ロシア中銀、政策金利21%に引き上げ 03年以来の高水準
Elena Fabrichnaya Gleb Bryanski
[モスクワ 25日 ロイター] - ロシア中央銀行は25日、主要政策金利を200ベーシスポイント(bp)引き上げ、21%とすることを決めた。2003年に金利を20%以下に引き下げて以来、最も高い水準となる。
中銀は声明で、現在8.4%となっているインフレ率を抑制するために今回の利上げが必要だとし、国民のインフレ予想は年初来の最高水準に達していると言及。「インフレ率が目標に戻り、インフレ予想が低下するよう、金融政策のさらなる引き締めが必要だ」と述べた。
次回の会合でさらなる利上げの可能性があるとして、引き続きタカ派的姿勢を示した。25年のインフレ率見通しを4.5─5.0%とし、目標4%は達成できないことを示唆した。
ロイターが調査したアナリストの大半は100bpの利上げを予想していた。
ロシア中銀は「24年の追加の財政支出と関連する政府予算の赤字の増加はインフレ傾向を強める」と述べた。
中銀の上層部は、ロシア最大の石油、防衛企業のトップなど有力な実業家らから引き締めサイクルを停止するよう異例の圧力を受けていたが、今回の利上げ決定は中銀側が政治的な支持を得ていることを反映したものともなっている。ただ、公式な統計では、金融引き締め策にもかかわらず企業向け融資は減速していない。
中銀は、ウクライナへの行動に動揺する市場を沈静化して資本流出を阻止するため、22年2月に金利を20%に引き上げた。22年4月には17%に引き下げた。
ロシアの公式な経済成長率見通しは24年は3.9%、25年は2.5%。
ロイター
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最終更新:10/26(土) 1:13