TOKAI Research Memo(5):2025年3月期中間期業績は過去最高売上を更新、各利益も増益を達成(2)
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■TOKAIホールディングス<3167>の業績動向
(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前年同期比3.3%増の28,361百万円、営業利益は同15.4%減の2,391百万円と増収減益となった。
このうち、コンシューマー向け事業は売上高で同3.2%減の11,709百万円、営業利益で同16.6%減の427百万円となった。中間期末の顧客件数は従来型ISPサービス等が前年同期比13千件減の387千件となったが、光コラボサービスが同10千件増の378千件、「LIBMO」が同3千件増の78千件となり、全体では横ばい水準にとどまった。前期末比では光コラボサービスが4千件増と拡大基調が続いたものの、従来型ISPサービス等が5千件減となり、従来型ISPの減少分を光コラボの増加でカバーできていない。また、順調に増加していた「LIBMO」についても、主要販売ルートであったドコモショップが自社サービス「eximo(エキシモ)」の販売を強化した影響で2千件減となった。光コラボサービスについては大手携帯キャリアのセットプランの契約比率が上昇し、ARPUの低下傾向が続いており減収要因となっている。
法人向け事業は売上高で前年同期比8.4%増の16,652百万円、営業利益で同15.2%減の1,964百万円となった。売上高は引き続き通信回線サービスやクラウドサービスの拡大により好調を持続したものの、賃金改定による人件費の増加や、データセンターや通信インフラなどの設備能力増強に伴う減価償却費の増加が減益要因となった。
(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前年同期比1.8%増の18,058百万円、営業利益は同3.1%増の3,233百万円と増収増益基調が続いた。地域密着の事業者として地元の情報発信や番組制作に注力するとともに、大手動画配信事業者と提携するなどコンテンツの充実に努めたこと、またFTTHへの投資により高速インターネットサービスの営業活動を積極的に進めたことが増収増益要因となった。中間期末の顧客件数は放送サービスで同4千件増の920千件、通信サービスで同19千件増の403千件となり、放送サービスの顧客が新たに通信サービスを契約するといったケースが増えているものと思われる。利益面では、賃上げによる人件費増1.4億円があったものの、顧客件数拡大による増益2.0億円と販管費等の抑制効果0.4億円が増益要因となった。
(4) 建築設備不動産事業
建築設備不動産事業の売上高は前年同期比9.1%増の11,944百万円、営業利益は同33.4%増の771百万円と3期ぶりの増収増益に転じた。売上高の内訳を見ると、建築・設備工事が受注増加に伴い同6.9%増の7,394百万円となったほか、不動産販売・管理が大型の事業用地や分譲地の販売により同12.7%増の3,849百万円となった。また、減収が続いていた土木工事も同1.9%増の820百万円と若干ながら増収に転じた。建築・設備工事についてはグループ会社のリソースを共有することで従来よりも規模の大きい案件を受注できるようになるなどシナジー効果が顕在化しつつある。利益面でも増収効果により増益となった。
(5) アクア事業
アクア事業の売上高は前年同期比23.2%増の4,784百万円、営業利益は同8.8%減の332百万円となった。顧客件数の増加により5.2億円の増益となったが、顧客獲得費用等が5.5億円増加し、若干の減益となった。中間期末の顧客件数は同14千件増の180千件となり、このうち2023年4月より新たに取り扱いを開始した給水型浄水ウォーターサーバー「しずくりあ」が同11千件増の13千件と増加分の大半を占めた。同社の既存の宅配水サービスはウォーターサーバーを無料で貸し出し、定期配送する天然水の販売で収益を稼ぐビジネスモデルであったが、「しずくりあ」はウォーターサーバーの月額利用料(6ヶ月ごとのメンテナンスサービス料込み)で収益を稼ぐビジネスモデルである。
同社では、既存の宅配水サービスの解約希望者に対して月額平均利用料を半分程度に抑えられる「しずくりあ」を提案することで解約防止につなげている。既存サービスについても新規顧客の獲得を進めることで前年同期比3千件増の167千件と若干ながら増加した。なお、「しずくりあ」の顧客売上単価は宅配水サービスよりも低くなるが、利益面では宅配水の配送費用が不要となるため顧客当たり利益では大きく変わらないものと見られる。
(6) その他・調整額
その他の売上高は前年同期比12.2%増の2,532百万円となった。介護事業はデイサービスの利用者数増加により同3.2%増の719百万円となり、船舶修繕事業も修繕隻数の増加により同22.9%増の783百万円となった。婚礼催事事業は法人等の一般宴会の利用件数が増加したものの、婚礼挙式組数の減少により同0.5%減の546百万円となった。本社費用を含めた営業損失は3,647百万円(前年同期は3,520百万円の損失)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
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最終更新:12/5(木) 16:22