世界失業率、記録的低水準の5%で推移へ 若年層は高い=ILO
[ジュネーブ 16日 ロイター] - 国際労働機関(ILO)は16日発表した報告書で、2024年の世界失業率がデータがある1991年以降、最低の5%だったと明らかにした。25年もこの水準を維持すると予想した。
ただ世界経済成長は昨年の3.3%から今年は約3.2%に減速し、中期的に緩やかな減速が続くことで雇用創出が制限されるとの見方を示した。
「世界経済は緩やかなペースで拡大を続けているが、徐々に勢いを失い、労働市場のより強力で持続的な回復を妨げることが予想される」と述べた。
26年の失業率は4.9%に低下する見込み。
ただ一部の国やグループは好調な傾向の恩恵を受けられず、若年失業率は12.6%と高くなっていると指摘した。欧州の一部では近年、失業率が低下しているが、南アフリカなどでは24年が30%を超えるなど高水準が続いた。
ILOのウングボ事務局長は報告書の序文で活発な労働市場への障壁に対処するために大胆な行動が必要とし「世界は、適切な仕事を生み出す社会正義への新たなアプローチを受け入れなければならない」と述べた。
報告書には、教育への投資を通じた雇用創出の促進に向けた勧告や、貧困国の発展を促進するために、移民が母国に送金する資金を活用した新たな民間資金の提案が盛り込まれている。
ロイター
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最終更新:1/16(木) 19:59