エヌビディアとAMD、AI主導権賭けて対決-トップが構想を披露

6/4 13:39 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のリサ・スーCEOは、人工知能(AI)開発の世界的ブームを支える新世代チップをそれぞれ披露した。将来のAI設計・普及を方向付ける競争が激化している。

フアン、スー両氏はともに台湾出身で、現在は米ハイテク大手のトップとして地元でセレブのような存在となったが、台湾で今週開催されている台北国際コンピューター見本市(COMPUTEX)では異なる手法を用いてそれぞれの見解を伝えた。

フアン氏は時価総額2兆8000億ドル(約437兆8000億円)のエヌビディアについて、オープンAIやマイクロソフトが対話型AI「ChatGPT」のような生成AIサービスを構築する上で依存するAIアクセラレーターの分野で優位に立っていると何度も強調。2026年に向けて開発中の次世代チップ「ルービン」の構想にも言及した。宇宙に存在する「暗黒物質」の発見に貢献した米天文学者ベラ・ルービン氏にちなんで名付けられ、「ブラックウェル」ファミリーの後継モデルとなるこのチップは、同社が独走態勢を維持するための鍵となりそうだ。

一方、AMDのスー氏はもっとチームワークに重点を置くことを選択。同氏は米HPのエンリケ・ロレスCEOから中国の聯想集団(レノボ・グループ)のルカ・ロッシCEOに至る大物パートナーを次々と壇上に招き、AI作業を高速化するためのプロセッサー「ニューラル・プロセシング・ユニット(NPU)」の設計に注力していると説明した。AMDの現在の時価総額はエヌビディアの10分の1程度にとどまる。

コンサルタント会社モア・ザン・ムーアのチーフアナリスト、イアン・カトレス氏は、人々がエヌビディアをファン氏の化身のように捉えているのに対し、スー氏はAMDの救世主と受け止められたきたと指摘。「AMDにはこのビジネスに関してなお負け組の要素があり、それはAIに関しても大いに当てはまる」と述べた。

AMDのスー氏は当初、世界中のテクノロジー企業幹部にとって最も重要な会議の一つであるCOMPUTEXの主催者から会議冒頭の講演者に指名されていた。しかし、エヌビディアのファン氏は1週間にわたる同イベントの正式開幕に先立つ2日夜、自社の戦略計画に関する独自のプレゼンテーションを行い、スー氏から主役の座を奪った。

スー氏は3日、ChatGPTのデモの途中でこの件に遠回しに言及。「われわれが台湾に関心を持っていること、COMPUTEXに参加することをツールに知らせることから始めよう。そうすれば冒頭の基調講演について何か聞けるかもしれない」と話し、会場の笑いを誘った。

両氏は台湾南岸の同じ都市に生まれ、遠戚関係にある。

エヌビディアは生成AIの台頭を新たな産業革命とみており、このテクノロジーがパソコンにシフトする際に大きな役割を果たすことを期待していると、フアン氏は台湾大学での講演で説明。1年前に同じ会場で示した「AI能力を持たなければ取り残される」といった考えをあらためて強調した。

COMPUTEXの参加者は、フアン氏のパフォーマンスがエヌビディアの持続的な優位性を印象付けたと話しており、その地位をAMDなどのライバル企業が短期的に揺るがすのは困難とみられる。あるファンドマネジャーはブルームバーグ・ニュースに対し、フアン氏は26年に発表予定のチップについて詳細を明らかにしなかったにもかかわらず、特にルービンを巡り多くの関心が集まったと語った。

3日のニューヨーク市場でエヌビディアの株価は4.9%高で終了。年初来で132%上げている。AMDは2%安で引けた。

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原題:Nvidia and AMD Square Off in Fight to Take Control of AI (2)(抜粋)

--取材協力:Ian King、Nick Turner.

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:6/4(火) 13:39

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