(ブルームバーグ): 商業用不動産関連融資を手掛けるドイツの金融機関、ドイチェ・ファンドブリーフバンク(PBB)は7日、昨年の配当を見送ると発表した。不動産市況の悪化に対応する。
同行は「不動産サイクルの後期段階において、すべての利害関係者の利益となるよう財務の健全性を守るため、2023年度の配当を行わず、代わりに利益を留保することを決定した」と説明した。
PBBは米国の不動産市場の問題が欧州に波及しているとの懸念によって大きな打撃を受けた欧州の銀行の代表的な例で、社債と株式はここ数週間、記録的な安値に落ち込んでいる。
同行は4月にその他ティア1債(AT1債)のクーポンを支払う条件は満たしていると付け加えた。銀行はAT1債のクーポン支払いを見送るオプションがあるが、そうすれば市場の信頼が損なわれる恐れがある。
長期にわたる低金利からの急速な反転は、不動産所有者への圧力となり、不動産価格を下落させた。PBBが大きなエクスポージャーを持つ米国のオフィスビルにおいて特に顕著だ。
23年の損失引当金は2億1200万ユーロ(約340億円)で、前年の4400万ユーロから増加した。税引前利益は9000万ユーロだった。PBBによると、今年は23年よりも「かなり高い業績」を見込んでいる。
原題:Deutsche Pfandbriefbank Skips Dividend Amid Property Crisis (1)(抜粋)
--取材協力:Tasos Vossos.
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最終更新:3/7(木) 16:22
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