老後の年金は毎月いくらもらえる?厚生年金「10万円未満」と「20万円以上」どちらが多い?年金受給額の分布を確認

6/10 6:45 配信

LIMO

公的年金は老後の主要な収入源ですが、受給額は人によって大きく異なります。会社員として長く働いた人と、国民年金のみの人とでは月額10万円以上の差が生まれるのが実情です。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月末時点の厚生年金(第1号)老齢年金受給権者は1608万5696人です。この受給権者を月額10万円未満と月額20万円以上に分けたとき、どちらが多いかを最新データで確認します。

自分の年金額と比較しながら、ぜひ参考にしてみてください。

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2026年4月分から年金額は1.9~2.0%引き上げ、6月15日支給分から反映

●改定後の月額と物価上昇との関係
2026年度の年金額は、国民年金(基礎年金)が前年度比1.9%引き上げられました。また、厚生年金については報酬比例部分が前年度比2.0%引き上げられています。新しい金額が実際に振り込まれるのは、2026年6月15日に支給される4月分・5月分からです。

【2026年度の主な年金額(月額)】

 ・老齢基礎年金(満額・1人分):7万608円(前年度比+1300円)
 ・厚生年金の標準的な年金額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む):23万7279円(前年度比+4495円)
※厚生年金の標準モデルは、夫が平均的な収入(賞与込みで月額換算45万5000円)で40年間就業し、妻が同期間ずっと専業主婦だった世帯を想定しています。この夫婦が65歳から受け取る合算月額が23万7279円です。

ただし、消費者物価指数は2025年平均で前年比2.7%の上昇です。そのため、年金月額の改定率1.9~2.0%は物価上昇に追いついておらず、実質的な年金の価値は目減りしていることになります。

●受給権者は1608万人、平均月額は15万0289円
「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(第1号)の老齢年金受給権者は1608万5696人、平均年金月額(国民年金+厚生年金)は15万0289円です。

男性平均は16万9967円、女性平均は11万1413円で、男女差は月額約5万8000円あります。

月額10万円未満は305万人、月額20万円以上は302万人

●月額階級別の人数を集計するとほぼ拮抗
同概況では、厚生年金(第1号)の老齢年金受給権者を月額1万円刻みで集計しています。1608万5696人を月額階級別に並べると以下のとおりです。

集計すると、月額10万円未満の人は305万3974人、月額20万円以上の人は302万7673人でした。差はわずか2万6301人で、両グループの規模はほぼ拮抗しています。

全体に占める割合は、10万円未満が約19.0%、20万円以上が約18.8%と、ともに5人に1人弱でした。

●年代別の事情と男女差が分布をつくっている
10万円未満の層には、繰上げ受給で減額を選んだ人、厚生年金の加入期間が短い人、女性の受給権者が多く含まれます。

一方、20万円以上の約302万人のうち男性が約294万人と97%を占めています。現役時代に高い報酬を得て長く厚生年金に加入した人ほど、20万円台の受給につながりやすい構造です。

国民年金の平均は5万9310円!

●国民年金の分布は7万円未満に9割が集中
国民年金(老齢年金)受給権者は3345万4617人で、平均年金月額は5万9310円です。月額分布をみると、7万円未満の受給者が約3046万人と全体の約9割を占めています。

国民年金のみの平均月額5万9310円に対し、厚生年金第1号の平均月額は15万289円です。差は月9万979円、年額で約109万円にのぼり、厚生年金加入の有無が老後の月額を大きく左右しています。

年金月額を上げる3つの方法

老後の月額を1~2万円単位で底上げする方法として、次の3つが挙げられます。

●厚生年金加入期間を延ばす
60歳以降も会社員として働き70歳まで加入する方法です。

短時間労働者への適用拡大も進み、2024年10月からは従業員51人以上の企業まで対象が広がりました。さらに2025年6月成立の年金制度改正法で、企業規模要件と月額賃金要件(106万円の壁)の段階的撤廃も決まり、加入できる人がさらに増える見通しです。

●繰下げ受給で増額する
原則65歳の受給開始を66歳以降75歳まで遅らせる方法です。

1カ月あたり0.7%、最大10年で84.0%増額された年金が生涯続きます。月15万円の人が75歳まで繰り下げれば月27万6000円まで増える計算です。なお繰下げ期間中は年金収入がゼロになる点に注意してください。

●iDeCo・新NISAで上乗せ収入をつくる
iDeCo(個人型確定拠出年金)は掛金が全額所得控除となり、現役時代の節税効果も得られます。新NISAは年間360万円・生涯1800万円までの非課税枠で運用益・配当が非課税です。

自分の見込額を確認して老後計画を立て直そう

厚生年金第1号の受給権者1608万5696人を月額階級で見ると、10万円未満が305万3974人、20万円以上が302万7673人とほぼ拮抗していました。

平均月額15万289円という1つの数値だけでは見えない「分布の幅」が、老後の家計に大きな差を生んでいることがわかります。

一方、国民年金(老齢年金)受給権者全体の平均月額は5万9310円となっています。

老後の年金額は、現役時代の加入制度や加入期間、収入水準などによって大きく異なります。まずは「ねんきんネット」などで自身の年金見込額を確認しておくとよいでしょう。

50歳以上ならねんきん定期便にも見込額が記載されています。

不足が見えれば、加入期間の延長、繰下げ受給、iDeCo・新NISAでの上乗せを組み合わせて月額1~2万円単位で底上げする計画を立ててみてください。

参考資料

 ・日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
 ・厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」

苛原 寛

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最終更新:6/10(水) 6:45

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