ユーロ圏総合PMI、9カ月ぶり高水準-独仏は低調、全体を押し下げ

3/21 19:05 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): ユーロ圏の民間部門の経済活動は9カ月ぶりの高水準に達した。域内の2大経済国では弱さが続いたが、残りの国が補った。

S&Pグローバルが21日発表した3月のユーロ圏HCOB総合購買担当者指数(PMI)速報値は49.9に上昇した。エコノミスト予想の49.7を上回り、拡大と縮小の境目を示す50に昨年6月以降で最も近づいた。

この上昇は、サービス業の好調が寄与した。製造業PMIは予想に反して3カ月ぶりの水準に低下したが、サービス業PMIはエコノミストが予想していた以上の勢いを示した。

ユーロ圏全体のPMIはまずまずだったが、ドイツとフランスの状況は暗く、域内他国に比べ回復が遅れている。これは域内の景気がまだら模様であることを示していると、HCOB(ハンブルク商業銀行)は指摘した。

ユーロ圏は昨年末にリセッション(景気後退)を回避。ただエコノミストらは、1-3月(第1四半期)の域内経済成長率を0.1%、通年でも0.5%にとどまるとみている。

HCOBのチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は「1-3月での製造業回復を期待していたなら、負けを認める時だ」と述べつつ、「ただ、希望の光はある。企業は将来の生産を引き続き楽観している」と論じた。

「フランスとドイツを比較すると、総合PMIのデータはほぼ同程度の弱さを示している」とも語った。

フランス民間部門の3月の経済活動は前月に比べて縮小ペースがやや加速した。ドイツは縮小ペースがやや緩和したが、これは拡大と縮小の境目に近づいたサービス業がけん引した。

重要なドイツの製造業PMIは前月の42.5から41.6へとさらに落ち込み、改善を期待していたエコノミストらを再び裏切った。

「ドイツは回復軌道を取り戻せていない。ドイツの製造業は憂慮される縮小ペースで1-3月を終えた。前月に見られた苦境が続いている」とデラルビア氏は指摘した。

原題:Euro Area’s Top Two Economies Are Holding Back Growth in Bloc(抜粋)

--取材協力:Joel Rinneby、Mark Evans.

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最終更新:3/21(木) 19:05

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