<新興国eye>前週のブラジル株、インフレ加速懸念や長期金利上昇などを受け7週続落=BRICs市況

6/1 8:56 配信

ウエルスアドバイザー

現在値
NF ブラジル株式283.9-9.30
上場EM54,090-140.00
上場MSCIエマ株3,247-124

 前週(5月25-29日)のブラジル株式市場は29日のボベスパ指数が前日比0.73%安の17万3787.49となり、週間ベースでも22日終値比1.37%安と、7週続落した。

 週明け25日は指数が上昇、翌26日は反落、28日まで3日続落した。

 週前半は、トランプ米大統領が米イラン和平合意に近づいているとの発言を受け、和平合意への期待感や原油安で世界株高となり、ブラジル市場でも買いが優勢となった。米国メディアはイランが合意成立後30日以内にホルムズ海峡の航行再開、4月初旬に合意した停戦協定も60日間延長、その間、イランの核開発協議を継続すると報じた。原油価格急落で国営石油大手ペトロブラスは売られたものの、銀行株が買われ、上げをけん引。

 その後は、米軍のイラン南部空爆で早期和平実現への期待が後退、原油価格が急騰したため、売りが優勢となった。主要銀行が下落、下げをけん引。

 週後半は、ブラジルの5月中旬のインフレ率が前年比4.64%上昇と、前月の同4.37%上昇から加速、市場予想の同4.55%上昇を上回ったことを受け、中銀が政策金利を長期にわたり高水準に維持するとの見方が強まり、売りが優勢となった。また、米イラン和平協議の不確実性の高まりも売り材料。米国は和平合意発効後1カ月以内にホルムズ海峡封鎖を解除するとの暫定合意案に関するイランのメディア報道を否定した。

 その後は、金利上昇懸念で売りが優勢となった。イランによる米空軍基地への報復攻撃がブラジル経済のスタグフレーション(景気後退にもかかわらず、インフレ率が上昇する状態)を起こすとの懸念が高まったことや、5月IGP-Mインフレ指数(卸売物価)が市場予想を上回ったことを受け、シティグループが26年末の政策金利見通しを13.25%から13.75%に引き上げたことが背景。また、指数の構成ウェートが高い鉱山大手ヴァーレが鉄鉱石相場の下落で売られ、下げをけん引。

 週末29日は4日続落。国内1-3月期GDP伸び率が前期比1.1%増と、25年10-12月期の同0.3%増から急加速、1年ぶりの高い伸びとなったことを受け、中銀はタカ派姿勢を強め、利下げサイクルは限定的となるとの見方で長期金利が上昇、売りが優勢となった。ペトロブラスも米イラン和平協議の担当者が停戦延長(60日間)で暫定合意したことを受け、原油価格が下落したため、売られ、下げをけん引。

 今週(1-5日)の株式市場は、イラン戦争の動向やウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の終結に向けた米・ロ・ウクライナ協議の動向、西側の対ロ制裁、イラン情勢などの地政学的リスク、トランプ大統領の貿易政策、台湾情勢や米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、ルラ政権の経済・財政・税制政策や26年大統領選の動向も注目される。

 主な経済指標の発表予定は1日の5月S&Pグローバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)や2日の5月S&Pグローバル・ブラジル非製造業PMI、3日の4月鉱工業生産と5月貿易収支、5日の5月自動車生産・販売台数など。4日は「キリスト聖体祭」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>
 ボベスパ <1325> 、上場MSエマ <1681> 、上場EM債 <1566>

提供:ウエルスアドバイザー社

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最終更新:6/1(月) 8:56

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