4月のCPIをきっかけに米の利下げが現実的となり、米金利とドルは反落
みなさん、こんにちは
5月14日(日本時間15日21時30分)に、今月の金融相場の行方を握る重要な4月の米国消費者物価指数(CPI)が発表されました。
4月のCPIは前月比で0.3%の増加となり、3月の0.4%増から鈍化。年間では3.4%上昇し、前月の3.5%からわずかに低下しています。
これにより米金利先物市場では米国の9月の利下げをほぼ100%織り込む展開となり、米2年債利回りは一時4.7005%に低下。
米金利の低下により、S&P500は今年23度目!! となる終値での最高値を更新。
日経先物も3万8720円と反発してNY市場を終えています。
米金利低下により米ドル/円は節目の155.00円を割り込み、本稿執筆時点での米ドル/円は153.61円まで急落しています。
約8兆円にも及ぶ日銀の巨額なドル売り介入が米ドル/円を鎮静化
では、今回の米CPIの結果を受け、米ドル/円が今後どういう流れになるのかチェックしてみましょう。
まず先週のコラムでご紹介させていただいたように、約8兆円にも及ぶ日銀の巨額なドル売り介入が米ドル/円の上昇トレンドを沈静化させると考えています。
マーケット参加者の間では、約8兆円にも及ぶ日銀の巨額介入はほぼ事実として扱われていましたので、マーケットに影響はありませんが、テレビ東京の報道で介入を確認した形。米ドル/円に関する強気スタンスは変わりませんが、当初のターゲットであった160円をいったん達成してしまったこと、加えて過去、神田財務官が巨額の介入の実施に踏み切った局面では、いったん米ドル/円の流れを変えていることがちょっと気になるところです。(先週のコラムより抜粋)
米ドル/円は152~157円の調整局面入りか
この動きを受け、米ドル/円は当面152~157円のレンジに収束するとみていますが、その理由は下記のとおり。
(1)約8兆円にも及ぶ日銀の巨額のドル売り介入
(2)当面の米ドル/円のターゲットである160円を達成してしまったこと
(3)2022年に日銀が9兆円の介入を実施した後、米ドル/円は24円も急落していること
この中で個人的に気になるのが、(3)の2022年の日銀介入後の米ドル/円の推移です。
下図は、2022年と今年の日銀介入後の米ドル/円の推移。
2022年の9~10月に日銀が9兆円にも及ぶドル売り介入を実施した局面での米ドル/円は、127円台まで急落しています。
その値幅は24円にも及ぶ暴落。
もちろん、2022年当時と、今年の米ドル/円を取り巻く環境は違いますが、ほぼ同規模の巨額なドル売り介入が行われています。
加えて、今回は9月に米国が利下げを開始することが先物市場で織り込まれています。
ドル金利がさらに低下すると152.00円のサポート割れも!
繰り返しますが2022年~2023年のように、今回も介入をきっかけに米ドル/円が24円も急落するとは考えていませんが、先週の見立てと同じで、当面、米ドル/円は152~157円のレンジに収束。
調整が終われば再び160円突破を目指すと考えていますが、当面は調整でのもみ合いに終始すると考えています。
ただ想定以上に米国の利下げが前倒しになることで、ドル金利がさらに低下。
その影響で重要なサポートである152.00円(神田シーリング)を割り込むようだと調整が深くなるため要注意です。
2022年同様、8兆円ものドル売り介入がマーケットに持ち込まれたことに加え、9月の米国の利下げが100%織り込まれたことから、米ドル/円は152~157円のレンジに収束するという見立ては変わらず。
152.00円のサポートには要注意。
ザイFX!
最終更新:5/22(水) 9:37
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