「日本人はもっとダラダラと休日を過ごしていい」メンタルを徹底的に回復させるオランダ人のすごい休み方

11/30 15:17 配信

プレジデントオンライン

休みの日に疲れやストレスを取り去るにはどうすればいいか。心理カウンセラーの片田智也さんは「日本人は勤勉な国民性だからか、無意味で非生産的な時間を過ごすことに罪悪感を抱きがちだが、それこそが正しい休み方だ。休日にまで義務感や生産性を持ち込んではいけない」という――。

 ※本稿は、片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■恐れるべきなのは、日々のささいな失敗ではない

----------
失敗が怖くて挑戦できない

「失敗を避けて生きる」ことこそが、最大の失敗
----------

 新しいことにチャレンジするのは誰でも怖いものです。

 「もし失敗したらどうしよう?」「まわりに迷惑がかかるかも……」。

 挑戦しない理由をかき集めるように、リスクやデメリットを考えてしまうかもしれません。

 失敗を怖いと感じるのはおかしなことではありません。

 大切なのは恐れを向ける対象、「何を怖がるか?」です。

 アインシュタインはこう言っています。

 「失敗したことがない人は挑戦したことがない人だ」。

 たしかに、何かに挑戦をすれば、必ず失敗と遭遇することになります。

 そして失敗するのは痛いものです。心が傷ついて挫折するかもしれません。

 でも、傷や痛みを避けているとどうなるでしょうか?

 自身の不遇を何かのせいにして、言い訳しながら過ごすことになります。

 「上司のせい」「会社の体制に問題がある」「あの人は恵まれていただけ」。

 それらが事実だとしても、自分が挑戦しなかったことの理由にはなりません。

 少なくとも、何かを悪く言って過ごす時間は苦しいものです。

 失敗を避けて生きる。それが最大の失敗ということです。

 あなたが恐れるべきなのは、日々のささいな失敗ではありません。

 もっと大きな、「取り返しのつかない失敗」の方を恐れて欲しいのです。

■挑戦をためらう時ほど、成長するチャンス

 「ドラクエ」のようなRPGをイメージしてみてください。

 一度も敵と遭遇せず、痛みも傷もなく、ラスボスの手前まで来てしまったとしたら、困るのはあなたの方です。

 傷や痛みを恐れていると、敵との戦いを避けてしまいます。レベルアップできないまま進めば、物語の後半で苦労することになるでしょう。

 仕事や人生も同じです。

 後半になればなるほど、遭遇する課題や問題の難易度は上がります。

 いつまでも「始まりの町」でぐずぐずしているとしたら、それこそ「最大の失敗」と言えるでしょう。

 「今の自分にはちょっとムリかも……」。

 そう思った時ほど、踏み込んで挑戦してみましょう。きっと、倒すのが難しい課題と遭遇することになります。

 だからこそ、必要に迫られて、新しい発想が生まれたり、能力が強化されたりして、レベルが上がるのです。

 挑戦をためらう時ほど、成長するチャンスなのだと考えてください。

 新しい課題にも、思い切って踏み込めるようになるでしょう。

----------
怖がる対象は「失敗」ではなく「失敗するチャンスを逃すこと」
----------

■体は家にいても頭の中は休日出勤にしない

----------
休みに仕事のことを考えて疲れる

休日は「何もしない」をするのが仕事
----------

 休みの日に、仕事のことを考えて過ごしていないでしょうか?

 やり残した仕事を思い出したり、メールの返信を気にしたり、うまくオンオフの切り替えができないと、いくら休んでも疲れは取れないものです。

 実際、「十分休んだはずなのに気が晴れない」という人は少なくありません。体的には休んでいても、精神的に休まっていないからでしょう。

 大切なのは、体の休養と心の休養を分けて考えること。

 体が休んでいるからといって、心まで休めているとは限りません。

 たとえば、金曜日のやり残しを考えながら土日を過ごしたとしましょう。

 その場合、体は家にいても頭の中は休日出勤していたことになります。

 疲れが取れないのは当然です。

 オランダの言葉で「Niksen(ニクセン)」というものがあります。

 これは「あえて何もしない」という意味の動詞です。公園の芝生でごろごろ寝転がったり、行き先を決めずにぶらぶら散歩したり、意識的に「何もしない」ことによって頭の中を休めるのがニクセンです。

 現代社会において「何もしない」は、簡単ではありません。

 「○○した方がよいのでは?」「もっと○○しなければ」と思わせる情報は、自分から取りにいかなくとも、いくらでも入ってきます。

 いつでも「何かをする」ばかりでは精神的に参ってしまうでしょう。

 「せっかくの休日、何かをしなければ」「意味のある時間を過ごそう」。

 こういった発想自体、すでに「仕事的」です。

 ニクセンのポイントは、そうした義務感と生産性から離れることにあります。

■仕事で何かを生み出したいから、休日は「何もしない」

 ある会社員の男性が、申し訳なさそうにこう言っていました。

 「休みになると、ついダラダラしてしまうんですよね……」。

 いやいや、それで正解です。まるで悪いことのように言いますが、無意味で非生産的な時間を過ごすこと、それこそが正しい休み方なのです。

 もともと勤勉な国民性だからか、日本人は休むのが上手ではありません。

 何もしない時間に罪の意識を感じたことはありませんか?

 休日にまで義務感や生産性を持ち込んで、疲れやストレスを溜めていては元も子もありません。

 「何もしない」と割り切って、そうするのが仕事だと思ってダラダラしてみましょう。強いて言えば、「何もしない」をすることです。

 意味のない時間にこそ、休みとしての意味があります。仕事で何かを生み出すためにも、休日はあえて何も生み出さないようにしてください。

----------
休みの日は「何もしない」をして、義務感・生産性から離れよう
----------



----------
片田 智也(かただ・ともや)
一般社団法人感情マネージメント協会代表理事、公認心理師
20代で独立起業するが、ストレスから緑内障を発症、視覚障害者に。同年、うつ病と診断された姉が自死。姉の死の真相を知るために精神医学や心理療法を探求し、後に心理カウンセラーに転身する。厚生労働省ストレスチェック制度、防衛省メンタルサポートなどメンタルケア関連の公共事業に多数参画。カウンセリング実績はのべ1万5000人以上。企業研修や講演の受講者は累計2万名を超える。精神障害を持つ方のカウンセリングから経営者、アスリートのメンタルトレーニングまで「心の問題解決」に広く取り組む。
----------

プレジデントオンライン

関連ニュース

最終更新:11/30(土) 15:17

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング