明日の戦略-米国株安を受けても大幅高、早期の38000円台回復で下値不安が後退
16日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は477円高の38311円。13日の米国株は大幅安となったが、東京市場ではイスラエルとイランの軍事衝突を先んじて消化して先週下げていたことから、ネガティブな影響は限定的。寄り付きから3桁の上昇となり、節目の38000円を上回った。広範囲に買いが入ったことやアドバンテスト<6857>に非常に強い動きが見られたことなどから、前場のうちに上げ幅を300円超に拡大。後場には500円超上昇する場面もあり、38300円台に乗せて高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0700億円。業種別では卸売、非鉄金属、繊維などが上昇した一方、石油・石炭、精密機器、パルプ・紙などが下落した。1Qが大幅増益となったネオジャパン<3921>が急騰。半面、今期の見通しが市場の期待に届かなかったフリービット<3843>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1132/値下がり432。動きの良さが目立ったアドバンテストが9.6%高。1銘柄で日経平均を約218円押し上げた。スタンダード銘柄のメタプラネットが全市場の売買代金ランキング3位となる大商いで25.6%高。好材料のあった銘柄が跳ねており、上方修正を発表したアクシージアや丹青社が急騰した。リカバリーウェア「BAKUNE」の販売好調などを受けて通期見通しを引き上げたTENTIALは、場中に値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、1Qが減益となった三井ハイテックや上期の純利益が計画未達となったHISが急落。前営業日に決算で跳ねたビジョナルやタイミーが利益確定売りに押された。株価上昇で地政学リスクに対する過度な警戒が後退する中、INPEX、ENEOS、出光興産など原油高メリット銘柄が軟調。サンバイオ、リベラウェア、データセクション、ゼンムテックなど、グロース市場の人気どころの一角が強めに売られた。
日経平均は大幅高。アドバンテストの貢献が大きかったとはいえ、後場も買いの勢いが緩まず終日強い動きとなった。安値38055円は寄り付き直後につけており、終値(38311円)では5日線(38190円、16日時点、以下同じ)を上回った。米国株安を跳ね返して大きく上昇したことから、目先は下値不安が和らぎ、買いが入りやすくなると見込まれる。
あすは日銀金融政策決定会合の結果を消化する。今回は金融政策は現状維持が濃厚で、引け後の植田総裁会見が注目を集める。結果発表直後の振れ幅は大きくなる可能性があるが、基本的には総裁会見を前に様子見姿勢が強まるだろう。米国ではあすからFOMCが開催される。日経平均は改めて38000円より上で値を固めたい局面。5日線より上をキープできるかに注目したい。
トレーダーズ・ウェブ
関連ニュース
- 明日の戦略-伸び悩むも4日続伸、上昇加速か一服かの分岐点
- 明日の戦略-大幅高で38000円を上回る、これより上が定着するかが焦点に
- 明日の戦略-前場と後場で雰囲気一変、38500円の壁を意識
- PBシステムズ-続伸 自己株取得枠を拡大 20万株→30万株 割合4.93%
- TENTIAL-3日ぶり反発 リカバリーウェア「BAKUNE」をANA国際線ファーストクラスの対象路線で提供
最終更新:6/16(月) 17:02