「思ったことをすぐに口にする」人が抱える大問題 「リーダーになってはいけない人」はこんな人だ

11/21 15:32 配信

東洋経済オンライン

「課長なんて楽勝、楽勝」と思いきや、いざ自分が「その立場」になってみたらチームがうまく回らないし、成果も一向に上がらない。打開策について上司に相談しても「課長になったんだから、もっとガツンとやれ」と意味不明なアドバイスしか返ってこない……。
 
いざリーダーになったときに途方にくれないためには、リーダーになる前から「正しい準備」をしておくことが大切なのです。
リーダー育成家林健太郎の最新刊『できるリーダーになれる人は、どっち? : 話し方・考え方・聞き方……「ここ」で差がつく!』では、コーチとしてリーダーシップの指導にあたっている著者が、将来、リーダーとして活躍することを目指している人たちに向けて、「できるリーダー」へと成長するために身につけておきたい仕事の習慣について紹介しています。本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします(全3回、今回は3回目)。

 ◆仕事で相手と会話するとき

リーダーになれる人は、目指すゴールから逆算して、「何を言うか」を考えてから口に出す。
リーダーになれない人は、思ったことを無計画に、すぐに口に出してしまう。

■職場に悪影響を与える発言

 思ったことをすぐに口に出してしまう人、あなたの周りにはいませんか? 

 例えば、会社の方針説明会があったとして、終わった直後のランチの席で「あんな売上目標なんて無理に決まっているじゃないか!  会社はいったい何を考えているんだ」なんて言う人です。

 これが一般社員同士の会話なら、たまにはストレス発散としていいかもしれません。しかし、この発言をしているのが例えば課長で、一緒にランチをしているのが部下だったとしたら、これは不適切な会話と言わざるを得ません。

 「ちょっと待った!  そんなこと言ってしまっていいの?」という状況です。自分の上司がそんなことを言っていたら、部下としてはモチベーションダウンもいいところですよね。

 このように「思ったこと」を不用意に発言する人は、リーダーになれない人……というよりも、リーダーになったら周囲に悪影響を及ぼしてしまう人です。

 リーダーになりたてで、まだ一般社員だったころの感覚が忘れられない人が陥りやすい、典型的な失敗パターンだったりします。

 一方、リーダーになれる人は、「自分の発言によって、聞いている相手がどういう状態になればハッピーか?」「聞いている相手にどう思ってほしいか?」などを逆算して、会話のシナリオを考えてから発言します。

 つまり、受け取る側の感情から発言を考えることができるのです。

■リーダーになる人の思考回路

 もし、会社の方針説明会でかなり厳しい売上目標が示されたとしても、こんなふうに考えます。

「部下たちがどういう気持ちになるのが望ましいか?」  

「そんな売上目標は無理に決まっている」(と受け取るに違いない)

「高い目標をクリアするという経験を仲間と一緒に楽しむ」(という思考にみんなが向かうにはどうすればいいか)
 こんな形で、あなた自身の脳内で会話(セルフコーチング)をしながら、どんな形で言葉を伝えるのがいいのか、策を練っていくわけです。

 例えばこんな言葉を伝えてみるのはどうでしょう。

 「売上目標自体は非現実的なのはみんなわかっていることだよね。会社が決めたことだから、それに向かってがんばることは必要なんだけど、例えばこれを、みんな1人ひとりの個人競技ではなく、チームのミッションだと考えて、お互いにどんな協力をすれば、より目標達成に近づくのかを考えてみるのはどうだろう?   せっかくの機会だから、チームワークよく仕事をするというテーマで動いてみるのはどうかな?」

 いかがですか? 

 ふむ。ここでも、きっと「違いがわからない」という声をあげてくださっている読者の方がいらっしゃるかもしれませんね。

 例えば、あなたが感情に任せて、「こんな売上、達成できるわけがない!  会社は何を考えているんだ!  でも、会社が言っていることだから、みんなも売り上げが上がるように何とかがんばってくれよな」

 と伝えたとすれば、受け取る側にはきっとマイナスの影響が働くでしょう。

 相手がポジティブに受け取るか、ネガティブに捉えるか、常に対比を考えながら発言を選ぶことができるのが、リーダーになれる人です。

 ここでも、チームを率いるリーダーが自分の感情曲線をしっかり捉え、自分の感情をなるべくポジティブな方向に向けながら発言する内容を吟味しています。

 優れたリーダーは、自然にそういうことをやっているものです。

■優れたリーダーが心がけていること

 事実、知り合いの「できるリーダー」たちに、「何を伝えるかをあらかじめ考えてから、部下に言葉を発信していますか?」と聞くと、全員が口をそろえてこう答えてくれました。

 「林さん、そんなこと、当たり前じゃないですか」

 部下や一緒に働くメンバーに「感じてほしいこと」や「考えてほしいこと」は、会社の業務の流れの中である程度決まっているものでしょう。それなので「チームの長がそちらの方向に向かうように、水を向けるのは当然のこと」というのが、できるリーダーたちに共通する認識でした。

 できるリーダーにとっては、「ゴールを目指して、会話の仮説を立ててから話す」ことは、当然のことなのです。

 リーダーにとって、メンバーの心をがっちり掴む「人心掌握」は大切な要素です。その人心掌握のためには相手の感情を先回りして想定し、相手がほしいと思う言葉を投げかけられることが大切なのは、言うまでもありません。

東洋経済オンライン

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最終更新:11/21(火) 15:32

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