東京ガス、累進配当の継続を前提に増配を検討-株価大幅上昇
(ブルームバーグ): 東京ガスは31日、株主還元策として安定配当の維持や緩やかな増配という方針に基づきながら、累進配当の継続を前提に増配の検討を進めると発表した。
また、新たに1400万株(発行済み株式数の3.6%)、400億円を上限とする自己株取得を発表した。取得期間は2月5日-3月31日までで、東証で市場買い付けする。今年度の自己株取得は累計で約1200億円となる見込み。2025年度の経営計画と26年度以降の経営計画策定方針については、3月にも公表するという。
同社を巡っては、昨年11月に物言う株主(アクティビスト)の米ヘッジファンド運営会社 エリオット・インベストメント・マネージメントが株式の約5%を保有していることが判明。東ガスが保有する不動産の売却を求めており、同社の対応に注目が集まっていた。
同日の決算説明会で、 南琢最高財務責任者は、不動産といってもエネルギー事業や技術を組み合わせて価値を出せるものや、そうでないものが混じっており、「個別に考えていく」必要があると説明。3月以降に方向性を示していきたいとした。
東京ガス株は、株主還元や経営計画に関する発表を受けて、午後の取引で上げ幅を拡大し、一時9.6%高の4495円と、24年11月20日以来の日中上昇率を記録した。終値は7%高の4392円だった。
同社は2025年度までの中期計画で、最終年度に株主資本利益率(ROE)8%の達成をトッププライオリティーと掲げる。この目標に向け、24ー25年度にかけて機動的で大規模な自己株取得を継続する。
このほか同社は、資本政策などの議論や検証を行うため、社長を委員長とする企業価値向上委員会を設置することも発表した。
(c)2025 Bloomberg L.P.
Bloomberg
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最終更新:1/31(金) 15:43