成績ぐんと上昇「東大受かった子」に共通する特徴 非進学校から東大を受験する子にある特徴も

3/20 9:51 配信

東洋経済オンライン

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第108回は駿台予備学校お茶の水校3号館で高卒生の東大対策コースのクラス担任をしている堤政文さんに、受かる受験生・落ちる受験生の特徴をうかがいました(前後編の後編)。

■素直だからこそ合格をつかんだ

 3月10日に東京大学の合格発表(前期日程)がありました。合格した生徒も、残念ながら落ちてしまった生徒もいます。

われわれカルペ・ディエムでは、駿台予備学校東大専門校舎の「お茶の水校3号館」にて、2024年度から既卒生100人を対象とした『東大特化学習支援』を実施し、東大を目指す学生の皆さんをサポートする予定です。今回は同校で高卒生の東大対策コースのクラス担任をしている、堤政文さんから、「受かる受験生・落ちる受験生の特徴」について、お話を伺います。(今回は、前後編の後編です)

西岡:前編では、『コソ勉』より『ガリ勉』が受かる、という話を伺いました。素直な子のほうが合格しやすい、と。堤さんの目から見て、『素直だからこそ合格できた生徒』というのは今までいましたか? 

 堤:例えば、中高ずっとバンド活動をしていたという学生がいました。その子は、中高一貫で、校風が自由な学校の学生でした。いわゆる進学校だったのですが、高校時代にバンドをずっとやっていたので、まったく勉強をせず、成績は決してよくありませんでした。自分の成績が悪いこともよく認識していた彼は、『浪人したからには、言われたことを完璧にこなします』と言っていました。

 西岡:言われたことを、全部実行する、という意味ですか? 

■教えたことを100%実行して東大合格

 堤:そうです。『毎日自習室に行って、朝から晩まで勉強しよう』とか、『わからないことがあったらしっかり質問しよう』など、こちら側が『こうすればいいよ』と言ったことを全部実行したんです。

 講師のところにも、授業が終わったらすぐに質問にいっていました。講師によっては『これは知っていてほしかったな』『これは基礎だから、早急に対策しないとまずいよ』というようなことを話す人もいたわけですが、それでもめげずに質問し続けていました。こちらが言ったことを100%実行したうえで、『次は何をしたらいいですか?』という質問もしてくれました。

 西岡:そういう素直さ・ひたむきさは、バンドの経験があったからこそ身に付いたのかもしれませんね。1つのものを本気で実行した経験があるからこそ、真摯な気持ちで努力できたのかもしれません。

 堤:そうかもしれませんね。最終的にその学生は、浪人の1年で成績をぐんと伸ばして、東大に合格しました。

 西岡:『ドラゴン桜』の中でも、成績が伸びる子のタイプとして『何かに熱中した経験がある子は、成績を大きく上げて合格する場合が多い』ということが紹介されていました。

 ※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

 西岡:ここで描かれているとおり、周りに流されない、ひたむきに努力できる生徒というのは、合格しやすいと言えるのだと思います。

 堤:そうですね、とても共感できます。例えば、『一緒に何時に来て勉強しよう』と約束して勉強しているタイプの子よりも、『約束していないけれど、自然とその時間一緒に勉強している』タイプの子って、伸びやすいんですよ。

 西岡:約束しているわけではないのに、一緒に勉強しているのですか? 

 堤:そうです。例えば東大に受かったある学生は、校舎が開いたらすぐ自習室で勉強を始めて、校舎が閉まるまで勉強していました。

 その子には『一緒に勉強しよう』と約束しているわけではないのに、同じように勉強するライバルがいたんですよね。

 校舎が閉まるまで勉強して、駅まで一緒に行く帰り道で、一言二言会話を交わす。決めたわけでもないのに、次の日も同じように努力している。そういう関係性の仲間がいると、東大に合格しやすいんです。

 西岡:なるほど。周りに流されないけれども、一緒に勉強する仲間がいる。そういう状態はまさに理想的だと言えそうですね。

 また、この連載は『逆転合格の作法』ということで、非進学校の生徒が浪人して東大に合格する場合についても伺いたいです。非進学校の生徒が東大を受験する場合、壁になってくるのはどういう部分だとお考えですか? 

■自分に自信がなくて不合格に

 堤:私たちの校舎でも、東大受験が当たり前でない学校から受験する学生はいます。そういう学校の学生は、いわゆる進学校と呼ばれる高校の学生と比べて、入学時の成績が厳しいとか、学習時間が少ないとか、そういうことはまったくありません。成績的に比べてみても、大きな差異はない場合が多いです。でも、1つだけハンデがあるとしたら、自信がないことだと思います。

 西岡:自信がない? 

 堤:自分に対して自信がなさすぎて、自分の勉強法を信じ切れないんです。焦って、普段とは違う勉強をし出したり、『このままではダメだ』と思って授業中に内職をしたりして、近道を探し始めてしまうことがあります。自分のやり方を信じ切れば合格していたかもしれない、という学生もいました。なので、東大受験が当たり前ではない学校の学生には、『自分に自信を持つように』、と指導しています。

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

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最終更新:3/20(水) 9:51

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