輸出は3カ月連続増、自動車が堅調さ維持-貿易収支は前月に続き赤字

3/21 9:01 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本の輸出は2月に前年比で3カ月連続で増加した。欧米向けを中心に自動車関連が堅調さを維持した。個人消費の低迷が続く日本経済の下支え役として、輸出の伸びが持続するかどうかが引き続き注目される。

財務省が21日発表した2月の貿易統計(速報)によると、輸出は前年同月比7.8%増。市場予想(5.1%増)を上回った。数量ベースでは1.5%減と3カ月ぶりにマイナス。一方、輸入は0.5%増と11カ月ぶりのプラスとなり、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3794億円の赤字と2カ月連続のマイナスだった。

19日に17年ぶりの利上げを決めた日本銀行は先行き緩やかな景気回復が続くとの見方を維持したが、引き続き下振れリスクとして海外経済の動向を注視している。内需の弱さを主因に1-3月期は再びマイナス成長に陥るとの見方がある中、政府は2月の月例経済報告で低調な個人消費と生産の弱さを理由に総括判断を引き下げた。景気の腰折れを回避するには内需の回復と共に輸出の動向が鍵を握る。

農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、米国向けが二桁の伸びを示すなど「輸出はしっかりしている」と指摘。ダイハツ工業の認証不正問題に伴う出荷停止に関しては、軽自動車は国内向けが多く輸出への影響はそれほどなかったと指摘した。その上で、経済にとって大事なのは消費であり、賃金が伸びていけば「好循環が確認され、日銀としても追加利上げという話になってくる」との見方を示した。

2月の輸出の品目別では、自動車と自動車部品、プラスチックが増加した一方、鉱物性燃料が減少した。

地域別では米国向けは18.4%増と29カ月連続プラス、欧州向けは14.6%増で3カ月連続プラスとなった。 中国向けは2.5%増と3カ月連続でプラスだが、伸び率は1月(29.2%)から大幅に縮小した。中国では昨年は1月中だった春節(旧正月)に伴う大型連休が今年は2月にずれている。

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--取材協力:野原良明.

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最終更新:3/21(木) 10:39

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