日銀は物価目標を完全達成へ、追加利上げが可能に-IMF日本担当

4/19 1:01 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本銀行は今後2年間に物価目標を完全かつ持続的に達成できる見通しで、金利を一段と引き上げることが可能になると、国際通貨基金(IMF)の日本ミッションチーフを務めるナダ・シュエイリ氏が述べた。

シュエイリ氏は17日、ワシントンで開かれているIMF春季会合に際して行われたインタビューで、日本の力強い賃金上昇が今年下期の消費に波及すると予想。インフレ期待も強まり、これらが日銀に次回利上げを促す公算が大きいとの見解を示した。

次回利上げの具体的な時期については踏み込まなかった。

日本では需要主導型のインフレが芽吹き、人々の認識が変化しつつある様子が見られるとシュエイリ氏は説明。日本のインフレ率は今年と来年を通じて日銀が目標とする2%を上回り続けるだろうと同氏は見込んだ。この予想が実現するならインフレは持続的なものになり、日銀の目標は達成される。

IMFは日銀の目標が「達成されるとみている」と同氏は述べ、「インフレが定着している国・地域で通常見られる消費者心理が、日本経済でも見られ始めている」と指摘した。

シュエイリ氏は3月、日銀が17年ぶりの利上げを実施する前に現在の職務に就いた。日銀は全体的な政策設定を緩和的に維持しつつ、利上げと併せてイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止も決めたが、これらは全てIMFが2月に出した勧告に沿った形となった。

「勧告は極めて真剣に受け止められた」と同氏は述べた。日銀が昨年、YCCの運用を柔軟化する決定を下したのも、IMFがそうした勧告を行った後だった。

同氏は日銀が着手した利上げサイクルのターミナルレートや、国債購入の停止時期について考えを巡らせるには早過ぎるとの見解を示した。

「バランスシート縮小は短期的に必要なものではない。ほぼ現在の水準で国債購入を続け、バランスシートの安定を保ち、利回りを落ち着かせるため必要に応じて介入するのが日銀の現政策だ。それが短期的な政策であるべきだ」とシュエイリ氏は論じた。

原題:IMF Sees BOJ Fully Hitting Price Goal, Raising Rates Further(抜粋)

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最終更新:4/19(金) 1:01

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