【日本市況】株式が反落、大納会は利益確定売り優勢-円一時158円台
(ブルームバーグ): 2024年の取引最終日となる30日の日本市場では株式が反落。年末年始の休暇を前に電機や自動車など輸出関連株を中心に売りが優勢だった。債券は上昇し、円相場は一時1ドル=158円台に下げた。
前週末の米国株安などが嫌気され、大納会の日経平均株価は4営業日ぶり、東証株価指数(TOPIX)は6営業日ぶりに下げて終えた。日経平均は前週末に終値で節目の4万円台を約5カ月ぶりに回復しており、利益確定売りが出やすかった。
年間ベースでは日経平均が19%高、TOPIXが18%高と、2年連続の上昇となった。日経平均の終値は1989年12月末(3万8915円)を上回り、年末としての史上最高値を35年ぶりに更新した。
株式
東京株式相場は反落。前週末の米国株安が嫌気され、電機や自動車、機械など輸出関連が軟調に推移した。TOPIXは前週末まで5日続伸しており、年末年始の休暇を前に利益確定の売りが出やすかった。
TOPIXを構成する2124銘柄のうち934銘柄が上昇、1106銘柄が下落した。日経平均構成銘柄では、ホンダと検討する共同持ち株会社への出資比率を巡る不透明感などを背景に日産自動車が最も下げた。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは、日本株は前週末に大きく上昇したため、きょうは利益確定的な動きと説明。日経平均は27日にレンジ上限として意識されていた4万円を上回ったため、再びレンジ推移に戻りそうな気配があるとも話していた。
一方、米金利高が支えとなり、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株の一部が買われて相場を下支えした。浪岡氏は日本銀行による来年1月の利上げの可能性も一部で意識されていると指摘した。
債券
債券相場は中長期債を中心に上昇。売り先行後、徐々に押し目買いが入って上昇に転じた。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「押し目買いに加え、現物には年金基金による期末のインデックス(指数連動)買いも入っているのかもしれない」と話していた。
前週末に米国の長期金利が上昇した上、年明けに10年国債入札が予定されていることもあり、朝方は先物を中心に売りが優勢だった。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=158円台前半に小幅下落。年末で市場参加者が少ない中、日米の金融政策を意識した円売り・ドル買いがやや優勢になった。
ただ、日本の通貨当局による円安けん制への警戒感も根強く、日中は157円台後半でのもみ合いが続いた。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、市場参加者が少ない中でもじわじわと円が売られる展開で、日米の金融政策を意識して「年明けは円売りから攻める展開になる」と予想。1月20日のトランプ次期米大統領の就任式で関税政策の発表に注目が集まっているとし、それを確認するまで「あえて円高方向を攻める必要はない」との見方を示した。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、新たな少額投資非課税制度(NISA)に絡む資金フローを見込んだ海外投資家の円売りに注意が必要だとし、「年始にかけては介入発動リスクも含め、やや荒い値動きとなる可能性がある」と警戒する。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:長谷川敏郎、横山桃花.
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最終更新:12/30(月) 16:18