iDeCo加入者400万人突破!12月から「拠出限度額の引き上げ」企業年金ありの会社員「最大4万2000円の増額」金額設定の手続き方法などFPが解説
2026年(令和8年)8月、国民年金基金連合会は最新の「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況(2026年6月)」を公表しました。加入者数は2026年6月末時点で400万人を超え、着実に利用者が増えています。
さらに2026年12月1日の制度改正により、2027年1月引き落とし分からiDeCoの拠出限度額が引き上げられます。今回は、最新データから見える平均掛金額の傾向と、多くの方に関わる拠出限度額アップの内容・手続き期限を、3つのポイントで解説します。
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【iDeCo加入者】約401万人。みんなの掛金額は「平均いくら」?
iDeCoを運用する上で気になるのが、「他の人はいくら積み立てているのか」という点ではないでしょうか。国民年金基金連合会が公表した最新データ(2026年6月時点)から、加入区分ごとの掛金の傾向を見ていきます。
●加入者数は「400万人」突破! 平均掛金額は「1万6639円」
2026年6月末時点の加入者数は400万9337人(対前年同月比108.7%)でした。単月の新規加入者数も「4万189人」(対前年同月比137.4%)と、前年を上回るペースで増え続けています。
加入者の掛金額を階層別に見ると、最も多くの方が選んでいるボリュームゾーンは「月額2万円台」で、約181万人がこの価格帯に設定しています。
区分ごとの平均掛金額は次のとおりです(2026年6月時点、国民年金基金連合会調査より)。
第1号加入者(自営業・学生等):2万7145円
拠出限度額が月6.8万円と高いため、将来を見据えて手厚く準備されている方が多いのが特徴です。
第2号加入者(会社員・公務員):1万5395円
勤務先の制度内容により差があり、企業年金に未加入の会社員は1万6393円、企業年金に加入している会社員は1万3653円、共済組合に加入している公務員等は1万4116円が平均となっています。
第3号加入者(専業主婦・主夫):1万3866円
限度額は月2.3万円。家計のバランスを考えながら、着実に資産形成に取り組まれている様子が伺えます。
第4号加入者(任意加入被保険者):4万4725円
60歳以降も加入を継続する層が含まれ、高い拠出水準を維持しています。
全体の平均掛金額は「1万6639円」でした。
2026年12月から「拠出限度額」が引き上げに。対象者と変更額は?
ここで知っておきたいのが、2026年12月1日の制度改正により、2026年12月分(2027年1月引き落とし分)から適用される拠出限度額の引き上げです。国民年金基金連合会が2026年8月に公表した案内によると、変更内容は加入区分によって異なります。
・第1号加入者・第4号加入者(自営業者等・任意加入被保険者):月「6万8000円」→月「7万5000円」(0.7万円の増額)
・第2号加入者(企業年金なし):月「2万3000円」→月「6万2000円」(3.9万円の増額)
・第2号加入者(企業年金あり):これまでの「iDeCo単体の上限」が撤廃され、企業年金等と合計で月「6万2000円」まで(最大4.2万円の増額)
・第3号加入者(専業主婦・主夫):月「2万3000円」のまま変更なし。今回の引き上げの対象外です
また、60歳以上70歳未満の方でiDeCoを活用した資産形成を続けたい方向けに、新たに「第5号加入者」という区分が新設され、上限は月「6万2000円」です。
第3号加入者は引き上げの対象外という点は、意外と見落とされやすいポイントかもしれません。ご自身の加入区分が「対象になるのかどうか」を、まず確認しておくとよいでしょう。
●あわせて「加入可能年齢」も70歳未満に拡大
2026年12月からは、拠出限度額の引き上げとあわせて、iDeCoの加入可能年齢も70歳未満に拡大されます。
ただし、60歳以上70歳未満の方が対象になるには、次のいずれかに該当する必要があります。
・企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入者
・確定給付企業年金(DB)の加入者
・国民年金の付加年金・国民年金基金の加入者
・国家公務員・地方公務員、私立学校教職員(共済加入者)
なお、上記に該当しない方であっても、2029年11月末までは移行措置としてiDeCoへの加入が可能とされています。「自分は対象になるのか」がわかりにくい制度改正でもあるため、60代で加入を検討している方は、この移行期間中に運営管理機関へ確認しておくと安心です。
掛金額を見直すなら、いつまでに手続きが必要?
今回の引き上げにあわせて掛金額の変更を希望する場合、いくつかの期限を押さえておく必要があります。国民年金基金連合会の案内では、次の2つの方法が示されています。
・事前受付:2026年9月頃から開始予定。専用の届出書を運営管理機関から入手し、提出する方法です。対象となるのは、拠出限度額が引き上げられる加入区分の方で、現在の掛金納付方法が「毎月定額」の方に限られます
・e-iDeCo(オンライン手続き):2026年12月1日から12月24日までの期間に手続きが可能です
いずれの方法でも、他の手続きとの兼ね合いなどにより、12月分の掛金額変更に間に合わない場合があります。その場合は2027年1月分以降の反映になるとされていますので、変更を希望する方は期間内の早めの手続きをおすすめします。詳しい手続き方法は、加入している運営管理機関に確認するのが確実です。
iDeCoのメリットを最大限に活かすために。FPが考える「継続」と「見直し」の視点
2026年6月時点のデータをもとに、iDeCoの最新の利用状況と、2026年12月に予定されている拠出限度額の引き上げについて解説しました。
約400万人が将来の備えとしてiDeCoを活用していますが、制度を続ける上で欠かせないのが「登録情報の正確さ」です。転職や企業年金の変更があった際に手続きが漏れると、意図せず掛金の拠出が止まってしまうことがあります。書類一通の不備で積み立てが止まれば、本来得られるはずだった所得税・住民税の節税効果を逃すことにもなりかねません。
参考資料
・国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況(2026年6月)」
・国民年金基金連合会「iDeCoの拠出限度額の引き上げにあわせてiDeCo掛金額変更をご希望の方へ、お手続きのご案内」(2026年8月公表)
・厚生労働省「iDeCoの加入者、加入ご検討中の皆さまへ iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢が引き上げられます」
・厚生労働省「2025年の制度改正」
村岸 理美
最終更新:




