者金融のローンもなくなり、コンパクトな生活ができていれば18万円程度に収まっているはずです。

収支差は年間で70万円ほどなので、65歳時点の金融資産3000万円が底をつくのは40年後、105歳ということになります。

つまり、65歳までにどれだけ貯蓄を残せるか、生活コストを抑えることができるか、ということです。このまま貯蓄がほとんどない状態であれば、公的年金の不足分をまかなえるだけの収入を生涯得る必要があります。そうならないためには、今、家計と向き合い、毎月10万円を先取りで貯蓄するところからスタートします。せっかく十分な貯蓄ができる収入があり、老後資金3000万円を残せるポテンシャルがあるのですから、気を引き締めて、本気で取り組んでください。

やるかやらないかは、ご相談者次第ですよ。

◆相談者「あつお」さんから寄せられた感想

自分自身のお金の使い方について本当に甘かったことを痛感させられました。ご指摘いただいたことを実行できるようすぐにでも見直していくようにいたします。本当に本当に感謝しております。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子

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最終更新:5/17(金) 20:05

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