(ブルームバーグ): 英投資ファンドのパリサー・キャピタルが、投資先の京成電鉄に対し、保有するオリエンタルランド株式を短期間で15%未満まで減らすべきかどうか、自ら株主に諮るよう要求していることが1日、分かった。6月下旬に開催予定の定時株主総会に会社側の議案として提出するよう求めた。
先月26日付で京成の取締役会宛てに送付された書簡の内容をブルームバーグが確認した。パリサーはオリランド株削減のほか、適切に検討された資本政策の導入、ガバナンス改善のための委員会設置についても取締役会から議案として提出するよう要請。回答期限を3日の午後3時までに設定した。
事情に詳しい関係者は、今後パリサーが自ら株主提案を提出する可能性があることを示唆した。
京成の株価はこの報道が伝わった後、1日午後の取引で、一時前週末比2.4%高の6309円まで上昇した。
パリサーは昨年10月、京成が事実上の政策保有株として約22%保有していた「東京ディズニーリゾート」運営会社のオリランド株について、含み益を考慮すると京成株は著しく安いなどと指摘。保有比率を15%未満まで減らし、売却資金を成長投資や株主還元に充てるよう要請した。
その後、京成は今年3月になって1%分の売却を発表。710億円の特別利益を計上する見込みとして2024年3月期の純利益予想を378億円から839億円に上方修正した。1株当たり8円の特別配当も実施し、期末配当予想を同13円から21円に引き上げた。
パリサーは依然として保有は過大だとの考えを示しており、今回、書簡により京成側に期限を区切って踏み込んだ対応を求めた格好だ。
ブルームバーグのデータによると、パリサーは京成株式の1.6%を保有する。京成はオリランド株21.15%(自己株を除く)を保有している。時価総額は京成が約1兆800億円、オリランドが約8兆8700億円で、京成の保有分は同社自身の時価総額を上回っている。
パリサーの広報担当者はコメントを控えた。京成の広報担当者は、「個別の投資家とのやり取りの内容については、コメントは差し控える」と電子メールで述べた。
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最終更新:4/1(月) 17:11
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